スペルを覚えなくても爆発的に会話力が上がる究極のメソッド! 沼畑直樹『娘に英語で話し続けたら、2歳で英語がペラペラになった。』本文試し読み
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スペルを覚えなくても爆発的に会話力が上がる究極のメソッド! 沼畑直樹『娘に英語で話し続けたら、2歳で英語がペラペラになった。』本文試し読み

東京オリンピックも来年に迫り、そろそろ英会話でも始めようかな?と考える人も多いのではないでしょうか。

そんなあなたに朗報です!
「母国語」として習得すれば、どんな外国語も自由に話せるようになります!
そのメソッドとは…?

今回は『娘に英語で話し続けたら、2歳で英語がペラペラになった。』(著:沼畑直樹)の試し読みを公開します!

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(書影はAmazon Kindleにリンクしています)


はじめに

 3歳になったばかりの娘が寝室から叫びました。

 Dad! Turn on the light! It's so dark.
 You can't see anything!

 寝室には電気がついているけれども、私のいるリビングはいつのまにか暗くなっていて、「もう暗いから電気つけて! 何も見えないでしょ!」と言ったのです。

 父親である私も、母親の妻も日本人。私は英語教室に通ったことはなく、留学経験もありません。私は、雑誌編集者から独立して10年前にコンテンツ制作会社を作り、本を作ったり写真を撮ったりすることを仕事にしています。仕事で英語を使う機会もあるので、独学で英語を20年間学び続けてきました。そして英語で話すことの難しさを、肌身で感じ続けてきました。私が英語を学ぶうえで感じた苦労を、娘にはさせたくないとも思いました。

 そして、娘が生まれてからは「娘に話しかけるときは、英語だけ」と決めたのです。生まれたときから私は娘に簡単な英語で話しかけ続けました。

 それが、1歳になったころから理解を始め、2歳でそれが文章になり、2歳6ヶ月から爆発的な英語の成長期を迎えました。娘が3歳になった今はストレスなく、コミュニケーションを英語でとれています。

 そんなわけで私と娘は、普段の生活は英語だけを使っています。妻は英語が話せません。だから娘は妻と日本語で話し、私に対しては英語で話します。

 妻はときどき、娘と私のやりとりを見て「何を言っているかさっぱりわからない!」と困っています。3歳4ヶ月になった今では、妻にはまったく聴き取れないようなペラペラの英語になったのです。

 私だけが英語で話しかけたところで、日本語のほうが覚えが早いだろうと思っていました。そもそも、ネイティブでない私が話しかけて、英語を話すようになるのか? という疑問も当初はありました。それがまさか2歳で英語を話すようになるとは、思ってもみませんでした。こういった驚きだけでも私にはインパクト十分なのですが、もう一つ、お伝えしたいことがあります。

 娘と一緒に3年間を英語で過ごしたことで、私の英語が、学び始めて20年も経ったあとで、ようやく爆発期を迎えたのです。

 娘の英語習得の日々を日記に記し、いろいろと考えました。どうして彼女はこんなふうに英語を覚えられるのだろう。毎日がミステリーです。謎は多いながらも、事実として娘も私の英語も上達していきました。そして、その謎を、少しずつですが解明していったのです。

 娘と私がたどった英語習得の道は、すべての人が幼少期にたどる「母国語」習得の3年間でした。幼児が3歳頃までに「母国語」を学んでいく方法を、私は大人になってから追体験し、習得したのです。

 つまり私は娘に教えたようでいて、
 娘から英語を学んだとも言えます。

 そして、その方法のほとんどが、私が20年積み重ねてきた学習法と反対の、衝撃的なものでした。20年の勉強のせいで、素直に英語を覚えることができなくなっていた自分にも気づきました。この本で解明する、母国語として英語を習得する方法は、英語を勉強したせいで、できてしまった硬い皮を剥がすために必要なものです。その皮を一度剥がせば、英語は子どもと同じようにどんどん吸収できます。

 どんな外国語だって、自由に話せるようになるのです。


本書の概要

1章では、母国語とは何か? ということについて解説します。
そして「母国語」として英語を学ぶことと、今までの英語学習法の違いについて説明します。

2章では、母国語の習得の秘密である、リスニングについて迫ります。
大人でも、子どものように聴き、子どものように言語を身につけられる方法に迫ります。

3章は、大人が英語を習得するときの実践法、スピーキング、発音のポイントについてです。日本にいながらにして、英語を使い続けるコツや、「母国語」英語を学ぶ心構えについて、そして日本人の盲点になりがちな発音のポイントについても記しています。

4章では、大人が英語を習得するときの実践法。こちらはリーディング、文法に関した内容です。英語の語順や、文法についてのシンプルな考え方を記しています。

5章では、私が子どもに英語を教えた、具体的な方法を紹介しています。
教えるうえでの10の方法や、気をつけるべき5つのポイントについて説明します。

6章では、娘が英語を覚えていった過程を記録した日記を公開します。これから子どもが生まれる人、これから子どもに英語を習得させたい親御さんの参考になればと思います。

巻末には、娘が3歳までによく使っていた英語、私が娘によく使っていた英会話をリスト化しています。英語が苦手な方でも、子どもに英語で話しかける際にお役に立てるかと思います。

***

1章 「母国語」として学べば、英語はもっと楽しい


日本人は、どうして英語が話せない?

■あなたが黙ってしまったときに考えること

 英語を勉強し、ある程度は読めたり、書くことができる。でも英語を「話そう」とすると、なかなか出てこない。これは日本人の英語学習者に多く起こる現象です。
 一体何が原因なのでしょう?

 たとえば、日本人同士で会話するケースを考えてみます。
 まずAさんが「正しい英文を話そう」と身構えることから、すべては始まります。最初に「何を話そう?」と日本語で題材を探し、見つかったら、その日本語を英語に訳します。そして、その英語が間違っていないか頭の中でチェック、間違っていたら修正して、完璧な状態になったら、やっと発音です。

 相手のBさんは、Aさんの話す英語の聴き取りに必死です。無事に聴き取れたら、日本語に訳し、その返答を探します(この間、Aさんも返答を黙って待っています)。日本語の返答を見つけたら、英語に訳し、英語が間違っていないかチェックして……。
 これでは沈黙が多すぎて、言葉のキャッチボールができません。
 すべては、間違いを恐れて、身構えることが原因です。
 正しい英語以外は、話してはいけない。そういう強迫観念があると、身構えてしまうのです。

 英語を話そうとして、相手を前に一切言葉が出ないことだってあります。私が、英語を学んでいる友人に、「目にしたものを、驚きの感情と一緒に、英語で言ってみて」と言ったら、15分たっても1つの単語も出てこず、諦めたこともあります。目に映る色や車、建物、何でもいいのに、出てこないのです。
 Take a look! That car!(ちょっと見てよ! あの車!)
 これだけでいいのですが、それも出てこない。

 この状態をクリアするために、みなさんはどのような解決法があると思われるでしょうか? 私もこの問題について、長い間よくわかっていなかったのです。しかし娘が、そんな私を救ってくれました。

 私と娘が自由に英語を話しているとき、AさんやBさんのような症状はあらわれません。どうしてでしょうか?

 それは、英語を外国語ではなく、自分の「母国語」として話している状態だからです。


母国語って何だろう?

■母国語は日本語だけじゃない

 ではその母国語とは何でしょうか?
 生まれ育った国の言葉。親から学び、最初に身につけた言葉。もしくは、英語のネイティブスピーカーのように、多くの言葉を駆使し、ディベートができるほど高度な会話能力を持つ言語。

 もちろんこれらは「母国語」に違いありません。
 母国語というのだから、上手に使いこなせるし、読み書きも自由自在です。しかし、私は娘の言語習得の過程を通じて、母国語への認識を変えました。

 今、私が考える「母国語」とは、こんなイメージです。
「他の言語を介さずに、覚え、使える言語」
 他の言語とは、日本人であれば日本語のことです。日本語を介さずに覚え、使える言語が母国語だと考えているのです。
 この考えに基づいて、母国語の要素をまとめてみました。

 1 伝えたい感情を込めながら、話している

 2 単語はスペルではなく、「音」で覚えている
  
(娘は英語のスペルは知りませんが、英語は話せます)

 3 イメージ(映像や絵)と言葉が、直接結びついている
  
(英語を聞いて、日本語に訳すことなく、その単語のイメージが浮かぶ)

 4 文法を知らなくても話せる
  (娘は文法ももちろん知りません。でも話せます)

 5 反射的に言葉を口に出せる
  (覚えた例文をあてはめるのではなく、その場で自由自在に作り出せる)

 今までは、当然ながら「自分の母国語は日本語だけだ」と考えるのが常識でした。しかし、この本では、母国語の概念を少し拡げてみようと思うのです。
「ネイティブでない、日本人の親から教わった英語は、母国語とは言わない」と思われるかもしれません。しかし、私がネイティブではないからこそ、娘が日本語と同じように、英語も話せるようになった過程は驚きに満ち、ここに英語習得の秘密が隠されていると思うのです。

■子どものように大人も学んでみる

 そして子どもが「母国語」を学ぶ過程は、大人になってから英語を学び始める際にも、多いに参考になるはずです。

 今までの学習法を離れ、子どものように学べば、2、3年で会話ができるようになります。「母国語として学ぶ」という方法が「読めたり書けたりするけれど、話せない」という日本人英語学習者の欠点を、見事に消し去ってくれるのです。

 英語を「他の言語を介さずに、覚え、使う」と、日本人でも英語を母国語として流暢に話せるようになります。ここでは、その理由を、5つの母国語の要素を中心に解いていきたいと思います。


母国語は「More」から始まった

■初めてしゃべった言葉は英語だった

 娘が1歳になったころ、初めて言葉をしゃべりました。パパ、ママという言葉を別とするなら、初めて口にした言葉はMore(もっと)でした。日本語ではなく、英語のMoreが娘の最初の言葉だったのです。

 きっかけは、ミルクです。私が冷蔵庫にミルクをしまおうとしたとき、娘に向かってMore?(もっといる?)と聞きました。そして、Say More.と言うと、私の言い方をまねて「モー」と発音したのです。ミルクをコップに注いであげると、それ以来、おかわりが欲しいときに「モー」を使うようになりました。

 そのころの娘にとっては、おっぱいやミルクが関心の大部分を占めています。だから、おかわりがもらえる「モー」は、彼女にとってミラクルな伝達手段となったのです。それまでは泣くしか伝える方法がなかったのですから、大進歩です。娘は、日本語の「もっと」「おかわり」という言葉を当然知りません。日本語の「もっと」「おかわり」を英訳して「More」と言ったわけではないのです。

 このとき娘の頭の中で、「もっと欲しい」「おかわりが欲しい」という感情と「モー」という言葉が直接的に結びついたのです。先に挙げた、母国語の要素である、「伝えたい感情を込めながら話している」状態です。

■言語にゴールはない

 私はこの時点で、「『モー』という言葉は娘の母国語になった」と考えます。すでに5つの要素を兼ね備えているからです。そして、言語には、ゴールがありません。
「ディベートができるようになったから母国語」なのではなく、最初に1語目を使えたときから、それを自分の母国語と捉えてみるのです。娘にとっては、“More”から「母国語」が始まったと言えるのです。


母国語は「感情」で覚えていく

■必要性のある言葉は覚えられる

 娘が英語を話し始めたのは、感情を伝える必要性があったからです。ミルクを「もっと欲しい」という 「More」という感情、それを伝える切実な必要性です。 必要性のある言葉というのは、幼児が3歳までに覚える簡単な言葉に多く含まれています。たとえば、あなたが日本語で「大きい」と「小さい」という言い方を知らなかったら、普段の生活はどうなるでしょう? 

 1歳の子どもは「大きい」と思ってもその言葉を知らず、伝える方法がないので「あー!」としか言えません。「あー!」と言って、伝わらないと、もどかしくて泣きます。日々を重ね、その気持ちを伝える必要性が多くなると、ある日突然「大きい!」と口にします。

 それまでの間、親は大きいおもちゃを指さしたりしながら、何度も「大きい?」とか「大きいほうね」と口にしたことでしょう。一度「大きい」を理解するだけで、親子の意思疎通はだいぶ楽になります。大人の我々にはなんてことはない、「大きい」という言葉ですが、実は非常に大切で必要性のある表現です。

■感情を込めて発音したことがありますか?

「大きい」という言葉を、英語で考えてみると、どうでしょうか?
 大きい=Big
 英語を学んできた大人にとって、あまりに当たり前で、大事な言葉だとは思えないかもしれません。

「Bigなんて、簡単すぎるし、知っている」そう思われるでしょう。しかし、この心理こそが、あなたの英会話能力の妨げになっている可能性があります。「当然知っている」と思うことが英会話の妨げになっているのです。

 英語学習者は、多くの単語のスペルや意味を知っています。しかし、実際にどんな簡単な単語でも、必要性に迫られて発音した単語は少ないはずです。

 知っている単語は多くても、その中で感情を込めて、発音したことがある単語はいくつあるでしょうか?
「大きい!」という驚きの感情とともに「Big!」と言う経験です。

 多くの学習者は、Bigという言葉は知ってはいても、感情を込めて言ったことがない人がほとんどなのです。一方、子どもは感情を込めて実際に口に出して使います。母国語の最初の要素、「伝えたい感情を込めながら、話している」は、まさにこのことです。

■伝えるための英語は楽しい

「感情を込めて言う」はまさに、母国語の基本的な覚え方です。伝えたい感情がまずあり、それが音と直接的に結びつき、話す。こうして覚えて、使える単語が増えていきます。
 では、子どもが初めてMoreを話したときや、Bigを使い始めたとき。そのとき、英語は難しいものだったでしょうか?

 確かに、「英語は難しい」のは常識ですが、MoreやBigという言葉を使うだけなら、簡単です。感情を伝えるコミュニケーションがとれるようになるので、ただ楽しいばかりです。こんなふうに英語を「母国語」として考えれば、英語は難しく苦しいものではなく、楽しいものになっていくのです。 英語が簡単で楽しくなるなら、習得を諦めず、使い続けることもできるはずです。心に張り付いた「英語習得は難しい」という概念を、「母国語」という言葉を使って剥がしてみてください。

■「英語は自分の母国語だ」と腹をくくること

 では大人が子どもと同じように、英語を習得するにはどうすればいいのでしょう? この本で推奨するのは、英語を「外国語」としてではなく「母国語として学ぶ」ということです。どんなに英語を勉強しても、従来の勉強法では英語は母国語にはなりません。いくらテストでいい点をとっても、英語は決して話せるようにはならないのです。 母国語習得のメカニズムを考えると、勉強は邪魔な要素でしかないのです。
「勉強をすればするほど話せなくなる」それが母国語習得によって見つかったミステリーです。その謎に迫る前に、まずはイメージしてみてください。
「私は英語以外の言語を知らない。英語の世界が唯一自分の拠り所になる温かい場所」と。「この母国語の世界で、生きている」そう思ったうえで、その言葉を口にしてみる。

 人それぞれ、何か英単語が出てくるかもしれません。それは、ただのYes.かもしれないし、This is my mother tongue.(これが私の母国語)かもしれない。日本語だけでなく、英語にだって、母国語の権利を与えてみるのです。そして、最初に出てきた1語目を、あなたの最初の母国語としての英語だと考えるのです。


ペンとノートを捨てよ。

■子どもの脳はスポンジか?

 ここまで読まれてきたあなたは、「子どもの脳は柔軟でスポンジみたいなものだから」「大人は子どものように学ぶのは無理」と思われたかもしれません。
 確かに娘は、生まれてからの3年間でたくさんの英単語を覚えました。本当に「スポンジ」のようです。
 それはどういう意味でしょうか?「からっぽの脳のスペースに、新しい言葉がどんどん入っていく」という解釈で使われることが多いと思います。追究してみるとその通りなのですが、だからといって「大人の脳はスポンジにならない」ということはありません。

 ただし、子どもと同じようにスポンジ脳にするのを、妨げてしまうものはあります。それが、ペンとノートです。

■勉強していないから、話せる

 娘が英語が話せるようになった理由を説明するとき、「ペンとノートを使って勉強していないから」だと表現できます。娘は英語の読み書きはまだできません。だから覚えた単語をノートに残したり、復習したりも当然していません。でも実際に英単語を覚え、話すことができます。先に母国語の要素として2つめに挙げた 「単語はスペルではなく『音』で覚えている」 状態です。

 対して一般的な日本人の英語学習者の勉強法はどうでしょうか? 本棚にはたくさんの例文が載っている英語の本。それを必死に覚えたら、また新しい本を買って……。ときにノートに単語や例文を書き、対となる日本語訳を覚えて満足する。

 私の本棚に英語の参考書は1冊もありません。ノートもとりません。その点においては、娘と一緒です。

「読んで、書いて、覚えて、英語の勉強がしたい!」

 という気持ちもわかりますが、もしあなたが英語を話せないなら、ぜひ一度、そんな方法を捨て去ってください。音から英語を覚えるために、ペンとノートの勉強をやめる。そこに、スポンジ脳への入口があるのです。


話すために必要なのは、「音」だけ

■読み書きを捨てて「話す」能力があがった

 誰でも、読み書きを勉強する前に自分の国の母国語を話せるようになります。日本語も、あいうえおや漢字を読んだり書いたりする前に話せるようになったはずです。読み書きができないのに話せるということは、母国語の習得には、文字を読む必要や、字を書く必要もないということです。私も参考書を捨て、読み書きを捨てて、「話す」能力が上達しました。結局は、英語を話せるようになるには、「音」だけが必要なのです。

 言語に関して「音」というのは、実に不思議です。たとえば、もし大人がまったく知らない言語、たとえばスペイン語のニュースを観たとき、話される言語に耳を傾ければ、素直に音として聴くことができます。でも、もしスペイン語を勉強し、単語のスペルを知っていたら、途端にそれができなくなるのです。なぜでしょうか? 

 それは、スペルと聴いた音の 「答え合わせ」 の作業をしてしまうからです。これと同じことが、英語を学ぶ際にも起こります。ということは、小学校や中学校で必ず英語の勉強をしてきた日本人にとっては、その後のリスニングはすべて「答え合わせ」になってしまうのです。

 子どもが英語が話せるようになるのは、その言語についてまったく勉強をしていないからです。だから音を素直に聴くことができます。素直に聴くこと自体が、言語習得の第一歩なのです。それが、スポンジ脳への第一歩です。

 言語習得の方向性を「音」へ完全に移行するために、その妨げとなる勉強をすぐにやめましょう。ペンを置き、本を閉じるのです。


単語とイメージを直接結びつける

■娘が「音」を覚えた方法

 では、娘は英語を「音」でどのように覚えていったのでしょう? 娘が英語を最初に学んだのは、私が1歳の誕生日に買ったフラッシュカードです。フラッシュカードというのは、イラストがついている基礎的な英語のカードのことです。

 私が最初に買ったフラッシュカードは色や車、鳥、犬、猫、机、椅子、家、りんごといった単語のカードで、本当に基本的なものでした。

 フラッシュカードを使うときは、イラストを見せ、
 What's this?(これは何?)と言いながら、私が発音します。 また、外出したときに、外にあるものを指さしながら、私が発音するということもしていました。世の中にはたくさんモノがあって、それを全部覚えるのはさぞかし大変だろう……と思うかもしれませんが、そんなことはないのです。

 たとえば駐車場から家までの帰り道で、基本的なもので言えるものは実は少ないのです。Sky(空)、Flower(花)、Pole(柱)、House(家)、Road(道路)。これは今も変わりません。
 フラッシュカードを使って娘が最初に覚えたのは、色でした。色をスペルではなく、私が発音した「音」で覚えたのです。
 Which is blue?(どれが青?)と私が聞くと、イエローを指さしたり、最初は間違いばかりでしたが、だんだん正解率が上がってきます。そして、好きな色であるPurpleを発音するようになり、それと似ているAppleも、アッポーと発音できるようになりました。

■りんご→Appleじゃない

 どうでもいい話に聞こえるかもしれないですが、重要なところです。娘がりんごのイラストを見て、Appleと言い出した脳の中は、どうなっているのでしょうか? 日本語の「りんご」は、まだ教えていないので、娘はりんごという言葉は知りません。娘の頭の中では、赤い果物のイラスト=りんご=アップルではありません。大人のように赤い果物のイラストを見て→「りんごだ」→「英語だと……アップルになる」と変換しているのではなく、赤い果物のイメージ=アッポーと直結しています。

 母国語の要素である 「イメージ(映像や絵)と言葉が、直接結びついている」 状態です。直接的に結びついている言葉は、反射的に口から出て使えるようになっていきます。この方法で娘は、色の名前、動物の名前、モノの名前を英語で覚え、使えるようになりました。


「日本語から英語に訳す」をやめる

■大人にこそ必要な、子ども向けの動画

 3歳になった娘は赤い果物を見て、私にはアッポー! と英語で言い、妻にはりんご! と日本語で言います。
 でも英語でApple is called Ringo in Japanese.と教えたり、逆に、「アッポーは日本語で『りんご』って言うんだよ」などと教えたことは一度もありません。日本語も英語も、イメージと音が直接的に繋がっているだけなのです。だから、私たち大人も、訳す作業をせずに、イメージと言葉を直結させれば、反射的に話せるようになるはずです。

「できない。最初に日本語が出てくる」
 ということも多いでしょう。これは「日本語から英語に訳す」という思考回路が英語教育で叩き込まれているせいで、それを排除するのが困難だからです。娘にとっては簡単ですが、それはもともと排除する思考回路がないからです。

 直結させるのに一番いい方法は、私がやったように、親代わりの人がいちいち、モノを指さして発音してくれるといいのですが、実際にそういうシチュエーション(たとえば恋人がネイティブ)の人は少ないでしょうから、YouTubeなど動画サイトを頼りにするのがいいと思います。子ども向けの動画に、映像と音が一緒になったものがたくさんあります。

■母国語に必要な最初の100メートル

 私自身にも、そういう方法が必要だと娘が生まれる前から気づき始めていたのですが、実際に子どもが生まれるまで一度も観たことがなかったのです。どこかで馬鹿にしていたのでしょう。「自分は子ども向けの単語なんて、知っているから大丈夫、簡単すぎる」と。

 だけども、イメージと音(英単語)を一直線に結ぶには、これをやるしかありません。英語を話せるようになるために、本当に大切なのはスタートから100メートルまでの短い区間です。 しかし、多くの英語学習者は、「私はすでに英単語や文法を知っている」と認識し、そのせいで、スタートラインから遠く離れたところで勉強しています。ほとんどの人が、その短い区間を走ったことがないのです。

 母国語は、その短い区間で作られます。だから、最初はたったの1単語を身につけるところからでもいいのです。簡単すぎるほど、簡単です。実際に娘はMoreから始まり、今は英語をスラスラと話しています。聴いた音をまねしたり、毎日目に見えるものを発音してみる。
 そうしてやがて、反射的に口をついて出るようになる。今ではたくさんのものを英語で言えるようになりました。

■スペルを忘れて、音に集中する

 勉強をやめ、音で英語を学んでいくというスポンジ脳への課程において、重要な要素があります。スペルを忘れることです。
 今までの英語学習はスペルで単語を覚えていくことであり、いかにたくさんのスペルを覚えるかが、ネイティブに近づく方法である、と思われていたと思います。その反対のことをやってみましょう。
 スペルは見ない、スペルで単語を覚えないという方法です。娘が英単語を覚えるときのことを考えてみます。彼女はまだ文字が読めないのだから、単語のスペルはまったく知りません。私の発音や動画で聞こえる音をそのまま、まねして覚えているだけなのです。
 私たち大人は残念ながら、アルファベットがわかり、英語が読めてしまいます。
 スペルから覚える問題点は、いくつかあります。リスニングの際に「答え合わせ」になってしまうこと。スペルによって間違った修正がされること。リスニングの際に覚えたスペルに引きずられて音をそのまま素直に聴くことができないことなどです。私も、これから覚える単語については、音だけをそのまま覚えるようにしています。どうしてもスペルを調べたくなるのですが、そこはぐっと我慢するのです。


文法を知らなくても母国語は話せる

■子どもに文法は説明できない

 さて、母国語の要素の4つめ、「文法を知らなくても話せる」について、もう少し考えてみましょう。まず、これは日本語習得でも考えやすいと思います。言葉を話し始めたころの子どもに、「この言葉は、こうやって使うんだよ」と、使い方、文法を説明することはできません。 まだ日本語自体の理解ができないないからです。

 なのに、どうやって子どもは使い方、文法を理解していったのでしょうか? 3つの例を見て下さい。
 ・「大きい」「小さい」の違い
 ・「わたし」と「あなた」の使い方
 ・「何?」の意味

「大きい」と「小さい」を教えるのは、やはりジェスチャーに頼るしかないと思います。両手を広げて「大きい」、すぼめて「小さい」。もしくは、大きいおもちゃと小さいおもちゃで表現。

 可能であれば、実際に今、やってみてください。両手を広げて「大きい」と声に出し、すぼめて「小さい」と声に出すのです。子どもに伝えるように。

 おそらく、あなたの感情の込めたジェスチャーと表情を見て、子どもはまねしたかもしれません。そうして子どもの母国語の辞書に「大きい」と「小さい」が記述されます。この「大きい」と「小さい」をそのまま「Big」と「Small」に置き換えると、子どもはどの国の子どもであれ、「Big」と「Small」という言葉を自分の母国語リストに加えます。

■子どもに「IとYouの使い方」をどうやって教える?

 次に、「わたし」と「あなた」の使い方を、「IとYouの使い方」に置き換えてみましょう。
 たとえば、こんなことがありました。

 映画『魔女の宅急便』を英語で観るのが大好きだった娘は、自分でもそれをよく演じていました。しかしまだIとYouの区別がついておらず、うまく使い分けができなかったのです。

 娘が言いたかったのは「あなたがトンボ役で私がキキ役ね」ということです。
 しかし、You are Tombo.(あなたがトンボ役ね)と言ったあとに、「うーーん」と悩んでいました。I'm Kiki.(私はキキ役ね)と言うのが正しいのだけれど、思い浮かばない様子でした。
 私はYou are Kiki, right?(君がキキ役だよね)と言いました。しかしこのころは私が言ったことをオウム返しする時期だったのでそのまま、You are Kiki.(あなたがキキ役)と言ってしまうのです。IとYouの区別がついていない証拠でした。

 私がNo. No. “I'm Kiki”, right?(いやいや、そこは“私がキキ”でしょ?)と私が言い直すと、
 I'm Kiki.と言うのですが、あくまでオウム返ししているだけでしっかりとした意味はわかっていないようでした。

 つまり、私はこのとき、IとYouの使い方を教えることができなかったのです。 当初は私も混乱しましたが、そのうち娘は自然とIとYouを正しく理解できるようになりました。

■母国語は教えられない

 いままで見てきたように、母国語は他の言語を介して覚えるものではありません。つまり教えることができないのです。教えようとしても、子どもは教えるための言葉をそもそも理解できないし、他の言語の下地もないので説明ができません。だから、ジェスチャー主体になるのです。「大きいとは、量や面積が、主観的、または相対的に……」などという説明は不要だし、そもそも子どもには理解できません。
 でも、ジェスチャーで伝わったり、伝わらなかったりしながら、自然に覚えていくのです。

 次に「何?」という言葉を覚える場合を見てみます。言葉の通じない未開の島に辿り着いたら、何かを指さして適当に言葉を言う、という方法があります。適当な言葉を言うと、意味がわからない原住民は「何?」と現地の言葉で言う。その「何?」という言葉を覚えて、次から自分が質問するときに使っていくという方法です。
 これはフラッシュカードで娘が擬似的に使った方法でもあります。
 私は娘にWhat's this?
 を連呼していましたが、当然、Whatという言葉が何なのかは、いまだに一度も説明したことがありません。フラッシュカードを始めてから少し経って、娘が人形を使って私の役をやって遊んでいることがありました。そのとき
 What's this? とか
 You know? と言っていました。
 完全に私のまねをしているのですが、そんなことをしながら、なんとなくWhat's this? の意味を知っていったようなのです。

 文法の言葉である名詞、動詞、形容詞など知らなくとも、話せるようになるのが、母国語です。母国語は「文法を知らなくても話せる」のです。


英語が苦手でも子どもには教えられる

■説明しなくても子どもは話せる

 言葉で説明しようがないのに、わかってくれるというのは、親にとって大きな歓びです。
 I'm Kiki, you are Tombo, right?
 (私がキキ役で、パパがトンボ役ね)
 と娘はそのうち正しく言えるようになりました。
「説明していないのに、IとYouの関係をわかってくれた」とほっとしました。

 それを改めて説明しなさいと言われると結構大変です。これは、子どもが日本語を話せるようになったときも同じはずです。説明されなくても、話せるようになる。言語習得の神秘を感じます。

「私は英語が下手だから、子どもに英語なんて教えられない」と思っている方も多いかもしれませんが、難しい文法の説明を英語でする必要もまったくないのです。 ただ簡単で通じる英語で話しかけるだけでいいのです。大切なのは説明ではなく、子どもに感情を伝える必要性を感じさせ、アウトプットさせることです。

■日本語を使うことで、失うものがある

 大人の私たちは、IとYouの関係を日本語を通じて学び、知っています。使うことも、それほど難しくないでしょう。例文も単語の意味も日本語の訳付きで覚えてきました。どうしてなのでしょう? 

 それは、日本語が楽だからです。慣れ親しんで楽な日本語に置き換えて理解したくなる。その英語が慣れ親しんだ日本語ではどういう意味になるのか、知りたいのです。知れば納得してすっきりしますが、失うものもあります。それは、母国語の5つめの要素である、
「反射的に言葉を口に出せる」能力です。

■イメージを限界まで拡げる

 娘は覚えたての動詞や形容詞を、自由自在に使いまくります。自分がひとつの単語から想像したイメージを限界まで拡げ使い倒すのです。たとえばある日、
 It's making bigger!(大きくなるよ、大きくするよ)
 と娘が言いました。
 頭の固い大人の私は、
 It's getting bigger.(大きくなるよ)
 というのが正しい言い方だ、と思っているから、それ以外を使おうとしていませんでした。でも娘は、間違っていようがなんだろうが、自分で表現を作ってしまうのです。 そして、それでちゃんと意味が通じる。
 大人は、なかなかそれができません。自分が思いついた表現が合っているかどうかが、とても気になるからです。ネイティブが本当にこう使うのかどうか、ネットで調べたくなります。自分の知っている単語で勝負するのではなく、もっと的確な言葉で表現しようと、新しい単語を探したりします。そうして深い英語の海に溺れていくのです。

 娘は、広く深い太平洋のような英語の海を、簡単な泳法だけで、楽しそうに泳いでいます。

■「Make=作る」じゃない

 自分が知っている言葉だけで、新たな表現を組み立てる。これができるのは、動詞や形容詞を日本語の答えではなく、イメージで把握しているからです。 「Make=作る」ではなくて、もっとぼんやりした広がりのあるイメージで捉えているのだと思います。だから、自分が使いたいように使える。日本語訳のような、「答え」がないのです。

 私もそうですが、日本人の英語学習者にとって、一番難しいのはここかもしれません。答えを追い求め、完璧な日本語訳を追い求めてきた私たち。間違いのない使い方をしたいので、「こういうときはこう言う」という例文を暗記ばかりしていました。もちろんMakeのいくつかの使い方は何度も本を読んで勉強しました。なぜかというと、それが今までの英語学習だったからです。

■母国語は「イメージ」の集合体

 でも、どうやら母国語を学ぶときは違うようです。母国語とは、イメージの集合体。Makeという動詞の意味は、あくまで「Makeみたいな感じ」なのです。その「感じ」を日本語に置き換えて5つか6つの意味の「答え」のように書かれていたりしますが、結局は元のイメージで捉え続けることが、母国語なのです。

 具体的に言うと、
 Take、Put、Make、Have、Get
 あたりがこの考え方の象徴となるものだと思います。動詞をそれぞれ、「取る」「置く」「作る」「持つ」「手に入れる」という1つの日本語訳でなく、自分がイメージできるギリギリまで使用範囲を拡げて使ってみる。決して日本語に訳すことなく、あくまでイメージで捉える。

 今日はMakeで言いたいことを全部言ってしまうぞ、くらいの気持ちでいいのです。

 私が美術学校で油絵を学んでいたころ、手元には16色くらいの絵の具がありました。すべての色を使うくらいの勢いで描いていた私に、先生は言いました。
「4色だけで描け」
 初心者である私に、16色も必要ない。4色だけでなんとか表現することで、作品に深みが生まれる。
 実際、4色だけで描いたほうが、いい作品になったりするのです。

 このように、娘はPutやMakeといった言葉を自由に使います。非ネイティブの私は「その使い方が合っているか、合ってないか」を判断する資格がないので、先生として間違いを指摘することはありません。

 そして、私自身もそういった、動詞を自由に使うことをするようになりました。その結果、柔軟性を手に入れたのです。動詞を固定した日本語訳ではなく、イメージで捉えることで、柔軟性を得たのです。


「答え」のない英語は楽しい。

■間違いを恐れずに、想像力で話そう

 想像力で話したり、自分で自由に作り変えたり、「そんな英語の話し方をしたら、ネイティブが使わないような使い方をしてしまうかもしれない」と不安になるかもしれません。

 それよりも、自分の想像力でギリギリまで使い倒すことで反射的に口から出てくることを重要視したほうがいいです。英語を「正解」があるものとして使おうとすると、間違いを恐れてしまいます。それはとても苦しい作業でいつしかやめたくなってしまうでしょう。

 たとえ間違っていたとしても「想像力」で使えば、もっと英語を話すことが楽しくなり、話す回数も増える。そして正しい英語もいつしか身についていくのです。

■「母国語」はもっとユニークなもの

 日本語訳でなく、イメージで把握している言葉は、自由自在に使えます。Makeだけで、1日過ごしたって楽しいのです。そして娘は単語の末尾を自由に変えて遊んだりします。Walkはウォーキー、Birdはバーディーといった感じです。それが楽しいからするのです。柔軟に、自由自在に言葉を使い、作り上げるのは楽しいのです。「Wow」のさまざまなバリエーションを言い合ったりするだけでも、楽しいものなのです。こういったことは、日本語でもやってきたはずなのです。母国語は、簡単で、くだけていて、ユニークです。

 正解の英語を探り当てるのではなく、自分で作っていく。
 自由に組み替えて、表現していく。

 だから、母国語として英語を学べば楽しいのです。堅苦しいものではなく、自由なものだからです。外国語を学ぶことは楽しいのです。


母国語英語は「テスト」じゃない

■テストのような英語は苦しい

 もし今、英語学習が苦しいなら、母国語として学んでいないということです。それは正解を求めるテスト的な感覚で学んでいるのだと思います。
 テストを受けているような感覚だと、人前でうまく話せません。 目の前の相手が採点者。うまくいくはずがないのです。本当は、相手を笑わせるくらいの気持ちで、オリジナルの英語表現をすればいいのです。

 だから「こういう言い方をするとネイティブは怒ります」なんていう脅しには屈しないでください。正しい英語を目指すのは、もっともっと先の話でいいのです。

■英語で話すための解答は「構えない」

 子どもは簡単に「反射的に言葉を口に出せる」能力があります。大人と比べて、あまり余計なことを考えていないからです。「構えていない」 のです。
 最初のテーマに戻ってきました。なぜ、日本人は英語が「話せない」のか? という疑問です。
 先ほど述べたとおり、日本人は正しい英語を話そうとするあまり、テストを受けるときのような気持ちになっています。「構えること」で英会話を楽しむことができなくなっている。

 これがダンマリの理由です。私自身、娘を前にダンマリしているときがありました。正しい英語を話そうと身構えていたのです。「心からあふれることをどんどん話そう」と思ったのですが、一度身構えると、心からあふれることが何なのかさえ、わからなくなります。「余計なこと」とは「正しい英語を話そうとする」ことです。

■浮かんだ英語はすべてつぶやく

 だから、身構えるのをやめたのです。身構えるのをやめるためにやったことは、Firstだとか、Oh!だとかRainだとか、なんでもいいから浮かんだ英語を口に出していくことです。意味のない英語をつぶやいたっていいのです。自分の言いたいことを英語で口にして、考え、組み立てていく。
 たとえば、私は今、カフェでパソコンのキーを叩いています。
 見上げると、雨の風景。頭の中は、
 Rain ... it's wet, white, rectangle, somebody is there
 (雨か……濡れてる、白、長方形、誰かいる)
 という感じです。

 文を作るのではなく、見たものをそのまま言っています。最初は「組み立てる」というほどでもないです。実に簡単で、シンプル。だからもどかしくならず、苦しくない。むしろ、気持ちが良い。

 これは頭の中でやっていたことですが、そうやって思い浮かんだ英語を口にしていけばいいのです。それが、身構えずに、どんどん英語を口にしていくという方法です。

■日本語で考えたいという欲求を消す

 この実践は日本人の英会話学習者にとっては大変なことのように思えます。身構えずに英語を口にしても、複雑な思考は組み立てられないからです。

 日本人の大人は、日本語で、複雑で高度な思考を組み立てられるから、それができないことにもどかしくなるのです。気持ちが悪くて、やめたくなります。そこで大半の人は諦めてしまったのではないでしょうか。でも、「英語で考える」ことは、英語学習者なら誰もが願う夢のレベルです。

 私自身、20年間も英語で思考を組み立てることにトライしては、諦めてきました。だから私が「身構える」のをやめたことは、本当に革命的なことでした。子どものように自然体で、簡単な英語で組み立て、考えるということ。日本語を抜きにして、英語だけで考えるということが、「身構える」ことをやめてできるようになったのです。

■母国語を話している状態とは?

「身構えない」という方法は、私の英語を進化させてくれました。娘を目の前にして、「何を話しかけよう」と日本語で考えず、ただ思い浮かぶ英語を口にするようになったからです。
 人を前にすると「伝わる英語」を意識してしまうはずです。それを、もっと肩の力を抜いて、出てくる言葉に身を任せるのです。それは単語だけだったり、文法的にかっちりとした文章ではなかったりします。言葉を最初に言ってしまってから、ただ次の言葉を選ぶのです。 そうしてとても自然で、「ダンマリ」のない時間を2人で過ごしています。
 例文を頭の中で思い出して、一気に口にすれば「正しい英語」は出てきますが、それは本当は、どこかおかしな状況なのです。子どものように、反射的に話せばどんどん間違えます。でも「身構えていない」それでいいのです。

 母国語として英語を習得し、母国語(英語)で考え、身構えずに反射的に母国語英語を口に出すこと。 それが日本人が英語を話せるようになる解決法です。次の章では、さらに詳しくそのメソッドについて考えてみます。

***

以降の章では、さらに詳しい習得法や、大人も学べる方法を解説しています。

<収録内容>
はじめに
1章 「母国語」として学べば、英語はもっと楽しい
2章 母国語の秘密は、リスニングにあり!
3章 大人が母国語英語を学ぶ方法1(スピーキング/発音)
4章 大人が母国語英語を学ぶ方法2(リーディング/文法)
5章 子どもに「母国語」英語を教える方法
6章 2歳で英語を話しはじめた、娘の英会話日記
子どもに英語を教えるときのQ&A
2歳半ごろまでに親が本当によく使う英会話
娘がよく使っていた英会話リスト(3歳まで)
私が娘に使っていた英語(娘が3歳まで)
おわりに

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著:沼畑直樹『娘に英語で話し続けたら、2歳で英語がペラペラになった。
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