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【「はじめに」公開】堀田秀吾・木島豪 著『科学的に自分を思い通りに動かす セルフコントロール大全』

強い意志、ガマン、やる気は不要!
本書は、脳科学・心理学・医学の114もの最先端研究から導きだした自己管理法を紹介した一冊。
脳のクセを利用した誰でもできるセルフコントロールで毎日の「やりたいこと/やるべきこと」をスッと終わらせましょう!

このnoteでは本書の冒頭を公開します。

「だらだらと仕事をして、今日のタスクが終わらなかった」

「動画やテレビをずるずる見て、休日を無駄にすごした」

「お腹が減っているわけではないのに、だらだら食べ続けてしまった」

 こんな経験をした人は、たくさんいるでしょう。

 1日の終わりに「今日もできなかった……」と後悔して、「明日こそは絶対やる!」と心に誓いながら、眠りについていませんか?

 つい、だらだらしてしまうのを自分のせいにして「ダメな人間なんだ」と自分を責めるのは今日でおしまいにしましょう。
 自己管理がうまくいかないのは、あなたの意志が特別弱いわけでも、ガマンが足りないわけでもありません。

「自分をうまく動かすちょっとしたコツ=セルフコントロール法」を知らないだけです。

 驚くことに、人間という生き物は、自分自身の意志で行動を決定していません。
 環境と状況に合わせて、最小限の力でラクをして生きようとする生き物なのです。
 目標に向かって「やる気」や「意志」などで動けるのは、本当に希少な人たちだけです。

 本書では、一体どこにあるかもわからない、得体の知れない「やる気」に頼らずに自分で自分を思い通りに動かすための方法をお教えします。

 ご紹介するセルフコントロール法は、誰でも簡単にできるアクションであり、そのすべての方法が医学、脳科学、心理学などの研究で学術的・科学的に実証されています。
 114もの世界中の研究結果から導きだしたセルフコントロール法を提案しているので、あなたに合う方法が必ず見つかります。

「明日やろうはバカヤロウ」を卒業し、日々の「やりたいこと」を無理せずに完了して、最高の気分で毎日をすごしましょう!

はじめに

「体が先、脳が後」を利用してセルフコントロールを成功させる!

 人間が行動を起こすとき、「体の動きが先で、脳の司令が後」というのが現在の科学の定説です。
 脳と体なら、脳が先に指令をだすとイメージする人は少なくないでしょう。
 しかし、科学の進歩によって、人間は体が動き、その動きに合わせて脳が考えるという順番であることが判明しています。

 簡単にいえば、じゃんけんで「パーをだそうという意識」より先に「体がパーをだす動きを始めている」ということです。一見、信じがたいことですが、数々の実証実験によって証明されている事実です。

 司令塔である脳は、頭蓋骨のなかに封じ込められて、脳自身で何かを感じとることはできません。ですから、体から送られてくる動きや感覚などのさまざまな情報を受けて判断しています。

 これは、セルフコントロールにおいても、「具体的な動き=アクション」が非常に重要になることを意味しています。
 そこで、「どういうアクションをすればより上手にセルフコントロールできるのか?」というテーマを掲げ、世界中の科学者たちの研究から得た知見を1冊にまとめました。

研究者と医師が提案! 健康的に「心」と「体」を自己管理する方法

 本書の大きな特徴は、明治大学教授で心理言語学者である堀田秀吾と、医療法人社団EPIC DAY 東京メディカルクリニック平和台駅前院の院長である医師・木島豪との共著である点です。

 本書が扱うのは「心」と「体」の健やかさと活力です。そこで、心理言語学者の堀田と医師の木島がタッグを組んだというわけです。

 著者の一人である堀田は、法律の世界におけるコミュニケーションを分析する「法言語学」を研究する言語学者で、警察や法律家から依頼を受けて、捜査や裁判で用いる証拠の分析を担当することがあります。

 分析結果が関係者の人生を左右する可能性を秘めていますから、できる限り正確に分析するには、言語学や法学の知識だけではなく、広く「人間」を知ることが求められます。そのため、心理学や脳科学や社会学などの隣接分野のアプローチも積極的に取り入れています。

 そのような知見をベースに私たちの日常をみてみると、セルフコントロールの重要性を痛感します。
 事件を起こしてしまった人は、最初から「やるべきではない」とわかっていたことを“ついやってしまった” 人物も少なくありません。また、薬物依存症、クレプトマニア(万引き依存症)のような犯罪と結びついた各種依存症の改善に必要なものは、アルコール断ちや禁煙などで必要とされる脳の働きと大した違いはありません。どちらも、セルフコントロールがすべてです。

 また、もう一人の著者の木島は、医師という立場から、心身に関する医学的な知見はもちろんのこと、実際に患者さんの体に日々深く接し、現場でしか得られない知見なども本書で紹介しています。
 循環器科を専門としつつも、10年以上前から皮膚科、美容内科、エイジングケアにも注力しています。病気を治すことはもちろん、病気が治ったあとの患者さんの人生の質の向上にも着目した診療を目指しています。

 この本では、そんな私たちが、第1 章「仕事のずるずる」、第2 章「生活のだらだら」、第3章「体のずるずる」、第4章「心のだらだら」という4つのシチュエーションにわけてセルフコントロール法を紹介していきます。

 繰り返しますが、人間は「体が先、脳が後」です。
 セルフコントロールをより上手にできるようになろうと、何かしらのアクションを起こすことが重要です!

 その意味では、セルフコントロールに興味を持ち、この序文を読んでいる時点で、すでにあなたの自己管理力は高まっている可能性すらあります。
 ぜひ、最後までお付き合いください。

堀田秀吾・木島豪

目次

 本書のもくじは、あなたの「ずるずる& だらだら」度合いを診断するためのチェックシートでもあります。
 自分に当てはまる項目にチェックをつけてみてください。チェックしたところを優先的にセルフコントロールしていくと、毎日をポジティブにすごせるはずです。

1章 仕事のずるずる
①仕事をしなきゃいけないのに、なかなか机に向かえない
②仕事中なのに10分おきにネットサーフィン
③企画書が埋まらない!
④新しいことに挑戦できない!
⑤始業開始時刻になってもやる気が起こらない
⑥仕事をこなすスピードが落ちてきたように感じる
⑦仕事のモチベーションを維持できない
⑧WEB会議が苦手で無言の緊張感がつらい
⑨5分休憩のつもりが、30分休憩になってしまった
⑩休憩を入れるタイミングがわからない
⑪オンオフの切り替えが苦手
⑫自分でも嫌になるほどうっかりミスが多い
⑬何をしようとしていたのか忘れてしまう
⑭昼食後の仕事はなかなかやる気がでない

2章 生活のだらだら
⑮休日はSNSばかりチェックしてしまう
⑯だらだらとテレビや動画を見てしまう
⑰料理する気持ちになれない
⑱コミュニケーションが減ったままで寂しい
⑲ウォーキングに行こうと決めたのに今日も行けなかった
⑳お風呂に入る気力が湧かない
㉑約束の時間を守れない
㉒気づいたら1日中座りっぱなしだった
㉓部屋が散らかったまま
㉔なかなか覚えられなくて、何度も同じところを勉強している
㉕やけ酒や深酒がやめられない
㉖ゲームがやめられない

3 章 体のずるずる
㉗ 運動量が減っているのに、食べる量が変わらない!
㉘ ジャンクフードがやめられない
㉙ 夜、なかなか寝つけない
㉚ 朝、なかなか起きられない
㉛あと1個だけお菓子が食べたい
㉜お肌のお手入れをサボってしまう
㉝アンチエイジングケアが続かない
㉞ついつい猫背になってしまう
㉟加齢臭が気になる
㊱外食が続いて太りがち

4章 心のだらだら
㊲ 無意識に悪いほうへ考えるクセがついた
㊳ いつも自分のことを責めてしまう
㊴ 「楽しい」や「悲しい」などの感情の起伏がなくなってきた
㊵ イライラして周りに当たってしまう
㊶優柔不断で決断できない
㊷人をねたむことをやめられない
㊸見たくないと思っているのに暗いニュースばかり気になる
㊹行きたくない誘いを断れない
㊺何をやるのも面倒くさい

著者について

堀田秀吾(ほった しゅうご)
1968年熊本県生まれ。明治大学教授。言語学博士。シカゴ大学博士課程修了。ヨーク大学オズグッドホール・ロースクール修士課程修了・博士課程単位取得退学。
専門は司法におけるコミュニケーション分析で、言語学、法学、社会心理学、脳科学などのさまざまな分野を融合した研究を展開。コメンテーターとしてメディア出演も多く、活動は多岐にわたる。著書に『科学的に元気になる方法集めました』(文響社)、『最先端研究で導きだされた「考えすぎない」人の考え方』(サンクチュアリ出版)、『図解ストレス解消大全 科学的に不安・イライラを消すテクニック100個集めました』(SBクリエイティブ)など。

木島豪(きじま ごう)
東京医科大学卒業後、東京医科大学病院循環器内科へ入局。循環器専門医と内科認定医を取得後、平成 20 年に医療法人社団EPIC DAY東京メディカルクリニック平和台駅前病院の院長に就任。老化防止と体質改善を行う治療法に着目し、内科、皮膚科などの一般診療を主に行いつつ、予防医療を目的としたアンチエイジング内科を併設。

紹介されている対処法自体も、もちろん役に立つものばかりですが、対処法の根拠として紹介されている実験が、ちょっとユニークで面白いです!
(営業部・Y)

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