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川口伸明『2060未来創造の白地図』技術評論者(2020)

こんな本を読んでいる。

戦略の検討手法にも色々と流行があって,近未来が見通しやすいと思われていた様な時代(そんな時代は過去にもなかったと思うけど)には,戦略理論やフレームワークなどから戦略を考えていこうとしていた。
ところが,時代の変化が早くなると(っていうか,変化はいつの時代も突然起こり,それはものすごいスピードで進んでいく),フレームワークがなかなか役に立たなくなってくる

ポーターのファイブフォースでいえば,マーケットへの新規参入や代替え品の脅威ばかりが頻発していたら,「いったい,どこまで検討のパラメーターに入れておけばいいのだ?」ということになる。
で,行動観察からのデザイン思考とか顧客との共創とかに着目があたっているのだけど,そのベースとなる顧客の行動や顧客の考えもコロコロ変わっていくと「いったい,何をもとに戦略を考えれば良いのだ?」という話になってくる。

だったら,何かに絶対的な根拠を求めることなく「妄想するしかないかぁ」っていうのが今なのかなぁという一応理解をしている。
で,そんなこんなでいまあるテクノロジーからいろんな妄想をしているのがこの本,という印象で面白い。

単純にテクノロジーからの妄想という意味だけじゃなくて,今あるテクノロジーを全く別の領域で使ってみたらこんなことになるんじゃないの?といったピポット的な発想が至るところにある。
それほど肩肘を張って読む様な本でもないし,ペラペラとめくっていくだけでも,いろんな領域や切り口で参考になるんじゃないかな。

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