たんぱく質を多く摂ってもアミノ酸スコアが100に近くなければ効率的じゃない理由
人間は毎日、身体のたんぱく質の約1~2%を分解し、ほぼ同量のたんぱく質を合成しています
体重60kgの人であれば、15%がたんぱく質として一日に分解される量はおよそ180gです
分解しても合成されるので、身体が小さくなったり大きくなったりはしないのですが、上手に効率良く合成しないと、たんぱく質を摂取しているつもりが脂質を蓄えちゃったってことになりかねません
そこら辺のメカニズムを説明しましょう
「アミノ酸スコアとは」
たんぱく質の「質」を評価するときに使用されるものに「アミノ酸スコア」というものがあります
「アミノ酸スコア」とは、食品に含まれる必須アミノ酸(体内で生成できないアミノ酸)が必要量を満たしているかどうかを表す数値で、全ての必須アミノ酸が必要量を網羅出来ていれば「100」となります
例えばゆでうどんのアミノ酸スコアは51です
これはゆでうどんに含まれる必須アミノ酸のうち、「リジン」が必要量の50%しか含まれていないからです
ゆでうどん200g当たりのたんぱく質は5.2g
アミノ酸スコアが「51」ということは、その5.2gのたんぱく質のうち、51%しか合成に使用されないという事
すなわち、うどん200gを食べて5.2gのたんぱく質を摂取したつもりでも、アミノ酸スコア51のうどんなので0.51gのたんぱく質しか合成に使用されない・・・
ん?残りの4.69gはどこにいくの???
合成に使われなかったたんぱく質の行方
合成に使用されなかったたんぱく質は、代謝にまわります
たんぱく質の代謝は複雑で、生理活性物質(ホルモン)などの合成材料となったり、もちろんエネルギー代謝にも回ります
エネルギー代謝の場合、糖代謝経路に入り、アミノ酸転移反応を経て炭素骨格が異化されます
その後、糖原性アミノ酸は糖新生経路で血糖となり、ケト原生アミノ酸はアセチルCoAとなりクエン酸経路で酸化されます
なぁんだアミノ酸スコアが100じゃなくても代謝されるなら大丈夫♪
ではないんです!!
代謝経路ですべてがエネルギーに変換されればなにも問題ないのですが、現代人の問題はここから!
このケト原生アミノ酸から生成されるアセチルCoAは、消費されず過剰となると「脂肪酸生合成の材料」となり、「中性脂肪」を生成するのです
ほんと、動物の身体ってすごいです
たんぱく質として摂取して、脂肪として貯蓄してしまうんです
「筋肉を付けたい」
「体脂肪を落としたい」
「だから炭水化物を控えてたんぱく質をたくさん摂取する!!」
間違いではありませんが、注意が必要ってことです
じゃあどうすれば良いの?
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