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牛山素行 災害関係のいろいろなトピックス

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災害、防災関係で書いたことで、災害事例や特定の話題にかかわらず横断的な内容の記事をまとめました。
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記事一覧

「防災気象情報に関する検討会」の最終とりまとめに思うこと

 2024年6月18日、気象庁が開催してきた「防災気象情報に関する検討会」の最終報告がまとまり…

牛山素行
3か月前
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特別警報運用開始10年 具体的な危険性 例示を

(2023年9月5日付静岡新聞「時評」欄への寄稿記事)  気象庁が発表する防災気象情報の一つに「…

牛山素行
1年前
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防災の数値情報の捉え方 細かく読まず大まかに

(2024年4月18日付静岡新聞「時評」欄への寄稿記事)  数値で表されるさまざまな情報は、それ…

牛山素行
3か月前
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大井川鐵道被災区間見学ツアーに参加して

大井川鐵道被災区間見学ツアー 大井川鐵道大井川本線は、2022年9月の静岡県付近で発生した豪…

牛山素行
4か月前
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誤解多い『内水氾濫』 既知の現象 冷静に議論

(2023年10月31日付静岡新聞「時評」欄への寄稿記事)  大雨に伴う現象の一つに「内水氾濫」が…

牛山素行
8か月前
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能登半島地震 死者・行方不明者の氏名公表について考える

 能登半島地震により亡くなられた方は、1月4日朝時点では73人と報じられています。すでに2016…

牛山素行
9か月前
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住家がないところは土砂災害警戒区域にはならない

 能登半島地震では、地震に伴うがけ崩れなどによる土砂災害が各地で発生し、人的被害にもつながっていることが伝えられています。1月10日時点で比較的多くの報道が見られる土砂災害被災現場としては、穴水町由比ヶ丘付近(死者14人程度)と、珠洲市仁江町(死者9人)の2箇所があります。 珠洲市仁江町の土砂災害  珠洲市仁江町では斜面崩壊で家屋が被災し、ここにお住まいだった方と、正月で帰省していた家族11人が巻き込まれ、うち9人が亡くなったと報じられています。   下図は地理院地図

石川県による能登半島地震で亡くなられた方の氏名等公表に思うこと

能登半島地震で亡くなられた方の氏名が公表へ  1月15日、石川県は「令和6年能登半島地震で…

牛山素行
8か月前
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2023年8月静岡市葵区諸子沢の地すべりについて

諸子沢の地すべりの概要  2023年8月21日頃、静岡市葵区諸子沢で比較的大規模な地すべりが発…

牛山素行
1年前
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色別標高図をハザードマップ代わりに使ってはダメです

 上記記事中で、秋田市楢山大元町の豪雨災害現地踏査で地理院地図の「自分で作る色別標高図」…

牛山素行
1年前
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「避難情報の遅れ批判」に対して思うこと

 7月15日の秋田での大雨に関して、「避難情報が出るのが遅かった」といった趣旨の批判が散見…

牛山素行
1年前
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災害情報の要約 『分かりやすく』の難しさ

(2023年1月25日付静岡新聞「時評」欄への寄稿記事) ※画像は気象庁ホームページより 2022年9…

牛山素行
1年前
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「共助死」 風水害時の共助的行動に伴う人的被害について

7月7日のNHKニュースでの報道 「共助死」  7月7日のNHKニュースで、「災害「共助」活動での…

牛山素行
1年前
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ハザードマップを厳格に読み込まない 「地質」ではなく「地形」を読む

「想定外」の場所で土砂災害なんだろうか  久留米市田主丸町竹野地区での土砂災害において、想定外の場所が土砂災害に見舞われた、といった声があります。  たしかに同地区を襲った土石流の一部が、土砂災害警戒区域の範囲外に流下し、家屋に被害を与えた場所があることは事実です。ただ、現地調査の記事でも触れたように、家屋が倒壊・流失するといった激しい被害が生じたのはほとんどが土砂災害警戒区域内で生じていました。そもそも上記記事で土石流が流下したと色づけされているところは、実際の土石流