恩蔵 直人『マーケティングに強くなる』 ちくま新書、(2017)
読みやすく、さらっと読めてしまったのだが、いろいろと示唆が多い。個人的には、恩蔵先生自身も年齢とともに研究対象が変わってきているとの話に思うところがあった。
取り組む領域が、
・20-30歳台では、プロモーションや店頭管理
・40歳台では、ブランドマネジメントや製品開発
・50歳台では、社会的責任や組織文化
と、変わってきたとのことだが、デジタルマーケティングに今後も関わり続けたとしても、取り組みの対象もそう変化するのだろうか?
ネット上でのマーケティングというのは、まだまだセールスやプロモーションの成果・数値を追いかけることが多い。それが、単にビジネスや概念としての成長過程でそうなっているのか、所詮その領域しか担うことができないのかというのはまだわからない。
ただ、現状ではなかなかデジタル領域に関するブランド云々という話はなかなか出てこず、ビジネスの現場ではクリックやコンバージョンといった比較的短期における成果数値のみが注目されており、それ以外のより広いマーケティング課題や消費活動への関与までを検討するには至っていない。出てきたとしても「ブランドも数値で計測できる」といった、ブランドを消費者の認知・認識といった側面だけで捉えようとしただけであり、それはブランドの全体像を捉えているとは言えない。
デジタルのマーケティング活用が始まってまだ日が浅いということもあるのかもしれないが、そろそろプロモーション的な役割ばかりではなく、ブランドや社会的責任と言った課題に対してもデジタルの視点から取り組んでいかないと、デジタルマーケター=Webプロモーション担当で終わってしまうのではないだろか。
っていうか、すでにそういう役割に自分たちのポジションを固定させてしまっている人も多い気がする。。。
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