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『物語の欠片』のカケラの裏話①

先日もお知らせしましたが、橘鶫さんの大長編連載『物語の欠片』のキャラクターの絵をご依頼いただき、先週から最新篇『朱鷺色の黎明篇』に挿絵として私の絵が登場しはじめました!

これから鶫さんのお話に私の絵が登場したら、2枚ずつくらいのペースで作品の制作裏話のような記事を書いていこうかと思います。
物語の中に出てくる固有名詞連発になると思うので、物語を読んでいない方には何のことやら「?」満載の記事になると思いますが…。鶫さんの物語の読者で私の絵にも興味を持ってくださった方はもちろんのこと、物語を追っていない方にも何か残るものがある記事になればいいなあと思っています。

絵のほうもあえて私のほうではお披露目せず、鶫さんの物語のリンクを載せますので、そちらでご覧ください(お話の終わりに全体像を載せてくださっています。)


スグリ

まずはスグリ。新篇の第一話に登場します。

「物語から推しキャラを一人選んで」と言われたら選ぶであろう登場人物。
物語の中の重要脇役であるマカニ族戦士のリーダー、シヴァの「影」であると自称するこのスグリ。
このいかにも一筋縄では行かない雰囲気のキャラ設定、態度に言葉遣い、私が好きになるフィクションの人物の要素をすべて備えています(実在したら…怖くて近づかないかもしれませんが…)

彼がキャラ立ちしはじめたのは物語の第四篇『紅の蜥蜴篇』。
このとき火山の鎮火の話だったからか、紅い蠍に刺されたからか、私の中のスグリのイメージはとても赤い(ただし情熱的な赤ではありません。スグリの実の色の影響もあるかもしれませんが。)

今回描かせていただいて、その赤が彼の深緑色の翼をぐっと引き立て映えさせることに気が付きました。

実は今回の一連の絵で最初に取り組んだキャラクターで何度か失敗し、「やっぱり美味しいところから始めなきゃダメなのよ」とその失敗続きのキャラ(そのキャラについては物語に登場したら改めて書きます)を一旦やめて、最初に仕上げたのがスグリ。

スグリは失敗なしで描き上げ、鶫さんからも一発合格をいただいた作品です。

今回の絵の中のスグリは今の物語の中よりも若い感じで(主人公カリンが九歳だった『物語の欠片』が始まったころかもしれません)、父親の渾身の作である深緑色の翼で自慢げに飛んでいる、そんなイメージです。


ネリネ

次に登場したのはネリネです。

ネリネを選んだ理由は単純で、今回キャラクターを描くにあたって、各種族から最低一人は描きたいと思い、今のところ物語の中でアヒ族からはネリネしか印象深い人物がいなかったから、です(族長の奥方、ツバキ様も捨てがたいですが、登場回数が少なく、イメージを膨らめきれませんでした。)

今回描いたキャラクターたちは「描きたいから描く」と「描ける(描きやすそうだ)から描きたい」に分けることができると思っているのですが、ネリネはどちらかというと後者。

私は基本的に動きのある絵を描くことが好きで、巫女として踊るネリネは私にとっては格好のモチーフ。

「描ける!」と思っていた割には、一度描き直しています。
一枚目は、何というか、鶫さんの想定したアヒ族の衣装とのズレがあったから(あえて「露出度が高すぎた」とは書きませんっ。笑)

一枚目も今回挿絵に使っていただいた二枚目も同じ手順で描き進めています。
まずランダムに「火」の色を紙に粗く乗せ、その上からネリネを塗り重ねました。彼女は火の化身として初登場したので、火を描くことは(少なくとも私にとっては)欠かせない要素でした。
サバサバした頼れる姉御肌のネリネ、実在したらかわいがってもらいたい人物です(と書いたところで、年齢的には私のほうがお姉さんなのだわ、と気が付きました、えへへ…)


以上、スグリとネリネの制作裏話でした。


私もこれからどんな順番で私の絵が登場するのかお聞きしていないので、ワクワクしています。
裏話の続きも私の挿絵付きで鶫さんがお話を公開されたら、二人ずつくらいで随時投稿します。

今日の一枚。
この鳥のコスプレは自然の小動物とコンタクトを取るときに使うアイテムとして考案したのですが、『物語の欠片』を読むときも、なぜか着たくなってしまいます(笑)


制作までの流れや使った画材のお話はこちらからどうぞ↓



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