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第54回定例会「コミュニティ・プロセッサ『Teleport』の紹介と、オンライン純喫茶『キツ』の謎」を開催しました。

第54回定例会「コミュニティ・プロセッサ『Teleport』の紹介と、オンライン純喫茶『キツ』の謎」を開催しました。講師はテレポート株式会社の平野友康さんです。

前半は「Teleport」の話。Teleportは2022年中のリリースを目指して開発が進んでいるコミュニティ・プロセッサ。文書作成を支援するのが「ワード・プロセッサ」、アイデアを支援するのが「アイデア・プロセッサ」というように、「コミュニティ・プロセッサ」はコミュニティの作成・運営を支援するツールです。

「チャット」と「カード」でプロジェクトの流れを共有し、メンバーがいつでも参加できるグループウェアであるTeleportは、チャットで生まれた思いつきや衝動を形にしていくための機能を備えています。
ちょっとしたものづくりから地域問題の解決まで、あらゆる「やりたいこと」を参加型プロジェクトとして実現する手助けをするTeleportを、平野さんは「DXをDIYできるようにするツール」と呼びます。地域のことはその地域の人たちがやるしかない、問題を解決できるのは当事者だけ。そのためには、ユーザーがTeleport自体を自分たちの手に馴染むように作り変えることができる自由度を持たせたい、ということです。
たとえば、Teleportの中に「購買部」を作るのにおよそ15分、「カフェ」を作るのにおよそ5分。思いつきが簡単に実現していく様子は、まるでリアル「あつ森」。仕事や学校や遊びの境界線をなくし、みんなでどう「あつ森」っぽく遊ぶか──それがTeleportの面白さだと平野さんは言います。

後半は、当会会長の橘川幸夫がZoom上に「開店」した「オンライン純喫茶『キツ』」について。とあるZoom会議室を24時間開け続け、誰でもアクセスしてよい場として開放し、それを「喫茶室」だと言い張っている場が純喫茶「キツ」。「マスター」を自称する橘川会長は起きているかぎり「キツ」で交わされる会話に耳を傾け、呼び出されれば自ら客の相手をする……という空間です。

1970年代から「参加型社会」を提唱し、雑誌「ロッキング・オン」や「ポンプ」を創刊、パソコン通信やインターネットにもいち早く進出してきた橘川会長。Zoom上の「学校」を標榜する「YAMI大学深呼吸学部」に続いて立ち上げた純喫茶「キツ」は常連客もつき、イベントを開き、出版を始め……と活動が広がっています。

70歳を超えて橘川会長がなお追い求める「参加型社会」とは何か? その思想の根幹について、平野さんは橘川会長の話をもとにこう考察します。
「この地球上に70億の人間が生きているということは、70億種類の生の可能性をひとりひとりが追求していることだ、と橘川は20代のときに思うに至った。どんな人も自分の代わりに生き方の可能性を追求しているのだし、自分(橘川自身)もまた可能性を追求している。それを言葉に変えて報告しあうことで他の人、また次の世代に伝えていく。生きていることに意味があるかどうかわからないが、せっかく意識が芽生えて生きているのだから、お互いに自分のことを報告しあってみんなで遊ぼうぜ、その姿勢を『参加型』と呼んでいる」

純喫茶「キツ」もこの思想で作られており、Teleportもまたこの思想を自分なりにアレンジしたものである、と平野さんはまとめています。ご興味を持たれた方はTeleportのWebサイト、また純喫茶「キツ」を訪れてみてください。

デジタル・エンターティメント研究会では、このほかにもさまざまなテーマの勉強会を、1〜2か月に一度開催しています。ご関心をおもちいただけた方は、当会のFacebookグループで開催予定をお知らせしていますので、ごらんください。


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