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「国葬」に関する世論調査。メディアでの解釈への気持ち悪さについて

世論を二分する(といわれていた)国葬が終わったわけですが、非常に個人的な意見としてその調査の解釈の仕方ってどうなのよ、とずーっと思っている。

調査の結果としては

政府が「国葬」を行う方針について
▽「評価する」がXX%
▽「評価しない」がXX%で、

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220927/k10013838451000.html

です。

まぁ、これを7月から調査してその数値の変化をメディアは伝えている。
じつはこれ、そもそもの質問内容というのは”政府が「国葬」を行う方針について”なので、いわゆる「方針」をたずねている。
そして、その回答としては「評価をする」か「評価をしない」(あるいは”わからない”を選択)なわけです。
ここで大切なのは「国葬の実施」の賛成か反対かを聞いているのではない、と言うこと。
ところが、この調査結果を基に「世論は国葬に反対している」と結論づけてメディアは報道をしているわけなんだが、これ、聞いていることと解釈していることの意味が全然違うと思うのだけどどうなんでしょと言う話です。

つまり、回答する人が”政府が「国葬」を行う方針”を評価する評価しないで答えるのだと理解すれば、
・結果として実施する実施しないは別にして、実施の方向を決めたことは評価する。
・実施するのは良いとして(あるいは賛成できないが)、どちらにせよその決定のプロセスは不透明で評価できない。
・実施以前に合憲かどうかの判断がなされていないので評価する段階にはない。
・実施とかそんな事以前にやんなきゃいけないことがあるんじゃないの?そもそも今の政権を評価するのは…。
などなど。。。

という思考の中で、回答する人が評価するポイントをそれぞれ考えてその上での回答が行われるわけなので、「国葬の実施」について反対か賛成かの単一的な意思表明ではないと思われるのです。

と考えると「メディアの偏向報道だよね」と言う意見に対しては、「そうだよね。この質問項目の回答に対してこの解釈はおかしいよね」と言わざるを得ない。

ちなみに「国民は、そんなに複雑なこと考えてないよ」「脊髄反射的に評価しない→実施反対って答えているよ」という意見もあるかも知れないけど、だとしたらその調査の質問項目設定が実態に即していないし回答者の抽出に問題があるわけなので、そもそもその調査結果に意味は無い。

なんかね、普段マーケとかで調査や数字を扱っている人から、その気持ち悪さの声が聞こえてこないのも何だかなぁと思っていたり。

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