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報酬とは何か?『図解 人材マネジメント入門』【無料公開#12】

電子版5月28日、書籍版6月26日発売の『図解 人材マネジメント入門』では、人材マネジメントの理解と実践に役立つ100のツボが紹介されています。その中でマネジメントする側・される側双方に役立つ30のツボを、毎日1つずつご紹介していきます。

Q:報酬とは何か?

A:報酬とは働くことによって得られるものすべて


報酬とは、働くことによって得られるものすべて

報酬とは何でしょうか? 
多くの人が「賃金」のことだと思っているかもしれません。
しかし報酬とは、働くことによって「得られるものすべて」のことです。
例えば田坂広志は「仕事の報酬とは、能力、仕事、成長」だと言っています(『仕事の報酬とは何か』)。

報酬とは賃金だけではない

報酬とは、賃金だけではない。
そう捉えると企業の人材マネジメントにおける「報酬」の設計とは、働く人が「仕事によって何を得られるのか」、個人と組織の接点(タッチポイント)において「どんな嬉しいもの」があると組織パフォーマンスが最大になるのか、という設計に他なりません。
例えば「納得感ある評価」によって賃金を「公平に分配」することだけではなく、組織内に「魅力的な仕事」を生み出し「適切に異動配置・アサイン」することも重要な報酬になります。

内的報酬と外的報酬

報酬は大きく2つに分けられます。「内的報酬」と「外的報酬」です。

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内的報酬とは、仕事そのものから生まれる報酬のことです。
仕事にやりがいがあること、キャリア開発の喜びを感じること、職場の仲間や仕事で知り合った人たちとの人間関係から得られた社会的満足、などです。
あると満足につながります。
研究者ハーズバーグはこれらが「動機づけ(モチベーション)」の要因だと言っています。
外的報酬は、外から与えられる報酬です。
給与や昇進、社会的な地位があがる、大きい椅子に座れる、秘書がつく、などです。
ハーズバーグはこれらが足りないと不満につながる「衛生(予防)」の要因だと言っています。

次回は内的報酬と外的報酬のバランスについて考えます。

<著者プロフィール>

坪谷邦生(つぼたに・くにお)

株式会社壺中天 代表取締役、株式会社アカツキ 人材マネジメントパートナー、株式会社ウィル・シード 人事顧問、中小企業診断士、Certified ScrumMaster認定スクラムマスター。 1999年、立命館大学理工学部を卒業後、エンジニアとしてIT企業(SIer)に就職。2001年、疲弊した現場をどうにかするため人事部門へ異動、人事担当者、人事マネジャーを経験する。2008年、リクルート社で人事コンサルタントとなり50社以上の人事制度を構築、組織開発を支援する。2016年、急成長中のアカツキ社で人事企画室を立ち上げる。2020年、「人事の意志を形にする」ことを目的として壺中天を設立。 20年間、人事領域を専門分野としてきた実践経験を活かし、人事制度設計、組織開発支援、人事顧問、人材マネジメント講座などによって、企業の人材マネジメントを支援している。 主な著作『人材マネジメントの壺 ARCHITECTURE』(2018)、『人材マネジメントの壺DEVELOPMENT』(2018)など。

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