日本維新の会 日本大改革プランについて

先日、日本維新の会が発表しました『日本大改革プラン』について、意見をまとめたいと思います。参照元はこちら↓

要点を簡単にまとめます。

①フロー減税とストック増税

②基礎年金、生活保護、児童手当その他社会保障のベーシックインカムへの統合

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③地方分権、規制緩和、デジタル改革

率直な感想から行きます。論点多すぎ。

政党内のディスカッションの月替わりのテーマかよ!ぐらい多いです。これを一つのプランとして出すのはかなり無理があります。

最大の理由は全面賛成してもらえないから。

①に関して

トータルで増税になるのは資産家ですから、資産飛ばし、節税対策をどうするのか?など課題が多い、その課題が多いものを財源にフロー減税をするとなると、節税、脱税された時に赤字国債で補填するという話にどうしてもなってしまいます。それでは、財政規律をある程度重視し、身を切る改革、歳出削減をやってきた維新の支持層としては受け入れ難いもの。

また、維新支持層以外にも厳しいものがあります。

一つは減税派。彼らはワタセユウヤ氏を中心とした減税原理主義を抱えており、彼らはあらゆる増税を許容しません。ストック課税は二重課税の課題もある非常に地雷要素の高い税金。結局固定資産増税で取れなかったら、フロー減税がなくなり、増税だけ残るだろ!と言われて維新は約束できるのでしょうか?

もう一つは財政規律重視派です。PB黒字化を早期に実現し、政府債務を縮小していかなければいけないと考えている人たちはフロー課税の大減税はよしとしないでしょ。この派閥はまずはPB黒字化、そして、更に歳出削減を推し進め余ったら減税という順番でしょう。

最後はそもそも論外の派閥ですが、反緊縮ですね。フロー減税は大賛成だが、彼らにとって税は財源ではないので固定資産税増税は反対でしょう。

②に関して

ベーシックインカムの標準的な考え方として複雑な社会保障制度を統合し、シンプルに全体をカバーするというものがありますから、これはベーシックインカム推進派としてはあまり反対が出ない部分。

ただ、前述で出てきた反緊縮というトンデモ達には反対されるでしょうね。

③に関して

唯一維新らしい部分と言えるかと思います。

が、残念ながら、ベーシックインカムの印象が強すぎる、かつ、資料上、ベーシックインカムの財源になっていないのです。

例えば徴税効率を上げて、脱税を減らせば、税率一切変えずに※※兆円出てくるなど、行革の効果が数字で出ていないのでオマケ的に付けた印象が拭えない。

そして、維新支持者の中では支持する理由の一つとなっている行革も公務員叩きとして、アンチ維新が擦り切れるほどやっている批判ポイントとしているところ。

なぜ、このコロナ禍で敢えて行革を入れているのか?アンチに燃えて欲しい?足立康史スタイルでしょうか?

<維新は何を打ち出すべきか?>

日本維新の会の支持率は数%台です。ボリュームを取りに行かねばなりません。党の主張に照らすと現実的なのは全体の3割を超える自民党支持層の内、消極的支持層(割合は不明)、そして、毎回選挙に足を運ばない4~5割の有権者層です。

打ち出す政策は停滞する日本にとって有効であることは勿論ですが、シンプルさ、敵の少なさも大事です。

維新は不祥事が多くて好かないが、※※の改革については反対する理由がないと言う消極的支持は選挙で必ず大きな得票につながります。

私が考えるシンプルな改革はズバリ年金改革です。

現状の年金改革については以下を参照ください。

この制度による少子高齢化に対する脆弱性、これまでの小手先改革による、年金制度の負担増、給付減の経緯説明を枕に改革を訴えると言う形が1番やってほしいところです。

改革案は以前連ツイしたので、以下参照。

現在は約倍(18.3%)の負担を労使折半ですから、お互いに負担率を半分ほどにできます。これなら、雇用者、被雇用者どちらの目線からも負担減、リターン増で反対する理由なし。

過渡期の方法をしっかり整えられれば、概念として反対派は基本的に存在しないでしょう。

(維新アレルギーの方はどうしようもありませんが、それは最初から無理)

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