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ディグラム診断で人事を科学する③採用後の定期的な診断

シリーズの第三回目では、「採用後の定期的な診断」とその重要性について探求します。

人材を採用する際、ディグラム診断を活用してその人のサイコグラフィックデータを基に選考することは極めて有効ですが、そのプロセスは採用時点で終わるわけではありません。実際、社員が組織に加わった後も、定期的なディグラム診断を通じてその変化を捉え、適切なサポートを提供することが非常に重要です。

人の心理状態や性格は、時間と共に変化します。特に新しい職場環境においては、仕事の性質、チームメンバーとの関係、上下関係など様々な要因が、個人の心理状態に影響を及ぼします。このような変化は、表面的なコミュニケーションや日々の業務の中だけではなかなか捉えられません。しかし、定期的にディグラム診断を行うことで、これらの変化を定量的、かつ客観的に捉えることが可能となります。

採用後にディグラム診断を定期的に行う主な目的は、社員の現在の心理状態や職場での適応状況を理解し、必要なサポートを提供することです。たとえば、3ヶ月に1回の診断を実施することで、社員が組織内で直面している可能性のあるストレスや不満、挑戦などを早期に特定できます。また、その人の成長やポジティブな変化も捉えることができ、適切なフィードバックやキャリア開発の機会を提供するための貴重な情報源となります。

さらに、定期的なディグラム診断は、離職率の低下にも寄与します。職場の環境や人間関係に起因する問題を早期に発見し、対処することで、社員の不満が高まることを防ぎます。また、社員一人ひとりが自分の心理的な状態やニーズをより深く理解する機会を提供することで、自己成長への意欲を高め、職場への帰属意識を強化する効果も期待できます。

重要なのは、このような診断を単なる評価ツールとしてではなく、社員と組織がお互いに成長し、より良い関係を築くためのサポートシステムとして位置付けることです。ディグラム診断から得られる洞察を基に、個々の社員に合わせたキャリアプランの策定や、職場環境の改善、チームビルディングの取り組みなど、様々な施策を講じることが可能です。

結論として、採用後の定期的なディグラム診断の実施は、社員の心理的な健康と職場適応を支援し、組織全体の生産性と満足度を高めるための重要な手段です。このプロセスを通じて、企業は社員一人ひとりのポテンシャルを最大限に引き出し、長期的な成功と社員の福祉の両立を目指すことができるのではないでしょうか。