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レノファ初心者を観戦に誘う10の作戦 データアナリストへの道#33

勝手にレノファ山口FCを応援しているハラマルです。
レノファの快進撃が止まりません!そろそろ、皆さんの周りでも、「え、残留争いじゃなくて昇格争い…?マジで…?」とザワついているのではないでしょうか。

私の周りでも、そういう方がいるんですが、じゃあ、一緒に試合観戦に行きましょうとお誘いすると、「サッカー観たことなくて…」とか「観てもよく分からんくて…」みたいな方も多くいらっしゃいます。

ここで強引に誘うと、空回りしてしまいますよね。
きっと、これを読まれている方の多くはレノファサポーターの方だと思いますので、皆さん同じ思いをしているかもしれません。

ということで、初心者の方を観戦に誘おうとしたら断られてしまう理由と、それをデータを使って突破する作戦を紹介したいと思います!
(注:私の独断と偏見で選定しています。)

8月に入ると、「#総力1万人プロジェクト」が2試合あり、スタジアムで楽しめるイベントがたくさん企画されると思います。この夏が初観戦のチャンスです。是非、この内容を抑えて、周囲の方をスタジアムに誘いましょう。皆さんで、この夏を思いっきりアツく盛り上げていきましょう!

データは、Jリーグ公式サイトと、Jリーグデータサイトから拝借しました。2024年6月18日更新時点のものです。


1.レノファの現在の状況を知らない…

レノファサポーターなら、試合後、家に帰ってから、寝る前と、「マジでこの順位!?嘘やないよね?」と3回は順位表を確認していると思います。が、そうでない方は、何やらレノファが好調だという噂を聞きはしても、順位表をチェックしたことがない方も多いと思います。

そのような方に、興奮して一方的に説明しても魅力が伝わらないかもしれません。まず、レノファの現状をお伝えすることが重要です。
そういうとき、Jリーグの公式サイトなんかを使われるかもしれません。

https://www.jleague.jp/standings/j2/

確かに順位は伝わるんですけど…。ここは、代わりに私の超絶おススメを使ってみてはどうでしょうか?

私が作ったわけではない(笑)
ですが、この京右衛門さんの可視化は、「一目瞭然」を実現しているデータの可視化の完成形の一つで、これ以上分かりやすいものは作れないのではないかと思っています。

先ほどのJリーグサイトだと「レノファは4位」という順位がまず目に入って、その印象が強く残るのではないかと思います。「へ~」という反応はあっても、なかなかそれ以上興味を持ってもらえないかもしれません。

が、こちらのグラフ?作品?を見てお分かりのとおり、4位といっても、第2集団のトップで、いくつもの強豪チームと並んでいます。少し後ろからも追いかけられています。自動昇格を争っている第1集団とも少し離されています。という関係がパッと理解できます。
Jリーグ公式サイトの数字の羅列を見ただけで、ここまでの状況を頭の中で展開できる方は少ないのではないでしょうか。これがデータの可視化の凄さだと思います。

というわけで、レノファの現在の状況を説明する際は、単に順位を説明するだけでなく、強豪チームと競り合っていること、これから順位を上げていかないといけないことも説明すると興味を持っていただけるのではないでしょうか。
また、ここからが大事な時期なので、スタジアムで応援しましょう!みたいな誘い方をしてはどうでしょうか?

2.サッカーの盛り上がり方を知らない…

これ、サッカーを観戦したことがない方によく言われます。「野球だと、何度も得点シーンで盛り上がるけど、サッカーってあんま点が入らんから、盛り上がりに欠けるよね」的なやつですね。

今シーズンのレノファの1試合平均得点は1.3点で、昨年の0.9点から大きく改善し、リーグでも平均を上回っています。
試合観戦に行けば、1回はゴールシーンに出会えるって、いや、盛り上がるでしょ!?

1試合平均得点

と言っても、さっきの野球との比較を持ち出す人がいるので、その場合は、野球好きの人にも話を合わせて説明し直してみましょう。

野球好きならば、得点シーンだけ見てもつまらないですよね?そこに至るまでのプロセス(粘ってヒットや四球で出塁して、送りバントして、タイムリー)が重要ですよね。
サッカーでも同じです。得点に至るまでのプロセスが大事で、そこの攻防が観ていて迫力があって楽しいんですよ。得点はその結果に過ぎません。

じゃあ、その得点に至るプロセスって何かと言うと、今シーズンのレノファの特徴は、(誤解を恐れずポイントだけを極論すると)クロスと空中戦です。

1試合平均のパス数・クロス数

上のグラフのとおり、今シーズンのレノファは、1試合の平均パス数(グラフ上段)が、リーグ2番目に少ないんです!
だけれど、パスの1つの形態である「クロス数」(グラフ下段)はリーグ4番目に多い!という状況になっています。(「クロス」というのは、味方にシュートを打たせるために、右or左サイドから中央の選手に出したパスのことです。)

パス数が少なく、クロス数が多い、これはどういうこと…?と考えると、今シーズンのレノファは、相手ゴールの近くまではパスを少なく、素早くボールを運んで、サイドを攻略してゴールに迫るというスタイルということです。

そして、この相手ゴールの近くまでパス数を少なく素早くボールを運ぶためにも重要となるのは、空中戦での勝利数(浮いているボールに対し、両チームの選手が空中で競り合うプレー。競り合いで先にボールに触った選手を勝利としてカウント)です。

1試合平均空中戦勝利数

レノファはリーグ2位の空中戦勝利数を誇ります。
空中戦を制するとボールを相手ゴール近くまで運んでいけるシーンが期待できると思います。

ということで、「空中戦勝利」「クロス」に着目して、これがゴールにつながるのかな?と予想しながら観ると、ワクワクするよ!とお伝えしてみましょう。
最近は、空中戦があるよと見せかけて、足元のパスでつないでいくシーンも多いので、その時は、「そっちできたか!」という視点で観戦したら面白いよ!というのも良いと思います。
そして、このクロスですが、1試合平均クロス数は17.3回なので、5.2分に1回
ということになります。5分ごとにチャンスが来るよ野球よりワクワクチャンス多いやん!というのも効果があるかもしれません。

3.選手を知らない…

「レノファの選手を知らない」から、という方もいらっしゃいますが、その場合の答えは、「全然知らなくてもOK」
ただ、そう答えても、相手は納得してくれないかもしれません。

だけれど、今年は、この答えで押し切りましょう。なぜなら、今シーズンのレノファは、誰か一人に頼ったチームではありません。例えば、得点にその傾向が表れています。
上位にいるチームの多くは、チームの中にトップスコアラーがいます。いわゆる「エース」「点取り屋」ですね。
しかしながら、レノファのトップスコア(グラフ上段)は4点で、リーグの中でも下位です。その代わり、チームの中で得点を取った人数をカウントしてみると(グラフ下段)、なんと14人も居て、リーグ2位タイの多さになっています。
つまり、たくさんの選手が入れ替わりで活躍していると言えるかと思います。今シーズンのスローガン「総力」をまさに体現していますね。

チーム内のトップスコアと得点者数

ちなみに、事前にHPで選手情報を確認していくのももちろんOKなんですが、私の経験だと、HPで見た印象と試合中の振る舞いでは全然別だったとおっしゃる方が多いです。(当たり前か…)

ということで、選手のこと知らなくても全然OK!いろんな選手が活躍しているから、試合中の頑張りなんかを見て、推しを見つけよう!とお誘いください

4.試合時間を持て余す…

小さいお子さんがいる方には、90分間も子供がじっとできないから…と言われることがあります。確かに、私も、子供が本当に小さい頃はそうでした。

子供をあやしたり、トイレや気分転換に連れて行ったりしないといけないから、90分間はちょっと…という方には、前後半のそれぞれ開始15分までと、最後の15分間(後半36分以降)に集中したら良いよと教えてあげましょう!

レノファ山口FCの時間帯別得失点数

今シーズンのレノファ、時間帯別に見てみると、前後半のそれぞれ開始15分までと、後半36分以降に得点が集中しているのが分かります。特に最後の15分間は失点数も多くなっていますので、是非、この時間は席を外さずに、一緒に応援しましょう!
後半15分から30分までの15分間は、得失点が動かない試合が多いので、もし席を外さないといけないなら、この時間帯が狙い目です。
「あ、トイレ行くなら今よ」とお父さん・お母さんに教えてあげたら親孝行ですね(笑)

全チームの時間帯別得点数

ちなみに、全チームを並べてみると、後半開始15分間の得点はJ2リーグの中でもトップなので、この時間帯は見逃さないほうが良いと思います。この時間帯は、昨年と大きく変わっている部分ですね。期待値が全然違います。
最後の15分間は、リーグ全体でも得点が多い傾向になっていますので、この時間帯に失点が増えてしまうのも、やむを得ない部分もあります。決して、レノファが弱いわけではありません。

というわけで、試合時間が長いということを壁に感じてる方には、前後半の始まってそれぞれ15分と最後の15分に特に注目して観戦したら良いよと誘ってみましょう

5.勝利する試合を観戦したい…

「勝てそうな試合を教えて」と言われることがあります。
え、スポーツって勝ち負けが分からないからこそ面白いし、応援しがいがあるんじゃないの…?勝ち試合しか観たくないって、そんな姿勢、スポーツ観戦に向いてないでしょ。

という本心は心の奥底にしまい込みまして(笑)、その場合は、はい、分かりました、さすがに勝利を予測することはできませんが、データから、こういう条件になったら勝てますということをお伝えしてみましょう

今シーズンのレノファ、先取点を取った試合数(表の左側)は、リーグトップタイの多さです。なんと、既に昨年(表の一番下)とほぼ同じくらいの数字になっています。
また、先取点を取った試合の勝率(表の右側)も高くなっています
ということは、かなりの確率で勝利を期待できますよね。これで安心して観戦できますか!?

先取点の取得試合数と勝率

え?勝率が「高い」だけでは安心できない?
分かりましたよ、その場合は、とっておきのデータを使ってください。

前半終了時点でレノファがリードしていたときそういう展開はリーグで6番目に多くなっています(表の左側)が、なんと、その場合の勝率(表の右側)は100%!引き分けもありません

前半終了時にリードしている試合数と勝率

はい!これでどうですか!?
一番下段の昨年とは比べ物になりませんよね。

というわけで、どーしても勝敗が気になる方には、先取点が取れるかどうか、しかもそれが前半に取れて、リードした状態で前半を終えられるかに注目して観戦しましょう、とお誘いください

6.守備の時に何を観たら良いのか分からない…

確かに。
初心者はどうしてもボールを追ってしまいますので、相手チームがパスを回しているとき、何を観たら良いのか分からないですよね。
慣れてくると、ボール以外の選手の動きに着目すると守備の奥深さが分かると思いますが、そんな高度なこと、私もできません(笑)

相手にボールを回されて、レノファの選手がボールを獲りに行ってもヒラヒラかわされたら不安になりますよね。でも違うんですよ。
今年のレノファは、自分たちのゴールから遠いところで相手にボールを回ささせているんです。ゴール前の危険なところには侵入させませんし、危険なシュートも打たせていません。

1試合平均こぼれ球奪取数・被枠内シュート数

グラフ上段の「こぼれ球奪取数」というのは「クリアやブロックなどの守備プレー後のボールに触れたプレー総数」ということで、リーグ2位の多さです。
しっかり相手の攻撃を防いで、その後のこぼれ球も拾っているということです。

グラフ下段の「被枠内シュート数」とは、文字のまんまで、相手に打たれたシュートがゴールの枠内に来ていた数ということになります。
単にシュートを打たれていても、枠外だった場合は、点を取られる心配がないので、枠内は本当に危険なシュートということになります。これが、なんと、リーグ最少の1試合平均たったの2.5となっています。
凄くないですか?危険なシュートを打たれる数が少ないので、それさえ防いでしまえば無失点ということですよ!

ということで、守備の時は、相手が外回しでパスをつないでいても全然心配ないよ、こぼれ球を奪取できるか、枠内にシュートを打たれるかどうかに着目してみたら良いよとお伝えしてみましょう

7.声出して応援するのは恥ずかしい…

私もいろんなタイプの方をレノファ初観戦にお連れしましたが、いきなりゴール裏に突撃する人もいれば、メインスタンドでじっと試合を観戦したいという人もいらっしゃいました。
まずは、人それぞれでいいんではないでしょうか。

声を出すのはちょっと恥ずかしい、というのであれば、まずは手拍子やメガホンを叩くことからおススメしてはどうでしょうか。

ただ、観戦していると、ドンドン気持ちが乗ってくるものです。
そうしたら、一緒に声出してみようかなくらいでも良いです。
そして、段々、声を出すことに快感を覚えるようになれば(笑)、しめたものです。積極的に応援に参加を促してみてください。

1試合平均ホーム戦の観客数

重要なのは、まずはたくさんの方が応援に行くことです。
こんなに絶好調なのに、ホーム戦の1試合平均観客数は、昨年より5百人くらいしか増えていません。
平均観客数トップの清水エスパルスは、何と、14,650人の方が訪れているんです。そこまでは難しいとしても、スタジアムに足を運ぶだけでも、選手の後押しになります。もちろん、応援に参加すると、もっと選手の後押しになります。

ということで、声を出して応援するかどうかはその場の雰囲気に任せるとして、まずはスタジアムに行ってみましょう!とお誘いください。

8.天気が心配…

今シーズンは、正直、これを言われると一番クリティカルです!
だって、実際に雨が降っていますもん。なんと、20試合中、雨が降った試合数(グラフ最上段)はリーグ最多の8試合

天候別試合数

雨の日の1試合平均得失点を見てみると、得点(グラフ横軸)も失点(グラフ縦軸)もリーグ中位ぐらいです。

雨の日の1試合平均得失点

が、なぜか、勝敗だと雨の日(グラフ最上段)は分が悪いんですよね…。ここが苦戦している部分になります。
グラフ中段のように、ギリギリ曇で持ってくれたら負けなしなんですよ!

天候別勝敗

ということで、天気が心配だと言われたら、「何とか曇でもってくれ!」と一緒に祈りましょうとお伝えください天気なので、正直、祈ることしかできません
それでも雨が降るときもあります。そしたら、雨対策をご案内ください。

私も、雨の日観戦用にこんなのを書いてみましたが、

あまりに雨が多いので、遂に公式さんも、雨の日対策を教えてくれるようになっています(笑)ので、こちらをお伝えください。

9.チケット代が…

安いです安すぎるくらいです。かぶせ気味に答えてあげましょう!

アウェイの試合に行くようになって、「あれ?みらスタと比べて高いな」と思うことが多くなりました。

そして、先日、こちらの記事を拝見して、レノファの入場単価が安い?と気づいてしまいました。

今回、同じJ2リーグに所属しているチームのチケット代を調べてみました。
スタジアムによって条件が違ったりするので、一律比較は難しいのですが、ホーム側、自由席、一般、非会員、前売りという条件で、できるだけ揃えてみました。(完全に横比較になっていないチームもあります。すみません。)

チケット代(ホーム側、自由席、一般、非会員、前売り)

すると、レノファはリーグ2番目の安さ!ということで、お財布に優しい超良心価格です。映画を観るような価格と考えたらいいでしょうか。

ということで、チケット代は超安い!こんなに安いのなら、チケット買うだけでなく、タオルマフラーなどのグッズも購入できるよね!とお誘いください

10.勇気がない…

興味は持ったけれど、スタジアムに行ってみる勇気がないという方も結構いらっしゃいます。
そういう方には、各職場に配置されている「レノファ観戦推進員」の方を紹介してあげてください。

え?「レノファ観戦推進員」を知りませんか?
そこかしこにいる、レノ丸グッズを身につけている方、持っている方がそうです。
え?持っているけれど、そんな任命されていない?
いえ、持っていれば、資格を有しています。
え?持っている人がいない?
持っていなくても、レノファのことを知っていれば資格があります。どうしても見つからなかったら、「#renofa」のタグを付けてXで発信されたら、すぐに推進員が助けてくれます。

ということで、これを読んでいただいている皆さんは、きっと「レノファ観戦推進員」だと思います。なので、皆さんが相談に乗ってあげてください
どう相談に乗ってあげたらいいか分からないということであれば、以下の記事も参考にされてください。

この部分だけはデータを持ち合わせていませんが確信している部分です、レノファサポーターは心優しい人ばかりです
なので、みんなで、勇気がなくても、構えなくても、一人でも、気軽に訪れることができる雰囲気づくりをして、安心してスタジアムにお誘いしましょう

まとめ

はい、これで、私がレノファ観戦にお誘いした方は、「サッカー知らない」「レノファ知らない」から行かないという言い訳(?)はできなくなりましたね(笑)
そういうパワハラ、レノハラ目的で作成したわけではないのですが、本当にかなり盛り上がってきていますので、これを一部の方だけで楽しむのではなく、多くの方に参加していただき、一緒に盛り上がったらいいなと思い、これが、その一助となればと。

レノファ観戦推進員(←これ、誰か良いネーミング考えてくれないかな?)の方は、引き続き、誘客活動をよろしくお願いします。私も、推進員の一人として、頑張ります。

文中、様々なデータ分析をしてみましたが、いずれも我流でやっているものです。データ活用に興味を持っていただければ、「やまぐちDX推進拠点『Y-BASE』」にいるデータサイエンティストが無料でサポートしますので、安心してお気軽に御相談ください。

また、本日6/21から、毎月第1・第3金曜日の15:00から20:00まで、デジテック会員がY-BASEに自由に集まる「デジテックフライデー」が始まりました。
こういう場などで、Tableauの勉強会などもやってみようかなぁとぼんやり考えています。みんなで集まってレノファのデータ分析したら面白いですかね…?