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日本において仕事のやりがいはなぜ低いのか?『図解 人材マネジメント入門』【無料公開#17】

電子版5月28日、書籍版6月26日発売の『図解 人材マネジメント入門』では、人材マネジメントの理解と実践に役立つ100のツボが紹介されています。その中でマネジメントする側・される側双方に役立つ30のツボを、毎日1つずつご紹介していきます。

Q:日本において仕事のやりがいはなぜ低いのか?

A:わかりやすい目標の喪失、会社への信頼の喪失、非正規社員の増加、求めるものの多様化


日本の「仕事のやりがい」は世界で最も低く、かつ年々下がり続けています(図表036)。

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これはなぜでしょうか? 
古野庸一・小野泉『「いい会社」とは何か』では、その理由を5つ推測しています。

1 . わかりやすい目標・希望の喪失

「良い大学に入って、良い会社に入れば、毎年給与は上がり、仕事の幅も広がり、成長し、昇進していく」というわかりやすい成功の方程式が、社会全体として通じなくなってきました。

2 . 会社への信頼の喪失

日本企業の経営層への信頼感は下がり続けています。信頼していない人に従うという行為は、自尊心を傷つけ、不安やストレスを増幅させます。

3 . 非正規社員の増加

1984年に15%だった非正規社員は増加を続け2016年には37%となりました。一般的に非正規社員は仕事でやりがいを感じ難いと言われています。

4 . 仕事が生活に占める割合の低下

1980年代~2000年代にかけて生活全体の満足度は、あまり変化していません。生活において、仕事ではないところに満足を求める層が増えているようです。

5 . 人の欲求水準・願望水準の高まり

欲求水準・願望水準が高まったことで、仕事においても金銭より、承認、帰属意識、自己効力感、成長感といった情緒的なものを求めるようになりました。その多様さに企業が対応できていないのかも知れません。

次回はやりがいのある仕事を作るために必要なことを考えます。

<著者プロフィール>

坪谷邦生(つぼたに・くにお)

株式会社壺中天 代表取締役、株式会社アカツキ 人材マネジメントパートナー、株式会社ウィル・シード 人事顧問、中小企業診断士、Certified ScrumMaster認定スクラムマスター。 1999年、立命館大学理工学部を卒業後、エンジニアとしてIT企業(SIer)に就職。2001年、疲弊した現場をどうにかするため人事部門へ異動、人事担当者、人事マネジャーを経験する。2008年、リクルート社で人事コンサルタントとなり50社以上の人事制度を構築、組織開発を支援する。2016年、急成長中のアカツキ社で人事企画室を立ち上げる。2020年、「人事の意志を形にする」ことを目的として壺中天を設立。 20年間、人事領域を専門分野としてきた実践経験を活かし、人事制度設計、組織開発支援、人事顧問、人材マネジメント講座などによって、企業の人材マネジメントを支援している。 主な著作『人材マネジメントの壺 ARCHITECTURE』(2018)、『人材マネジメントの壺DEVELOPMENT』(2018)など。

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