リアルとデジタルをつなぐことが「サーキュラーエコノミー」のカギとなる?|イベントレポートvol.2
vol.1はこちらです▶︎ https://note.com/digglue_note/n/n64c96156b6ad
4/14には新しいイベントを開催予定です(参加受付中)▶︎
VCが見る国内外のサーキュラーエコノミー×スタートアップの現状
北原)ではここからは、「国内外のサーキュラーエコノミーの現状と日本のクリーンテックスタートアップ」と題して、私からお話しさせていただきます。よろしくお願いいたします。
まずは自己紹介です。私はアーキタイプベンチャーズというベンチャーキャピタルのパートナーを務めています。
アーキタイプベンチャーズは、BtoBに特化したアーリーステージ(特に、プロダクトはあるが、まだ売上は立っていないシードプラスステージ)のスタートアップに投資するベンチャーキャピタルです。ハンズオンに力を入れており、お金を出す以上に事業を伸ばしていく部分にしっかりと貢献する、そんなことをミッションにしています。
私自身のキャリアとしては、総務省で地域活性化に携わり、留学から帰国後、ボストンコンサルティンググループに入りました。そして、2019年に現職のアーキタイプベンチャーズに入りました。今年から投資を本格化させているのが、サステナビリティ、サーキュラーエコノミー、ClimateTechといった領域です。
サーキュラーエコノミーはスタートアップが今取り組むべきテーマか?
今日お話ししたいことは、これです。
「サーキュラーエコノミーは、今、スタートアップが取り組むべきテーマなのか」
今日は細かい情報をお持ちしているのですが、各スライドのメッセージを大まかにお話しし、この大きな問いを考えていきたいと思います。
先ほどの尾見編集長の話(vol1を参照)にもありましたが、サーキュラーエコノミーというのも、腑に落ちなければ話が始まりませんよね。
まずは資源消費。今の人間の資源消費というのは、地球の再生可能なキャパシティを超えているというのはよくいわれるところです。今年の資源消費でいえば、7月28日までに再生可能な資源消費のリミットを超えてしまいました。
そしてCO2排出量。モノの生産はCO2を排出します。ところが、モノづくりにおけるCO2排出は、1995年時点では全体の15%であったところから、2015年には23%まで上昇。エレン・マッカーサー財団が出しているデータでは、排出されたCO2全体の45%がモノの生産や消費によるものといいます。
では、現実はどうなっているのか。グローバルで資源投入に対して資源再生される割合はわずか8%です。100Gトンのうち8Gトンです。
とはいっても、理想としてはどうあるべきなのでしょうか。リユース、リサイクルといった言葉がありますが、どんな優先順位で構造的に進めていくべきなのか。
こちらは「バタフライ・ダイアグラム」という図です。これが示しているのは、マテリアル(モノ)が上から流れていったものをどうしていけば良いかという構造的な図です。
モノが生産され、消費され、一番下まで辿り着いたときに、廃棄ではなくてもう一度資源として循環させていく。その循環(リサイクル)も、いきなり大きなリサイクルを行うのではなくて、近いところから、つまり小さな輪で回していく。そうすることで、効率的に資源を循環させられるという考え方です。
こうした形で、サーキュラーエコノミーの課題感とアプローチについてのハイレベルなものは世の中に出回っていて、皆様もある程度はご認識されているのではないかと思います。
サーキュラーエコノミーの社会実装に必要な3要素
さて、難しいのはここからです。これをどう社会に実装していくのか?
スタートアップでよくテーマとなるのが、遅すぎたら競争に負ける、早すぎれば社会のトレンドが来る前に資金が尽きてしまう。事業化していくタイミングが非常に大事、という話です。
そのときに見るべき3つの視点があります。
「社会」「消費者」「テクノロジー」
この3つ、全ての要素が揃ったタイミングで、ようやく社会実装は進んでいきます。
では、サーキュラーエコノミーは、今どういう状況なのでしょうか?
「環境政策」としての資源循環から、「経済政策」としての資源循環へ
まずは「社会」。
日本では2000年代からリサイクル法や循環型社会形成基本計画などを進めてきました。しかしこれはサーキュラーエコノミーではなく、より下流かつ限定された「3R」の観点での取り組みです。ちなみに、3Rというのは、リサイクル・リユース・リデュースの頭文字をとった3Rです。
そうこうしているうちに欧州の方が進み出して、より包括的なフレームワークとしてのサーキュラーエコノミーの概念、そして環境政策ではなくて経済政策としてサーキュラーエコノミーを捉えた政策が出てきました。欧州を背景としてグローバルのさまざまな枠組みでサーキュラーエコノミーの潮流が作られてきています。例えばISO。
ISOの例をスライドでご覧いただいています。ISOというのは国際的な基準、標準を作っています。いくつか段階はあるのですが、プロジェクトが各要素に分解されて、登録され、各プロジェクト案が出てきて、あとは議論して承認するーーといった形で、サーキュラーエコノミーに関する国際的な標準化が進んでいます。
また、欧州での具体的な政策もご紹介します。2023年3月に公表された「持続可能な製品イニシアティブ」では、今の米中対立、ウクライナ侵攻などを踏まえて、もう一段危機感を上げてサーキュラーエコノミーに取り組んでいく、ということを公式文書の冒頭で宣言しています。
その文脈では、カーボンニュートラルという課題だけではなくて、経済安保・経済政策としてもサーキュラーエコノミーを位置付け、規則案にもかなり踏み込んでいます。
企業の情報開示でも、サーキュラーエコノミーが進んできています。今議論されている真っ最中ですが、CSRDの中の「Resource use & circular emconomy」では資源活用のアクションプラン、インフロー・アウトフローの状況などを開示していくことを求める項目を作っており、2025年以降施行されていく見込みです。
翻って日本の状況に話を戻しましょう。日本は資源循環を環境政策として捉えてきました。
そんな日本もこの数年で変わってきました。基本的には、日本も欧州と同じような大きなトレンドの中にあるわけです。「資源制約・リスク」「環境制約・リスク」「成長機会」こう分析していく中で、日本でもサーキュラーエコノミーを経済政策として捉えようとする流れが生まれました。
政府からは、こんなロードマップも提示されています。2030年までにサーキュラーエコノミーで80兆円規模の経済規模、今後10年間で2兆円の投資。
リアルの世界が絡むサーキュラーエコノミーで必要な技術とは
続いてテクノロジーです。フィンランドのイノベーション基金「Stira」が出しているレポートで、ビッグデータ、IoT、CO2回収、新素材が、サーキュラーエコノミーを構成していく技術であるというふうにいわれています。
これまでのようにソフトウェアで、インターネット上でなんとかなる世界ではなくて、「リアルが必ず絡んでくる」のがサーキュラーエコノミーです。そして、もう一つの特徴は「業界をまたぐ」こと。
そんな中でどのようにデータのルールを作っていくか、オーナーシップやセキュリティをどうするのか。
産総研が出しているまとめもあります。こちらはリアルに関わるテクノロジーです。マテリアルリサイクル・ケミカルリサイクル・資源の分離回収、循環システム。そうしたものについてのロードマップが報告されています。
また、欧州でも技術ロードマップ、ビジネスモデルロードマップの作成が進んでいまして、2022年度中に出るとされています。
「サステナブル」に対する消費者の購買マインドの変化
最後に、消費者です。これは日本のデータです。
サステナビリティ、サーキュラーエコノミーに対しての消費者マインドはどうなのでしょうか。「ミニマル」「ロングライフ」「サーキュラー」といったサステナブルな消費行動に対して、若い世代ほど購買行動傾向が高くなっています。消費者のマインドセットも変わりつつある、ということは言えるのではないかと思います。
「これから」だからこそ、スタートアップにチャンスがある領域
ここまで、「社会」「テクノロジー」「消費者」の変化を見てきました。
お分かりいただけるように、特に「社会」面においてはサーキュラーエコノミーに対する流れはかなり強まってきています。ただし、十分な要素が揃っているとまではいえないかもしれません。
この、"要素が揃い切っていない”というのも、スタートアップにとっては重要なんですよね。つまり要素が揃い切ってからでは「遅い」。すでにニーズが明確で、社会制度になっていたとしたら、資本力がある大手企業や、海外企業の進出が進む状況になってしまい、スタートアップが勝負できる局面ではなくなってしまいます。
流れが来ているが、夜明け直前であるーー今の状況というのはまさに、スタートアップにとって取り組む余地のあるということになるのではないかと思います。
ユニコーン企業も出始めている
最後に、サーキュラーエコノミーにおける、スタートアップとベンチャーキャピタルの情報をご紹介して終わりにします。
2021年にClimateTechに向けたVC投資は21億ドルなされました。これは大きな金額です。
加えてサーキュラーエコノミーに特化したVCも勃興してきています。これまでは伝統的なVCでサーキュラーエコノミーにも投資している、というのが多かったのですが、サーキュラーエコノミーに特化したVCが出てきているんです。
Regeneration.VC
CLosedLoop partners
Circulate Capital
スライドではこの3社を紹介しています。
そうしたことも踏まえて、グローバルではかなりの数のスタートアップが生まれています。
こちらはカオスマップにまとめたものです。この図の見方は、左側から流れていくように見ていただくのですが、まずは素材があり、それをデザインして生産し、購買して消費して、最後にそれを回収して再資源化していく。真ん中に、それをトラッキングしていく、最後に消費者の行動。
赤で囲ってある企業はユニコーン企業です。
1,000億円以上のバリューがつくような企業が、各領域に出てきていることが分かります。
そして日本。
日本のスタートアップのカオスマップも調査して作成したのですが、日本でも多くのサーキュラーエコノミーに関するスタートアップが出てきていることが分かります。
有名な企業としては、石灰石を利用したプラスチック代替素材を開発しているTBMさん。今回の登壇企業であるdigglueさんはトラッキング/トレーサビリティのところに位置付けています。
「社会」「テクノロジー」「消費者」のトレンドの変化と、そして現実のスタートアップやベンチャーキャピタルの状況。まさにこれからサーキュラーエコノミーが進んでいく中で、スタートアップが活躍していく素地が作られつつあるのではないでしょうか。
最初の問い「サーキュラーエコノミーは、今、スタートアップが取り組むべきテーマなのか」、まさに今こそが、チャンスだろうというのが、私の結論です。
ーーありがとうございました! 続いて、digglue CEO原の登壇です。
サーキュラーエコノミーのスタートアップdigglueが、事業として進めるリサイクル
株式会社digglue(ディグル) CEOの原と申します。私からは、「国内のCleanTechが挑むサーキュラーエコノミーの新時代」として、スタートアップからの視点でお話しさせていただきます。
digglueは「テクノロジーで持続可能な世界を実装する」というパーパスを掲げて、サーキュラーエコノミーのDXをやっている会社です。具体的に何をしているかと言いますと、いろんなことをしております。今日はいくつかの大企業とのプロジェクトを紹介した後で、現在開発している自社プロダクトを紹介します。
まず、東京都の実証プロジェクト「みんなのボトルリサイクルプロジェクト」を紹介します。こちらは、花王さん、ユニリーバさん、P&Gさん、ライオンさんといった大手日用品メーカーと一緒に、シャンプーボトルを自治体で回収し、再資源化してボトルに戻すための実証実験をしています。
プラスチックの中でも、ペットボトルですとBottle to Bottleのリサイクルはやりやすいのですが、シャンプーボトルはさまざまな種類のプラスチック原料を混合した素材を使っていたり、香りがついてしまったりします。つまりリサイクルのハードルが高いのです。
このプロジェクトの中で、私たちdigglueはリサイクル材料のトレーサビリティ(追跡)システムの開発をしています。
次に、こちらも東京都の実証で、「建設現場における廃プラ可視化マテリアルリサイクルプロセス確立」プロジェクト。こちらは高砂熱学工業さん、ダイキンさんとご一緒に進めており、先月東京都より「革新的ビジネスモデル実証事業」に採択されました。
建設現場で排出されるプラスチック類は実はかなり多いのです。例えば梱包材など。その廃プラスチックをリサイクルしていくために、デジタル技術を使っていくプロジェクトです。IoTなども組み合わせて非常におもしろい仕組みづくりを進めています。
次に環境省の実証で「太陽光パネルのリユース・リサイクル管理情報デジタルプラットフォーム」プロジェクト。こちらは丸紅さんが進めているプロジェクトに、弊社がシステム開発とコンサルティングで入っています。
太陽光パネルというのは、20年ほど前に普及して広まったのですが、そこから20年経った今、使われた太陽光パネルの大量廃棄のタイミングがやってくることが予想されます。それらをリユースやリサイクルできるプラットフォームを作っていくプロジェクトです。
続いて、「農産物・日本酒のトレーサビリティシステム構築」プロジェクト。こちらは、私たちは、SBIトレーサビリティさんの「SHIMENAWA」というサービスの、システム開発を担っています。これは後にお話するDPPに関係する技術を含んでいるので、また説明します。
欧州からDPP(デジタル・プロダクト・パスポート)の導入が始まることを見越して
さて、先ほどの北原さんのお話にも出てきましたが、スタートアップにとって「Why now?」は非常に重要です。なぜ、今なのか。
欧州で2022年3月「エコデザイン規則(ESPR)」が発表されました。この動きに私たちは注目しています。これが、私たちの「Why now?」に繋がっていくのではないか。
この「エコデザイン規則」を簡単に説明すると、欧州でモノを販売するときに、この規則に則っていないと販売できないというレギュレーションなんです。このレギュレーションの一つがDPP(デジタル・プロダクト・パスポート)というもので、これはモノに対してパスポートのように情報を付与しなくてはならないというルールなんです。
例えばQRコードなどを用いて、デジタルデータとして読み取れるような情報をモノに付与していく。その情報とは、製品情報、ロット情報ーーこれらは、メーカーが自社の情報として容易に取得できます。トレーサビリティ情報、CO2排出情報、リサイクル材の情報などーーこれらは自社内では完結しなくて、サプライチェーン上の情報を取得しなくてはなりません。これは途端に難易度が上がる話です。
もちろんDPPの施行はまだ先の話ではありますが、それでも数年以内に動き出すでしょう。欧州のみならず、欧州に入ってくるモノ全てが対象になりますから、モノを輸出している場合には、日本企業にも対応が求められます。では、すぐに対応ができる内容かというと、そうではないわけです。先ほどもいったとおり、サプライチェーン上の情報も取得しなくてはならない。そうなると、企業を超えてのデータ連携が求められるのですから。
DPPの対応にはトレーサビリティが必須になる、というわけなのですが、ここでトレーサビリティについて少しご説明します。トレーサビリティとは、「追跡可能性」という意味です。ある製品がどこで製造され、どのようなルートを通ってここにあるのかをたどることのできる情報のことです。このトレーサビリティを担保していくための技術として、IoTとブロックチェーンが鍵になっていきます。
先ほど私たちが紹介したプロジェクトの中で、「農産物・日本酒のトレーサビリティシステム構築」というのがありました。これは輸出される日本酒の偽装問題を、IoTとブロックチェーンで解決しようとする取り組みなんです。日本酒というリアルのモノの状態(開封or未開封)を、IoTを用いてデジタル情報として取り込み、ブロックチェーンに書き込むことで真正性を保ち、かつセキュリティ上の安全性も保って、物流の中で企業を超えて上流から下流までデータを運ぶトレーサビリティシステムを作っています。私たちが担当しているのはこのシステムの開発です。
さて、そんなdigglueが、DPPなどの流れも見越して開発している自社プロダクトが、資源循環DXシステム「MateRe(マテリ)」というものです。リサイクルされる資源をデジタル上の情報として書き込み、ブロックチェーン技術等を用いてトレーサビリティを担保した、品質や安全性・出処の情報を遡れるリサイクル材として再生させていくための、デジタルプラットフォームです。
化学メーカーを中心とした資源循環システムの開発
では、こうしたサプライチェーンのデジタルプラットフォームを構築する取り組み、国内では他にどういった企業がしているのでしょうか。「MateRe」も対象としている廃プラスチックに絞り、ご紹介してみたいと思います。実は、大手化学メーカーではこの重要性に気づき、すでにシステム系の企業と提携して開発・実証が進んでいます。
📝三菱ケミカルの取り組み
三菱ケミカルは、2021年8月に大日本印刷・リファインバースと、バイオマスやリサイクル原料のトレーサビリティと、各サプライヤーのCO2排出などライフサイクル評価を可視化するため、オランダのスタートアップCircularise社のシステムを採用することを発表。
https://www.m-chemical.co.jp/news/2021/__icsFiles/afieldfile/2021/08/25/spctraceabilitysystem.pdf
📝住友化学の取り組み
住友化学は、レコテック社が進める「POOL」プロジェクトの参画企業(資源再生の可否検討・工程の検討など)。「POOL」プロジェクトは、東京都実証事業として、商業施設からのプラスチックごみを回収し、トレーサビリティをつけながらリサイクル材へ再生している。
https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/resource/recycle/single_use_plastics/circular_innovation.files/POOL_PJ_TOKYO_report.pdf
住友化学は環境負荷低減プラスチックのブランド「Meguri®」も立ち上げている。
https://www.sumitomo-chem.co.jp/circular-plastics/
📝三井化学の取り組み
三井化学は、2021年4月に日本IBMとブロックチェーン技術を活用した資源循環プラットフォーム構築を発表。モノマー・ポリマー等の原材料から製品の製造・販売・使用、及びその後に回収から解体・破砕を経てリサイクル原料となり製品製造に再利用されるまでの追跡が可能に。
https://jp.mitsuichemicals.com/jp/release/2021/2021_0426.htm
このシステムを利用しトレーサビリティを担保した再生プラスチックを2022年2月に石塚化学産業が実証販売開始。
https://jp.mitsuichemicals.com/jp/release/2022/2022_0201.htm
📝旭化成の取り組み
旭化成は2021年5月に「BLUE Plastics」プロジェクト開始を発表。日本IBMの技術支援を受け、リサイクルチェーンの可視化を行い、一般消費者のリサイクル行動の変容を促す。
https://www.asahi-kasei.com/jp/news/2021/ze210524.html
2022年7月にはファミリーマートで一般消費者が参加できる実証実験、産業由来の再生プラスチックの利用促進システム開発を開始。
https://www.asahi-kasei.com/jp/news/2022/ze220706.html
https://www.asahi-kasei.com/jp/news/2022/ze220728_2.html
MateRe|何が廃棄され、何がリサイクルできるのか。まずは可視化から、行動へ
そんな中で、弊社は独立系のスタートアップとして、新たなリサイクルプラットフォームを構築しようとしています。MateReが目指しているものと、現状の課題をお話しします。
一言でいえば「サーキュラーエコノミー × DX」。
企業から排出される廃棄物を可視化しトレーサビリティを記録して、もう一度再生資源として工場に卸していくサービスです。工場から出るものを、また工場へ。
「MateRe」は、これを3つのプロダクトに実現していこうとしています。
これまで大企業の受託案件をやってきた私たちのインサイトとして、コンサルティングで入らせていただいた工場で、本来リサイクルできるものを、廃棄物として捨てていた(しかも、産業廃棄物処理にコストをかけて、です)という実態を知りました。これは、もったいない。
何が排出されていて、何がリサイクルできるものなのか。まずはそれを可視化することによって、「では、リサイクル率を上げるには / 生産過程のコストを削減するには / 持続可能な生産体制に変えていくには」どうしたら良いのかという次のステップに繋げることができるんです。
工場から工場へ、となると、メリットもあります。それは、由来やプラスチック素材のはっきりしたものを再生資源として調達側にお届けできるということです。それを担保するのが、ブロックチェーン等の技術で真正性の保たれたトレーサビリティシステムです。
サーキュラーエコノミー × DXの実現は、リアルの世界で使われてこそ
最後にサーキュラーエコノミー × DXを実現するにあたって何がポイントとなるのか、まとめてみたいと思います。
①デジタルで再生材に環境価値を見える化すること。
②ビジネスとして成立させること。
③実際に現場で回してみること。
この3つです。DPPの流れの中でトレーサビリティは今後ますます重要になってきます。もちろんこれまでも重要ではあったのですが、社会的な要請が強まることが予想されます。そして事業として持続的に行っていくにあたり、ビジネスとして成り立たせる、これも重要です。社会のエコシステムの一部に、サーキュラーエコノミーの事業を組み入れていくんです。
そして、サーキュラーエコノミーはリアルの世界の問題です。一方で、デジタルの技術を使うことによって、より効率的に、よりスムーズに実現できることが山ほどあります。見えなかったものが見えていくし、つながっていなかった解決策がつながっていきます。リアルとデジタルをつなぐこと、現場できちんと使ってもらうこと。これが最後のポイントです。
vol.2をお読みいただき、ありがとうございます!
イベントレポートはvol.3に続きます👀
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