コアラのうんち事情
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今回は「うんちにまつわるアレやコレや」シリーズです。みんな大好き、動物園の人気者コアラのうんち事情をご紹介します。
過去回は下記から見てみてください。
●ママからの贈り物
コアラ(特に赤ちゃん)には食糞という習性があります。つまり、うんちを食べます。コアラの食事はユーカリの葉とうんちです。
と言っても、ユーカリの葉は栄養がそこまでないので、うんちも植物的な風味が強いと思われます。
実際、ササをメイン食材にしているジャイアントパンダのうんちも、ほぼササ。だから、くさいという感じはそこまでしないそうです。
ということで、うんちの前に、うんちのもととなるユーカリについて見てみましょう。
◎毒を持つ植物
と、言われたらみなさん「ギョッ」とするかもしれませんが、植物界では毒はごくごく普通のことなんです。植物は動けない分、毒を使って外敵から身を守ることが多い。そのため、多くの植物には毒があります。
ただし、人間に影響を与える毒、ということになると限られるため、私たち人間には、多くの植物が毒を持っている、という認識はあまりありません。
また、植物の進化の歴史は、草食動物や虫、昆虫などとの倒し合いの歴史、これを「共進化」といいます、を繰り返しています。ただし、特に虫や昆虫はライフサイクルが早い、つまり、遺伝子の学習が早いため、植物の毒性にことごとく対応してしまいます。
ただし、それらの対応は複数の植物相手にはさすがに無理なので、大体植物のと虫や昆虫の共進化ペアは決まってきます。例えば、キャベツなどの毒性に対する抗体を持つのはモンシロチョウのアオムシ、的な感じです。他の虫や昆虫はキャベツの毒への耐性があまりないようです。
と、ついつい話が逸れてしまいました。この植物と虫、昆虫との共進化については、また別の機会に書きたいと思います。
さて、本題。ユーカリも毒がありますが、ユーカリの毒に耐性があるのが、コアラです。
コアラの身体能力はそこまで高くないので、生存戦略のなかで、他者が食べないエサを食べる、という戦略を採用することでエサを独占できました。つまり、ユーカリの毒に合わせてコアラも耐性をつける、という共進化のケースとなっています。
ちなみに、ユーカリの種類は多く、コアラも個体によってユーカリの好みがあるようです。
さらにちなみに、ユーカリはオセアニアにあるので輸入しなければならず、動物園の飼育費用としてコアラはトップレベルに高いようです。このあたりも、コアラの飼育数の少なさに影響していそうですね。
◎解毒の鍵は微生物(菌)
では、コアラがユーカリを食べれる理由は何でしょうか?
答えは、微生物(菌)です。コアラは体内にユーカリの毒を解毒してくれる微生物(菌)を飼っています(飼っているという表現が正しいかはわからないですが)。つまり、微生物(菌)との共生ですね。
ただし、産まれたばかりの赤ちゃんの体内には、まだそんなに微生物がいません。これではユーカリが食べられません。
そうなんです。そこでうんちの出番です。
◎ママからの贈り物
産まれて間もない赤ちゃんはママの袋に入りながら、ママのうんちを食べます。このとき、ママのうんちには、体内にいたユーカリを解毒してくれる微生物(菌)もしっかりとついています。
つまり、ママのうんちを食べることで、ママから微生物(菌)を分けてもらっているのです。こうして赤ちゃんコアラの体内にも充分な数の微生物(菌)が住むようになり、ユーカリを食べることができるようになります。
◎カンガルー抱っこは微生物(菌)のプレゼント
実は、私たち人間もいろんな種類の微生物(菌)と共生しています。
その一つに、皮膚常在菌というのがいるらしく、私たちの皮膚の上でしか生きられないが、皮膚を外敵から守ってくれています。
具体的には擦り傷などの際にできる、カサブタなど。皮膚常在菌の活動を促進させるのが、最近話題の湿潤治療などですね。このあたりは門外漢なので、興味がある人は調べてみてください。
カンガルー抱っことは、産まれたての赤ちゃんをママが寝た状態で抱っこするものですが、これも産まれたてでまだ皮膚に免疫が薄い赤ちゃんに、ママの皮膚常在菌を分け与える、という効果があるようです。
どうですか?うんちにまつわる、心温まるお話でした。
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