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「この会社に入って、どんなことをしてみたいですか」

これも、面接では面接官がよく聞く質問だと思います。そもそも、就職活動というのは会社にはいることが目的ではなく、自分自身の今までを振り返りながら、これからのキャリアを考え、将来どのような人生を送っていこうかを考える機会なのだと思います。もちろん、すでに、自分でやってみたい職種や職業を見つけて明確に人生設計を作り始めている人もいれば、まだまだ将来のことなんかぼんやりと漠然としたままで活動をしている人もいることでしょう。

また、将来自分の行う仕事がまだ世の中に登場していないことだってあります。実は、私自身も学校を卒業するときに「将来こうなりたい」と明確な絵を書いていたわけではありません。どちらかといえば、好きとか嫌いとか、単純にカッコ良さそう、とかの憧れや漠然とした考えしか持っていませんでした。でも、就活を行う中でやってみたい仕事というのは単なる憧れからも出てくることもあると思います。

あるとき、「会社に入ったら、どんなことをしてみたいですか」という質問をある候補者に投げかけてました。

候補者「人を喜ばせて、心を動かして、人に影響を与える仕事がしたいです」
私「具体的にはどんなお仕事ですか」
候補者「はい。私は人に喜んでもらうことが好きなので、悩みを解決して喜んでもらいたいです」
私「人を喜ばせたり、悩みを解決するのは別に広告でなくてもできますよね。どんなふうに喜んでもらいたいのですか。どんな悩みを解決してみたいのですか?」
候補者「はい。私は広告というもので人を喜ばせたいんです」

この時はしばらくこの調子で質問を続けてみたのですが、具体的なやってみたい事を聞かせてもらうことはできませんでした。つまり「やってみたいこと」ではなく、仕事に対する信条や理念、考え方しか答えてくれなかったのです。この場合には、具体的な仕事内容を聞いていたのに、知りたいことに答えてもらえず少々残念な気持ちになりました。彼は、自己分析などの過程から、自分がこれからやっていきたい仕事についての信条や考え方にたどり着くことはできたのですが、その先にある「具体的な仕事」を考える前の時点で止まってしまったんですね。

では、どうすれば良いのか。

面接官も、候補者が業界や企業、もちろん仕事の内容に対して十分な理解があるとは思っていません。だからこそ、会社説明会ではその会社の事業に関わる信条や考え方、いわゆる企業のミッション、理念、ビジョンを説明し、次に多くの事例を挙げて仕事や事業を理解をしてもらうとしています。

その上で「やってみたい事」を聞いているのですから、その事例の中から「自分だったら今ある事業やプロジェクト、研究のどれに関わりたいのか」「自分だったら、その事業を応用してこんなこともできると思う」といった具体的に世の中に存在している、あるいは「あったらいいな」という具体的な内容に落としてみる必要があるのです。

すでに、仕事に対しての信条や考え方はできているのですから、次に具体的な仕事内容に置き換えるとどうなのだろうかということをあらかじめ考えておくと、自分の考えや自分が将来どのように活躍をしていきたいのかを相手にきちんと伝えてアピールすることができると思います。

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