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当社の採用面接では何を見ているのか?(一次面接編)

もの凄く簡単に言ってしまうと、「人柄」「入社後に仕事をキャッチアップできる資質があるか?」の二つくらいです。でもそれはすぐにはわからないのでいろいろな質問をしながら判断をしていきます。

当社の採用面接は、多くの場合2回。一次面接は採用担当者と約30分程度、二次は社長と約60分程度の長さになることが多いです。

一次では、履歴書・職務経歴書の確認から始まります。当社はdodaやマイナビ転職を求人媒体として使うことが多いのですが、求人媒体に記載されている職務経歴書の場合、スペースの関係からか大学卒業後からの記載に空白がある場合があります。まずはそんなところの確認をします。
ここで大切なのは整合性です。是非とも、ここでは「あれ?なんか変?」と言うことがないようにしておいていただけると助かります。

次に、過去の経歴を選択してきた理由と今後どんな仕事をしてみたいのか(転職での採用面接ですから)を聞きます。

でも、当社への個別の志望動機は聞きません。

だって、ソニーとかトヨタとかみたいに有名な企業じゃないですからね。多くの人にとっては、正直に言ってなにをしているのかわからない会社だと思うんですよね。でもわからない会社であっても、何らかの思いの中で応募してくれている訳なので「(少なくとも)デジタルマーケティングの会社に応募してみようと思ったきっかけや想い」は是非聞かせてもらいたいと考えてそこは必ず聞くようにしています。

そんなことを続けながらいろいろとお話を聞かせていただいているのですが、私達が知りたいことを今回は特に三つに絞って説明しましょう。

①今までの業務(あるいは学生生活で)で、どうやって目標を達成してきたのか

私達はいわゆる「マーケティング会社」です。顧客のマーケティング目標を達成するために様々な施策を提案し、その執行を行うのが私達の会社です。
つまり「顧客目標を達成することが私達の会社の成すべきこと(ミッション)」であると言えます。

ところが時々、顧客の目標を達成することがミッション(目標管理)であるのに、それがちょっとズレてしまい「施策をきちんと行うこと(業務管理)」だったり、顧客の言うことを言われるままにおこなう(業務代行)をやるべきことであると勘違いしてしまうことが良くあるんですね。

極端な話をすると、顧客目標(例えば月間売上うん億円とか)を見るからに全然達成しそうもない状況なのに、顧客が「これやって」と言ったから、それをきちんとミスのないように粛々と代行しているだけになってしまうような…、いわば仕事をしている気になってしまう沼に入ってしまう様なことがそれにあたります。

私達の仕事というのは実はそんな沼に入ることではなくて「顧客の目標を達成することがミッション」なのですから、もし目標に達成しないような数字進捗であれば、達成を妨げている問題点を探してその問題点を解決する別施策を提案することなのです。さらに顧客が「これやって」と言ったとしても、目標達成に寄与しない必要の無い業務であれば「それをする必要はありません」ときっぱりと伝えるのが私達のミッションなのです。

そんな考え方を理解できるのか、それとも自然にそういうことをしてきた人なのか、それとも言われるがままにただ単に作業をしていた人なのか?そんなことを話の中から探っています。

別に言えば、目標管理業務管理、代行作業の違いがきちんとわかっているかどうかだともいえます。

②わかりやすく説明することが出来ているか

世の中では「ロジカルシンキング」の重要性が様々なところで述べられています。ロジカルシンキングと言ってもさまざまな側面ががあり、ロジカルシンキングを鍛えるためにフェルミ推定問題を練習するケースもあるでしょう。
そんなフェルミ推定の問題を面接中に出すケースもありますが、私達の一次面接で重視しているのは、自分の考えをきちんと正しくシンプルに、手短に伝えることが出来るかどうかという点です。

これは実際の業務を行っているときにも重視されます。私達の業務ではマーケティング施策の定例報告会が頻度高く(週次、隔週、月次等)行われています。その時に(①にも繋がるコトですが)、現在の目標に対しての進捗がどうで、何が問題であり、次の手はどう打たなくてはいけないのか?をわかりやすく説明することが求められます。

このときにロジカルな思考力というのがとても重要になるのですが、長い時間をかけて説明をしたとしても、結局何が重要なのか、何を言っているのかが明確でない会議を繰り返しても、顧客の目標達成には結びつきません。いたずらに説明する言葉だけをを重ねても意味は無いのです。

良くあるのが「私はこう考えました」と言わんばかりに時系列を追いながら、「最初聞いたときにこう思って、次にそれなぜだろうと考えたらこうじゃないかと思って・・・・・・・で、こうしました」みたいに、一つ一つ順を追って説明をする方がいらっしゃるのですが、これだと結局何をしたのか、何をすべきなのかがわかりにくいのです。

考えた順番と説明をする順番は異なります

面接官は、この候補者が自社に入社したあとで自社の会議の中でどういう説明をする人なのか?顧客のまえでどういういったプレゼンテーションをする人なのかを面接の中で知りたいと考えています。

なので、ぜひ「まずは、結論から話す」「次に、なぜなら〜」と話していく癖をつけておいてください。

③勉強することが苦にならないか

当社に入社すると学ぶことはたくさんあります。

例えば、ITの知識、PCアプリケーションの使い方、広告運用管理画面の使い方、ECサイトの運用ノウハウ、エクセルのショートカットキーと言った実務的なところから始まって、マーケティング理論、経営戦略論、広告論、消費行動論、消費者心理、流通論といったちょっとアカデミックっぽい内容のもの。さらにクライアントの業界のことや、プロモーションを担当している商品に使われている素材、技術や競合商品のブランドラインアップ。

ただ、「すぐにすべてを覚えろ!」と言うことはないので安心してください。

とはいえ、顧客も自社の製品を開発、販売し目標を達成しようとして、上記で書いた同じことを日々必死に学んでいます。顧客が必死に学んでいるのですから、そんな顧客をリードしていく私達も同様に、いやそれ以上に学んでいく必要があります。

ところが、面接で「マーケティングについて興味があります」という方のなかには「それでは何か最近本を読みましたか?」と聞くと、「本は読んでいないのですが、X(旧Twitter)やYoutubeでいろいろと学んでいます」と応える方がいらっしゃいます。

明確に書きますが、X(旧Twitter)やYoutubeには重要な事は書いてないです。書いてないどころか、嘘や間違い、誤った解釈が修正されずにそのまま流布されてしまっていることまであります。X(旧Twitter)やYoutubeで間違った知識を覚えてしまうと後々それを修正するのに時間がかかりますので注意が必要です。
※ちなみにnoteの中にも「それはちょっと…」といった内容が書かれているものがあります。特に多いのが、ちゃんと学んでいないのにちょっとした経験で思いついた「俺の考えたマーケティング」を語ってしまう単なる自説の類いです。

私達は、限られた時間の中で正しい知識やスキルを身につけて行く必要があります。正しい知識や理解を得ていくためには、「検索するとすぐに出てくる」「とっつきやすい」「面白おかしく書いてあってわかりやすい」「いいねがいっぱいついている」と言ったところだけに飛びつくのではなく、ただしい知識に触れてそこから吸収をしていくという努力が必要です。そのような努力が出来る人なのかどうか?というのも、面接で確認をしているポイントだと言えます。

以上、今回は一次面接で良く聞くこと、まずはベースとして確認をしていること、等を書いてみました。

面接官が何を見ているのか、なぜそんな質問をするのか?と言ったことを知ることによって、弊社だけではなくこれからいろんなところを受けようと思っている人の役に立てば幸いです。




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