「私は、御社を通じて成長したいです」と言われても。
「成長」という言葉は、就活の際のキーワードになっているのでしょうか?
面接をしていると「成長したい」「成長できる環境に行きたい」という方によく会います。
経験上、割と面接でのこういう会話はあるんですね。
一方、企業も会社説明会や座談会等でこんなことをよく言います。
こういうことを聞くと、なんとなく「成長しなくてはいけない」「成長するのが大切なんだ!」私も成長するぞ!」みたいに考えてしまうのも、仕方ないと思います。
でも、ちょっと待ってください。「成長」ってなんでしょうか?
成長って目標だったり、何かの地位だったり、何かをしているうちに成るものだったりするでしょうか?
実は成長って、何か変化した状態を表すことでしかないのです。以前はできなかったけど今はできるようになったというものでしかなく、「成長すること」自体が何かの目標になるものではないのですね。いわゆる「常に勉強し続けたい」と言った言葉と一緒です。もちろん、その意識はとても大切ですので「成長」をキーワードにするのは問題ないのですが、「成長すること」は姿勢でしかないので、「成長」ということを仕事や人生においての大きな目標のように語ってしまうと、面接官からは「じゃぁ、今は成長していないのですね」「ずーっと止まっているのですか」と揚げ足を取られても仕方がないのかなぁと私は思います。
では、どうすれば良いのか?
ぜひ、成長したその先で、何をするのか考えてください。
例えば、「今は日常会話しかできないけどビジネスレベルの英語ができる」ようになれば、それは誰が見ても「成長」です。でも、ビジネスレベルの英語ができるようになることを企業が求めているのではありません。英語は単なる手段です。企業が求めているのは例えば、ワールドワイドでビジネス創造し企業の発展に寄与してくれることです。具体的にいうと「今取引のない国に新たなマーケットを作り、シェアを拡大する。海外展開を推し進める」とか「海外の新しいテクノロジーを活用して、新規ビジネスを開発する」とか言ったことです。英語ができるようになるという成長をしたその先で、世界を舞台にビジネスを創るということを期待しているのですね。
つまり、「成長」という単なる課程に着目し意識をするのではなく「成長して、その後何をしたいのか」の方を意識する必要があるのです。
これは、面接の場でいきなり考えてみろと言われても、できるものではありません。
ぜひ、今のうちに「成長」という状態を語るのではなく、「どうして成長したいのか?」「成長して何がしたいのか」をあらかじめ考えておくようにしてください。
厳しいことを言ってしまうと、今までできなかったことができるようになるという意味では、成長することは当たり前のことなので、それを目標のように言われても、企業としては困ってしまうのです。
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