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面接での質問例−1:マーケティング施策を考えるというのは具体的にはどのような作業なのでしょうか?

面接中や選考段階で時々聞かれる質問です。今回は、メールで問い合わせをいただいたので、回答した内容をそのまま公開します。

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マーケティング施策の立案・検討という仕事は、毎日の定型業務を手順通りにこなしていくといった「作業」ではなく、市場環境や事業の進捗状況を常に把握し、あらゆる事を考え想定しながら柔軟に対応をしていく「目標管理業務」です。

その場合の目標とはマーケティング目標であり、その目標には例えばクライアントのEC売上げ拡大(前年対比**%達成とか、月間*億円達成とか)、マーケットシェアの拡大、消費者の好感度向上、ブランドイメージの向上など様々な目標があります。

その目標をどうやって達成していくのかが「目標管理」の仕事です。

目標を達成していく為には、まず目標を達成するための筋道を分解し、その道筋をどうやって達成していくのかに必要なKPIを設定していきます。登山ていえば、どこからスタートしてどのような道を通って、どこで休み、どこで食事をし、さらにどのくらいの時間をかけながら頂上に行くのか?といった要に、頂上までに通るべきポイントを設定していくような感じです。

たとえば、EC売上に繋がる数字として「新規客の商品ページの流入数」をKPIに設定した場合、新規客はどこにいるのかー現在どのような悩みや課題を抱えているのか、どのような商品を使っているのか、その商品に不満はあるのか、購入しているのどのような理由なのか、メディアを閲覧しているのか、どんなキーワードで検索をしているのか等から考察しー具体的なプランを検討していきます。そして、そのターゲットにあわせた商品訴求内容をさだめ、広告クリエイティブを決定し、配信単価を決定し、それによって期待される成果のシミュレーションを作成していきます。

これは、誰かが教えてくれるものではなく、コンサルタントとして自らが市場を調査し、分析し、メカニズムの仮説を考察し、実行計画を立案していきます。

シミュレーションが出来上がると、実際に広告配信を行いますが、それを毎日トラッキングしてシミュレーションとの乖離が発生しているのかしていないかをチェックしていきます。もし目標に対してビハインドしているのであれば仮説を練り直し、改善を続けていきます。

目標を達成していく道筋が見えてきたら、次にはもっと野心的な目標を設定していきます。たとえば、前年対比120%の成長が確実だとするならば160%〜200%を達成する為にはどうすれば良いのか?といった感じです。

その場合、市場規模やトレンドからみて今のままの商品構成では達成出来ないという課題にあたることもあるでしょう。また、ネット広告の掲載やデジタル領域のプロモーション活動だけでは達成出来ないということもあるかも知れません。その場合には、ブランド拡張を行うような商品開発提案が必要になるかも知れませんし、ネット広告だけではなく連動したTVCMをしていく事を提案する必要があるかも知れません。

オペレーション業務が、管理画面への登録、レポート作成、日々の進捗管理と報告、トラブル時のアラート対応等のことだとすると、施策を検討する目標管理業務との違いは、決まったことを型どおりやっていくのではなく、目標を達成していく為にありとあらゆる事を考えて、ありとあらゆる事を責任を持って実行していくのが私達の業務です。


実は余談なのですが、このように返信をしたらその方からは翌日に辞退されちゃったんですよねぇ。。
もし、広告やマーケティングの仕事が「定まっている作業を一定時間行っていれば給料はもらえる」と思っているのであれば、それは私たちの仕事とはミスマッチになりますから、事前にご理解いただいて良かったのかなとは思います。


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