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働きがいと業績は本当に関係があるのか?『図解 人材マネジメント入門』【無料公開#15】

電子版5月28日、書籍版6月26日発売の『図解 人材マネジメント入門』では、人材マネジメントの理解と実践に役立つ100のツボが紹介されています。その中でマネジメントする側・される側双方に役立つ30のツボを、毎日1つずつご紹介していきます。

Q:働きがいと業績は本当に関係があるのか?

A:働きがいのある会社は、株式のリターンが大きく売上の伸び率も高い


働きがいのある会社は株式のリターンが大きい

働きがいと会社の業績はどのような関係にあるのでしょうか?
株価の変動においては次のことがわかっています。
GPTW社はフォーチュン誌と共同でアメリカの「働きがいのある会社」ランキングを発表していますが、その上位100社は株式への投資累積リターンが市場平均の約3倍でした(図表034)。

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また日本においても同様の調査結果が出ています。
日本2010年版「働きがいのある会社」にランキングされた会社のうち上場10社に等金額を株式投資したところ、7年後の2017年3月末時点でリターンは172.6%となりました(同時期の日経平均は70.5%、TOPIXは54.5%)。

働きがいのある会社は売上の伸び率が高い

直接的な業績である売上においても、働きがいのある会社は良い結果を出しています。
日本2018年版「働きがいのある会社」に参加した会社のうち、ランキングに入った会社(92社)と、ランキングに入らなかった会社(106社)において「売上の対前年伸び率(2016年度から2017年度)」を比較したところ、前者は33.9%、後者は12.0%と20%以上の差が見られました。

業績と働きがいとどちらが先なのか?卵が先か鶏が先か

これらの結果は何を示しているのでしょうか? 
働きがいがあるから業績が上がったのか、業績が上がっている状況だから働きがいがあるのか。果たして卵が先なのでしょうか、それとも鶏が先なのでしょうか。
その因果関係までは調査結果からは判断できません。
しかしひとつ言えることがあります。業績も働きがいも(卵も鶏も)どちらも大切にしていかなければ、それらが生まれ続ける連鎖は途切れてしまうだろう、ということです。

次回は世界で一番仕事のやりがいのある国と、ない国を紹介します。

<著者プロフィール>

坪谷邦生(つぼたに・くにお)

株式会社壺中天 代表取締役、株式会社アカツキ 人材マネジメントパートナー、株式会社ウィル・シード 人事顧問、中小企業診断士、Certified ScrumMaster認定スクラムマスター。 1999年、立命館大学理工学部を卒業後、エンジニアとしてIT企業(SIer)に就職。2001年、疲弊した現場をどうにかするため人事部門へ異動、人事担当者、人事マネジャーを経験する。2008年、リクルート社で人事コンサルタントとなり50社以上の人事制度を構築、組織開発を支援する。2016年、急成長中のアカツキ社で人事企画室を立ち上げる。2020年、「人事の意志を形にする」ことを目的として壺中天を設立。 20年間、人事領域を専門分野としてきた実践経験を活かし、人事制度設計、組織開発支援、人事顧問、人材マネジメント講座などによって、企業の人材マネジメントを支援している。 主な著作『人材マネジメントの壺 ARCHITECTURE』(2018)、『人材マネジメントの壺DEVELOPMENT』(2018)など。

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