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ストレスフルだけどエクサイティングな海外での仕事

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海外の異文化、習慣、食、など、22年の海外生活で体験したことなどを綴っています。
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ジャケットに丸首シャツな人々に期待する

ジャケットに丸首シャツな人々に期待する

近年、起業する若者が増えている印象だ。
TVでも、IT技術を活用した新しいモノやサービスを提供するスタートアップが紹介される機会が増えている。
「寄らば大樹の陰」からの脱却。若者の活力を感じる。

そんな若手のアントレプレナーたちによくみられるいで立ちが、丸首やVネックのシャツにジャケットという組み合わせだ。

そして、この流れはIT系を中心に若者から上の年代へと広がりを見せている。
楽天の三木谷

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=第2の人生を考える= 定年退職した後の仕事選びについて、いまさらながらわかってきたこと

=第2の人生を考える= 定年退職した後の仕事選びについて、いまさらながらわかってきたこと

唐突ですが、あなたは何歳まで生きると(生きられると)思っていますか?
そして、何歳まで働く(働ける)つもりですか?

日本人の平均寿命は女性が87歳、男性が81歳を上回るまで延びてきました。現代人の健康志向を考えるとこれから先、まだまだ寿命は延びていくでしょう。
国の財政も考えると年金受給開始年齢もドンドン先延ばしになっていくでしょう。

わたしは、働いていた会社からの勤務継続のオファーを断り、2

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イタリアで習得した「1日で高速道路1,000kmを楽に走る」コツ

イタリアで習得した「1日で高速道路1,000kmを楽に走る」コツ

世の中、コロナ禍で人との接触を減らす取り組みが求められていて、やむなく出張や帰省される方は、クルマでの移動を選択される方が多いのではないでしょうか。

いまから20年以上も前の話ですが、30代のときに、会社からの転勤命令により、5年間イタリアで生活しておりました。

仕事の都合上、イタリア国内をクルマで移動することがとても多かったです。

電車ではムダな待ち時間が多かったことと、イタリアでは高速道

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「途上国への転勤」という会社の命令を受けたときに考えてほしいこと

「途上国への転勤」という会社の命令を受けたときに考えてほしいこと

日系企業が海外に現地法人を設立すると、たいていは日本から何人か駐在員が派遣されることになります。
派遣された駐在員は、現地のその会社の所在地近くの都市に住まいを構えて数年間を過ごします。
その住まいを構えた都市が、ロス・アンジェルス、ニューヨーク、ロンドン、パリなど、
大都市で、
安全で、
現地の食事が日本人にマッチして、
気候が良くて、
日本の食材が何でも手に入って、
日本人学校が近くにあって、

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「アントレプレナー」という言葉を思い起こさせる企業人

「アントレプレナー」という言葉を思い起こさせる企業人

(前号につづく)

大手の自動車会社に就職した私。
この自動車会社は、海外展開が他社よりも先んじていて、私は海外でバリバリと活躍する自分の姿を夢見てこの会社を選んだ。

入社後、本社財務部に配属になり、ルーティン業務に縛り付けられ続け、希望していた海外駐在の命が下りるまでにはなんと10年もの時を要した。

気がつくと、というか当然ではあるが私は32歳になっていた。
駐在先はイタリア。

当社は4輪

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「おい、オレの命令が聞けないのか!」と現地法人の社長に怒鳴られた・・・・けど

「おい、オレの命令が聞けないのか!」と現地法人の社長に怒鳴られた・・・・けど

(前号からつづく)

日本を代表するエクセレントカンパニーであり、日本の産業をけん引する大手自動車メーカーで働いていた私は、入社10年目にしてずっと希望していた海外駐在のチャンスを得た。1992年1月だった。
ただし、駐在先はイタリアのド田舎の二輪車製造販売会社。ローマから東へ250km走り、途中3000m級の山脈を越えた先のイタリアの僻地だった。もっと言うと、東京青山の本社高層ビルで10年を過ご

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Job Rotation て、個人にとっても会社にとっても大事なこと、だと思ってた

Job Rotation て、個人にとっても会社にとっても大事なこと、だと思ってた

(前号からつづく)

東京・青山に16階建て白亜の高層ビルを構えている大手企業に勤務していた若者が、初めての転勤でイタリアのド田舎の町へ。
二輪車を生産している小さな生産拠点で、規模はせいぜい年間2万台。ということはざっくりいうと、1日に10台程度。

まるで地球の果てへ左遷されたような気持で打ちひしがれた私。
32歳の私は、10年間青山本社勤めをしてそれなりに経験を積んだとはいえ、まだまだ会社の

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南イタリアの片田舎の小学校は、オドロクほど「無いないづくし」!

南イタリアの片田舎の小学校は、オドロクほど「無いないづくし」!

(前号からつづく)

20数年前、南イタリアの、それもアドリア海に面した東海岸沿いにある小さな田舎町に住むことになった。まさか日本を代表するエクセレントカンパニーに就職したのに、こんなところに転勤することになろうとは、まったくの想定外だった。

なにしろ、町で出会うのはイタリア人オンリー。世界のどこへでも出かけて行って住みついてしまう中国人すら見かけない純粋イタリア田舎町だ。

そんな田舎町に、日

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南イタリアのド田舎へ転勤 社食の Spaghetti al Pomodoro が・・・

南イタリアのド田舎へ転勤 社食の Spaghetti al Pomodoro が・・・

(前号からの続き)

1992年1月のこと。海外出張の経験もないマルドメ(まるでドメスティック)な私が、32歳で東京青山の本社からイタリアのド田舎へ転勤。初めての海外駐在。

ランチャーノという人口3万5千人の田舎町に、ホテルはひとつだけ。選択の余地なくチェックイン。

10階建てのビルの外観はホテルには見えず、長年外壁補修もしていない古ぼけたアパートのよう。
たしかに見かけ通りで、6階まではアパ

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赴任先のオフィスは、ローマから250キロ、雪をかぶった険しい山を越えた先のド田舎にあった

赴任先のオフィスは、ローマから250キロ、雪をかぶった険しい山を越えた先のド田舎にあった

1992年1月。
モスクワ経由ローマ行き、JALのB747ジャンボジェット機。
ソ連(まだロシアではない)が定めたルールにより、シベリア上空を通るフライトはモスクワ空港でのワンストップを強制されていた。
乗客はモスクワ空港でいったん機外へ降ろされ、薄暗いターミナルのなかの売店が並ぶ狭く短い通路を行きつ戻りつするしか時間のつぶしようがなかった。

海外出張の経験すら一度もない、そして「マルドメ(まる

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エクスキューズミー、私もその席にiPadを置きたいのですが・・・

エクスキューズミー、私もその席にiPadを置きたいのですが・・・

朝6時前の真冬のフランクフルト。
まだ夜が明けておらず、外は暗くて凍える寒さ。
眠気から覚めやらないなか、身支度をして自宅を出て、空港へ向かう。
日本ではノータイの習慣が広がってきたが、欧州ではあいかわらず、濃紺のスーツにネクタイを締めるのがビジネスのマナー。

搭乗するフライトはフランクフルト→ヒースロー、8:00発のルフトハンザLH900 便。

欧州の大半の国々ではフリーパスで国境を越えるこ

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ドイツで経験した人事考課の大失敗

ドイツで経験した人事考課の大失敗

サラリーマンのみなさん、毎年のことですが、人事考課の時期になると、気が重たくなるのではないでしょうか。

中学生や高校生のときと同じように、働き始めてからも一年間の自分の成績表が会社によって作成され、それを受け取らなければならないのですから。

その成績表の結果次第で、来年の給料やボーナスがほぼ決まってしまう上、昇格などにも影響するわけですからね。

みなさんの会社ではどのような観点で人事考課が行

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=GRIT=  実は、「根性論」は欧米人にも通用するのです

=GRIT=  実は、「根性論」は欧米人にも通用するのです

「オラ~、何やってんだ~!根性が足りないんだ~!」
「もっと、気合をいれろ~」

ひと昔前の高校野球でもあるまいし、いまどき社内でこんな罵声を浴びることなど無いと信じたいです。

とはいえ、日本ではこれに近い「根性論」が世間に根強く残っているのではないでしょうか。

そしてこの「根性論」は、日本独特の精神論であって、海外では通用しないと思っていませんか?

そうでもないのですよ。

実は海外でも成

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中国人にとっての「面子」とは、「チカラの強さ」そのものを表す概念

中国人にとっての「面子」とは、「チカラの強さ」そのものを表す概念

日本語にも「面子(メンツ)」という言葉ありますね。

「アイツ、面子にこだわりすぎなんだよ」とか、「先輩の面子をたてなきゃなー」とか、使いますよね。

意味合いとしては、「世間に対する体裁や面目」のような感覚でしょう。

中国にも「面子(mianzi:”ミェンツ”に近い発音)」という言葉があり、日本のそれとはかなり重みが違います。

これから中国に赴任して中国人たちと一緒に仕事をされる日本人の方た

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