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“実験用の机ひとつ分“からのスタート。digzyme・WET環境の立ち上げ秘話を、立役者の根岸さんから。

「世界を変える酵素を、迎えにいこう。」
偶然を待つしかなかった酵素開発プロセスを変えた、digzyme独自のテクノロジー。
digzymeでは、様々なバックグラウンドを持った社員が、この独自のテクノロジーの根幹を支えるために働いています。

社員インタビューコンテンツ『digzyme Deep Dive』では、digzymeメンバー1人ひとりにスポットライトを当て、インタビュー形式でその想いを深掘りしていきます!

第1回目は、取締役CTOの中村 祐哉さん、第2回目はプリンシパルインベスティゲータの礒崎 達大さんに、第3回目、第4回目はインフォマティクススペシャリストの鈴木 彦有さん、田村康一さんにお話を伺いました。
第5回目となる今回は、シニアアソシエイトの根岸 孝至さんにインタビュー!
前中後編とございますので、ぜひ最後までご覧ください。
(※記事中の組織名・役職等はすべて取材時のものです。)

ーー根岸さん、よろしくお願いいたします。早速ですが、digzymeに入社した経緯を教えてください。

長年研究開発に携わってきていましたが、その機会がなくなり塾講師をしていた時期に、digzymeでのwet業務の立ち上げを視野に入れた研究開発テーマ立案、技術調査の業務委託の募集があり、それで採用していただきました。

ーー色々順番にお聞きしていきたい情報が沢山ですね。まず、digzymeでの募集は、WET実験を見込んでの技術調査のお仕事だったんですね。

はい。会社として、今後、実際にどういったところをターゲットにしていくのかという視点での研究開発テーマの技術調査、提案を行ったところがスタートでした。
この頃は業務委託として関わっていたのですが。
当初はDRYの要素をふんだんに活かし、酵素だけではなく
有用な化合物を作るという部分をターゲットにしていました。
DRYの彦有さんが合成経路の探索のツールを作ってくださっていたので、
それらツールを存分に活かせるような有用な化合物ってそもそもどういうものなのか?
というところから、WETでのスクリーニングをする時に、どういう方法が考えられるかなどを調査し、考えて、提案していましたね。
その後、正式に社員となる段階では、見込み通り実験環境の立ち上げとWETの業務を行うことになりました。

ーー教えていただいありがとうございます!WETの環境の立ち上げってどういう感じなんだろうと、とても気になるのでこちらも是非お話ししてください。

立ち上げ当初、実験用の机ひとつ分くらいと、かなりスペースが限られていました。
また、当時は遺伝子組み換えの実験はせず、無細胞のたんぱく発現系を使って実験を行うという縛りがあったので、その縛りの中で結果が出せるように、どういう機材が最低限必要かというところで選定を進めていきました。

ーー当初根岸さん1人で進められていたんですよね・・・なかなか大変そうです。ええと、気になるのが、なぜ『無細胞のたんぱく発現系を使って実験を行う』という縛りがあったのでしょうか?

結論から申し上げますと、時間短縮のためですね。
遺伝子組み換えして、遺伝子組み換えしたものから実際の酵素を作って、
その酵素を実際に解析をします・・・というところまで、約1ヶ月かかるんです。

ーーなるほど。それだとスタートラインに立つまでに時間がかかってしまいますね。

はい。対して、無細胞のたんぱく発現系ですと、たんぱくの元になる遺伝子の配列が手元にあればそれを合成すればいいので、1〜2日で実際の酵素解析に移行できます。
さらに、遺伝子組み換えを行う場合、様々な申請や処理が必要です。
無細胞で効率的にできるのであれば、まずは無細胞で、ということで進めておりました。

ーーdigzymeの、DRYがメインで、検証のWETはなるべく短い期間で効率よく、コストも抑えられるようにという視点にも合致していますね。でも今、遺伝子組み換えを行うようになっていますよね。その背景も知りたいです!

先ほど、無細胞で効率的にできるのであれば・・・と申しましたが、
「効率良く作る」ということには、量が確保できない、という問題がついて回るんです。
酵素としてうまく働いているか、評価するための実験にはやはり一定の量が必要なのですが、足りない。
タンパク量を多くして、反応をうまく見れるようにするために、もちろん試行錯誤はしたのですが。最終的に、コストはかかるものの、遺伝子組み換えを取り入れていこう、という流れになりました。

ーーなるほど。今の葛西ラボでは、遺伝子組み換えも積極的に行っておりますね。

そうですね。と同時に、できることも、規模も、だいぶ大きくなりました。
メンバーもかなり増えて、当初私1人だった頃と比較すると賑やかになりましたね。

※中編に続きます!


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