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野菜に必要な栄養素

こんにちは。管理栄養士のTany.(タニィ)です。

人間に必要な栄養素を三大栄養素(たんぱく質、脂質、炭水化物)や五大栄養素(たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル)と呼ぶのと同じように、植物にも生長していくために必要な栄養素があります。
そこで今回は、野菜=植物の一部として、植物が生長するために必要な栄養素は何か?について書いていこうと思います。
ですので、野菜だけでなく、お花や野草にも適用できるかと思います。

植物に必要な栄養素とは?~初級編~

植物の種は発芽するまでに必要な栄養素を持っています。
ですから①水②酸素③温度がその植物にとって適切であれば発芽できます。
(④光が 必要なものもあります)
芽が出た後に必要となる基本的な栄養素は①たんぱく質、アミノ酸源となる窒素(N)②植物の細胞やエネルギー物質の一部になるリン(R)③植物の細胞での活動に必要なカリウム(K)の3種類です。
そしてそこに、④空気中のCO₂の炭素(C)、⑤水(H₂O)の水素(H)を合わせて5種類となります。
植物は④と⑤を使って光合成等を行い、炭水化物(糖、でんぷん)や脂質を作っています。
大まかにはここまでで人間でいう三大栄養素を作ることができます。

植物に必要な栄養素とは?~中級編~

植物には必須栄養素が①~⑤を含めて17種類あります。
その内、N:窒素、P:リン、K:カリウム、C:炭素、H:水素、O:酸素、S:硫黄、Ca:カルシウム、Mg:マグネシウムの9種類を多量必須養素、Fe:鉄、Mn:マンガン、B:ホウ素、Zn:亜鉛、Cu:銅、Mo:モリブデン、Cl:塩素、Ni:ニッケルの8種類を微量必須養素と呼んでいます。
これらは土壌から根を通じて植物に取り込まれていきます。

自然の野山では肥料などを施さなくても、もともと土壌に含まれている、「天然供給養分」によって毎年草木が育つことができます。しかし広い田畑で営農し同じ作物を毎年栽培しているところでは高い収量を上げ続けることも求められるので、土地面積当たりの収穫時の持ち出し(野菜など)が多くなり、残った養分と自然から供給される養分だけでは、栄養素が不足します。その不足分を補うために肥料が必要とされています。
では肥料を多く施せば施すほど収量が上がるのかというと、そう単純な話ではありません。ある程度のところでアタマ打ちとなります。それは栄養素や、光、温度、水分、空気などの環境要因も含めて最も不足しているものが影響するからです。
これを「最少(養分)律」といいます。

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また肥料を与えすぎると、人間と同様にメタボ状態の野菜ができる可能性があります。
(大きいけれど味が薄い、栄養価が低いなど。)
私は野菜づくりに関しても、外見(大きさや見た目のきれいさや)だけではなく、中身(栄養価の高さ)について考えていきたいと思っています。

今回はここまでにして、
次回は上級編として各栄養素や野菜の種類による違いの話をしていきたいと思います。

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≪参考文献≫
一般社団法人 日本種苗協会・監修 「図解でよくわかる タネ・苗のきほん」、2017
一般財団法人 日本土壌協会・監修 「図解でよくわかる 土・肥料のきほん」、2014

≪参考資料≫
https://www.maff.go.jp/
農林水産省

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