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目標管理(MBO)とは何か?『図解 人材マネジメント入門』【無料公開#7】

電子版5月28日、書籍版6月26日発売の『図解 人材マネジメント入門』では、人材マネジメントの理解と実践に役立つ100のツボが紹介されています。その中でマネジメントする側・される側双方に役立つ30のツボを、毎日1つずつご紹介していきます。

Q:目標管理(MBO)とは何か?

A:目標を手がかりにして自らの仕事ぶりをマネジメントすること


「仕事の結果」を評価する方法としてよく使用されている目標管理(MBO)について確認しましょう。

目標管理(MBO)の最大のポイントはS e l f - c o n t r o l

目標管理(MBO = Management By Objectives and Self-control)とは、P. F. ドラッカーによって提唱されたマネジメント哲学です。
目標を手がかりにすることで自らの仕事ぶりをマネジメントすることを言います。
一人ひとりが責任を持って目標を立て、目標に照らして自らの成果を評価できなければなりません。
Self-control(自己管理)による強い動機づけが最大のメリットなのです。

日本企業の目標管理制度

多くの日本企業は目標管理を取り入れていますが、実態としてはただのノルマ管理となってしまうことがよくあります(図表016参照)。

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必達すべき数字として上司から落ちてくるようでは、MBOではありません。
重要な「and Self-control」の部分が消えてしまっています。

目標を双方の合意で握手する

組織の「やってほしいこと」を押し付けるだけでもなく、個人の「やりたいこと」を主張するだけでもなく、双方の「握手」の上で理想的な目標を立てる。
図表016の⒈ 葛藤克服型MBOにあるとおり、そこには葛藤があり、克服するためには様々な工夫と双方の努力が必要になります。
P. F.ドラッカーは『プロフェッショナルの条件』においてMBOの「第一の目的は、上司と部下の知覚の仕方の違いを明らかにすることにある」と言っています。
上司と部下が見ていることの違いを明らかにして、まずはお互いの「やってほしいこと」
と「やりたいこと」を場に出すところから真のMBOは始まるのです。

次回は、はMBOを工夫した一例であるOKRを見てみましょう。

<著者プロフィール>

坪谷邦生(つぼたに・くにお)

株式会社壺中天 代表取締役、株式会社アカツキ 人材マネジメントパートナー、株式会社ウィル・シード 人事顧問、中小企業診断士、Certified ScrumMaster認定スクラムマスター。
1999年、立命館大学理工学部を卒業後、エンジニアとしてIT企業(SIer)に就職。2001年、疲弊した現場をどうにかするため人事部門へ異動、人事担当者、人事マネジャーを経験する。2008年、リクルート社で人事コンサルタントとなり50社以上の人事制度を構築、組織開発を支援する。2016年、急成長中のアカツキ社で人事企画室を立ち上げる。2020年、「人事の意志を形にする」ことを目的として壺中天を設立。
20年間、人事領域を専門分野としてきた実践経験を活かし、人事制度設計、組織開発支援、人事顧問、人材マネジメント講座などによって、企業の人材マネジメントを支援している。
主な著作『人材マネジメントの壺 ARCHITECTURE』(2018)、『人材マネジメントの壺DEVELOPMENT』(2018)など。

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