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カンピロバクターについて

暑くなってきましたね
これからの季節は、気温や湿気が上昇することで、食中毒事件が増えてくる時期です
屋外でバーベキューをする機会も増えるこの時期に耳にすることが多くなるのは「カンピロバクター」による食中毒です

このカンピロバクターは家畜の腸管などに常在し、特に鶏肉に多く見られる食中毒菌です

一般に「加熱が不十分な肉を食した時に食中毒になりやすい」
と思われていますが、実際は
「加熱する工程での生肉の扱い方で菌を体内に取り込んでしまう」
という事も起こっています

例えば
・生肉を扱った菜箸やトングで出来上がりの料理を盛り付ける
・生肉を切ったまな板で生野菜を切る
・生肉を触った手で食器を扱う
etc.

ちょっとしたことで防げるのですが、どういった工夫をすれば良いのか、ご家庭では面倒だったり、不明な点もあるかと思います

食中毒の三原則は
・つけない
・ふやさない
・やっつける
です

「つけない」は、生肉の取り扱いについて
手袋を使用して取り扱うことも一つ。菜箸やトング、まな板、包丁などは使用するたびにしっかりと洗浄、消毒するか、肉用のものを用意し、他の食材と区別するのも良いです

「ふやさない」は温度管理
買い物から帰宅したら、まずは冷蔵冷凍にしっかり保存すること
また、冷蔵庫の中も清潔にし、生肉と他の食材が接触しないように工夫が必要です

「やっつける」は加熱です
カンピロバクターは65℃以上で完全に死滅します
鶏むね肉やもも肉の肉厚な部分はなかなか火が通らない部位です
火加減に注意し、しっかり中まで火を通しましょう
生肉やたたき等を食することはリスクが大変高い食べ方です
よく「新鮮だから大丈夫」とか言いますが、カンピロバクターは嫌気性です
嫌気性とは「空気との接触を嫌う」ということ
新鮮ということは、肉が空気に触れて間もないということですよね
新鮮な鶏肉ほどカンピロバクターは多く存在していると思って下さい

「カンピロバクターに感染しても、お腹を壊すくらいでしょ」
とお思いの方、実はその先にとっても怖い経過が待っているかもしれません

それは、「ギランバレー症候群」です
カンピロバクターに感染したことをきっかけに発症すると言われいている神経炎です
運動神経が障害され、足や手に力が入らなくなり、重症の場合は呼吸器も侵され呼吸器が必要となる場合もあります

日々ニュースで様々な食中毒事件を耳にします
私たち大量調理に携わる職種は、衛生管理についてしっかりと知識を身につけています
それでも、病院や高齢者施設、保育所で、年間49件食中毒事件が起こっています
さらに、飲食店での件数は489件です
※厚生労働省HP 「令和5年度 食中毒発生状況」より

抵抗力の弱い高齢者や幼児では症状が重篤化することもあります
まずは手洗いをしっかりすること
健康な身体があってこその美味しい食事です!!


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