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【肉食動物の栄養事情】肉ばっかり食べてて栄養偏らないの??

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今回は「肉食動物って肉ばっかり食べてるけど、栄養分偏ってない?」という疑問に答えます。


と、その前に、それを言っちゃ「草食動物も草ばっか食べてるじゃん」ということで、まずは草食動物について見てみましょう。


過去記事でウシについて取り上げた際にも触れましたが、草食動物は胃の中に色々な微生物を住まわせています。つまり、微生物との共生です。


いきものにとって最重要の生存戦略は


食料をいかに確保するか


です。そのためには「戦う」か「食べ分けるか」となります。これは同種間でも同様です。


しかし、「戦う」のはリスクが大きすぎます。なぜなら、たとえ戦いに勝ったとしても、そこは弱肉強食の自然界。ケガなんかしようものなら今度は狙われてしまいます。


ましてや、自然界には病院はありません。よってケガは致命的です。そのため、自然界のいきものは「戦わずして勝負を決める」ことをしてきました。


◎肉食動物の場合

肉食動物である以上、狩りをしなければなりません。しかし、狩りとはお互いに生死をかけた戦いです。


百獣の王ライオンでさえ、狩りの成功率は20%もないと言われています。


また、シマウマやガゼルなんかは「狩られる側」というイメージがありますが、脚力を活かした後脚のキックは物凄い威力です。ゾウやキリンもたまにライオンなどに狙われますが、一対一ならライオンより強いとかもしれません。


ということもあり、狩りの成功率やケガのリスクを回避する戦略として、スカルベンジャーと呼ばれるような、いわゆる死肉を食べる戦略をとる動物がいます。大抵の動物は基本的に死肉は避けます。病気のリスクがあるためです。「死んだフリ」をする動物がいますが、このためです。


また、スカルベンジャーは他の肉食動物の食べ残しも食べます。食べ残しのため、骨の部分などが多くなります。


代表的なスカルベンジャーはハイエナやタスマニアデビルです。さらに太古の昔、肉食恐竜の王様ティラノサウルスもスカルベンジャーだったとする説もあります。


これらの動物に共通するのは、骨も砕ける強いアゴをもっていること、内臓が強いということです。ハイエナとタスマニアデビルの噛む力は生物界トップレベルです。当然、ティラノサウルスも。


これはスカルベンジャーだから噛む力が強くなったのか?噛む力が強いからスカルベンジャーになったのか、はわかりませんが、いずれにせよ生きるための進化と言えます。


◎草食動物の場合

草食動物も戦うことがあります。肉食動物に狙われたときは当然ですが、特に同族間で争うこともしばしばです。そんなときに戦わずとも勝負を決する方法があります。


その一例が、立派なツノやキバ、派手な見た目、そして声の大きさなどです。


これまた太古の昔、恐竜時代。中型の肉食恐竜ユーストレプトスポンディルスなどは、声の大きさで勝負を決めていたそうです。


◎食べ分ける

コアラはユーカリの葉を食べますが、ユーカリの葉は毒があるため他の動物は食べませんので独占できます


キリンは背の高い黄の葉を食べます。他の動物には届かないので独占できます。


などなど、自分だけが食べれる食料を選ぶことで他の草食動物と食料が被らないようにしています。


これも、コアラがユーカリを食べるためにユーカリの毒素を分解する微生物を胃の中に住まわせたのか、胃の中にたまたまいたのか。キリンの首は背の高い木の葉を食べるために長いのか、長いから背の高い木の葉を食べるようになったのか、はわかりませんが、これも生きるための進化です。

●胃の中の微生物のおかげ

さて、話を戻します。例えばゴリラは草食動物なのに筋肉ムキムキです。これは植物をタンパク質などのもとになるアミノ酸に変える微生物のおかげです。


草食動物の多くは、胃の中に微生物を住まわせており、植物から色々な栄養素をつくってもらっています


●肉食動物はそれを食べる

やっと本題。肉食動物が狩りをするとき、仕留めるときは喉笛に噛みつきます。


では、食べるときはどこから食べるか??


答えは、内臓です。内臓から食べることが多いようです。そもそも草食動物は植物を食べるために、胃には植物があります。また、微生物のおかげで草食動物の内臓では常に色々な栄養素がつくられています。内臓は腐りやすい、というのもあるかもしれません。


そのように、肉食動物は草食動物の肉だけではなく、栄養素を摂り込むことで偏食にならないようにしているんです。


肉食動物みたいに強くなるためには肉ばかり食べれば良いんだ!というのは、実は間違いなのかもしれません。








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