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第56回定例会「ゲーミフィケーションを一から六まで学ぶ」を開催しました。

2月16日、第56回定例会「ゲーミフィケーションを一から六まで学ぶ」を開催しました。講師は日本ゲーミフィケーション協会の岸本会長、田中さん、中尾さん、原さんの4名です。

はじめに、会長の岸本さんから日本ゲーミフィケーション協会の紹介がありました。協会で定義するゲーミフィケーションとは、

・身の回りのことに、
・ゲーム要素を入れて、
・人を楽しくやる気にさせること。

楽しみながらやる気を生み出せる社会の実現を目指して、ゲーミフィケーションデザインを学ぶカリキュラムの策定と、ゲーミフィケーションの研究・普及を行う団体とのことです。

続いて田中さんから、日本ゲーミフィケーション協会が提案する「ゲーミフィケーション6要素」の説明がありました。「ゲーミフィケーション6要素」とは、

①能動的な参加
②称賛を演出
③即時のフィードバック設計
④独自性の歓迎
⑤成長の可視化
⑥達成可能な目標設定

それぞれ「エンダウド・プログレス効果」「ナッジ」「フロー理論」などといった、心理学や行動経済学の知見に基づいた裏付けがなされているということで、短い時間の間にさまざまな理論を紹介してもらいました。

3人め、中尾さんの発表は「ゲーミフィケーションのアンチパターン」。初めて入った飲食店で渡されたスタンプカード。これではたしてまたそのお店に行きたくなるだろうか……?という視点からダメ出しと改善を試みます。ゲーミフィケーションとはユーザ体験の設計をいかに形作っていくかというデザインパターンの一つである、という説明が行われました。

最後の発表者原さんからは、「ゲーミフィケーション6要素」が実際に教育現場でどのように用いられているかということを、原さんが主宰するプログラミングスクール、プロキッズを実例にとって紹介されました。

原さんの発表をうかがって意外だったのは、ゲーミフィケーションは必ずしも「面白くすること」ではない、という発言。重要なのは「モチベーションを継続するための仕組み」で、「楽しい」ばかりではなく継続のためには「悔しい」という要素も必要なときがあるそうです。なるほど!

ディスカッションでは「日本のゲーミフィケーションはデジタルゲーム志向だが、アメリカではカジノ志向」「日本の教育のマインドセットにある『競争』とゲーミフィケーションの相性」「どうエビデンスを蓄積するか」などの話題が飛び交い、およそ3時間半にわたる充実した会となりました。

デジタル・エンターティメント研究会では、このような形式の勉強会を1〜2か月に一度開催しています(当面はオンライン)。過去の活動の一覧はこちらです。
ご興味を持たれた方はFacebookのグループで次回開催を案内しておりますので、ご参加いただけましたら幸甚です。


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