diesuk(田中大輔)

フェス、ライブ、音楽、映画、読書、ビール、日本酒、日本ワイン、かわいいもの、水玉、遊び…

diesuk(田中大輔)

フェス、ライブ、音楽、映画、読書、ビール、日本酒、日本ワイン、かわいいもの、水玉、遊び心のあるものが好き❤︎日経MJ・DIME・週刊新潮などでビジネス書を紹介してきた元書店員、現出版営業。HONZレビュアー。Anarchy in the diesuk!

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『風の森を醸す』風の森と日本酒の歴史

清酒発祥の地、奈良県に「風の森」という日本酒を醸す酒蔵がある。その名を油長酒造という。今年で創業300周年を迎えた酒蔵だ。300周年を記念して蔵元の山本長兵衛が日本酒と油長酒造の歴史、そして「風の森」の魅力を記した本を発売した。 コロナ禍になる前、私はライブイベントなどに日本酒をよく持っていっていた。その時によく持っていった日本酒のひとつが「風の森」だった。日本酒をあまり飲んだことがない人にも、おいしいと思ってもらえるお酒だと思ってセレクトしていた。 なかでも「風の森 A

    • 『最悪の予感』穴だらけのスライスチーズ

      世界最大の「コロナ敗戦国」になったアメリカ。新型コロナウイルスの感染者数は3440万人。死亡者数は61万人を超えた。これは第一次世界大戦と第二次世界大戦、そしてベトナム戦争で亡くなった死者の合計よりも多い。CDC(疾病予防管理センター)やトランプ前大統領が楽観的だったこともあり、初期対応がまずかったのは間違いない。しかしアメリカは新型コロナウイルスに対して無策だったのか?実はそうではなかったのだ。 アメリカで感染者が出始めた頃に、パンデミックを予期し、対策を立案して、コロナ

      • 『新政の流儀』刊行記念トークショー書き起こし (後編)

        4月17日に六本木蔦屋書店で開催された『The World of ARAMASA 新政の流儀』の刊行記念トークショーで話されていた話をシェアします。文章として読みやすいように、一部、私が意訳をした部分もあります。 前編はこちら。後編は今年の酒造りなどの話です。 今年の酒造りについて 馬淵 せっかくだから、本から外れた話もしていきたいと思います。今年の酒造りはどんな傾向があったんですか? 佐藤 今年の酒造り……。あれ?俺たちのXもあるんだっけ? 馬淵 我々は六本木のウ

        • 『新政の流儀』刊行記念トークショー書き起こし (前編)

          4月17日に六本木蔦屋書店で開催された『The World of ARAMASA 新政の流儀』の刊行記念トークショーで話されていた話をまとめました。文章として読みやすいように、一部、私が意訳しています。前編は『The World of ARAMASA 新政の流儀』の裏話的な話です。 『The World of ARAMASA』が作られた経緯 馬淵 こんにちは。『The World of ARAMASA』を編集しました馬淵と申します。 佐藤 新政酒造の佐藤祐輔でございます

        『風の森を醸す』風の森と日本酒の歴史

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          深遠なる新政の世界『The World of ARAMASA 新政の流儀』

           日本酒の新時代を牽引する酒蔵がある。新政酒造だ。秋田にある酒蔵で「No.6」「ラピス-瑠璃-」「亜麻猫」などの日本酒を醸している。ネーミングセンスが独特で、変わったところでは、宮沢賢治の作品名から採った「農民芸術概論」や、ギヨーム・アポリネールの作品から採った「異端教祖株式会社」といったお酒も造っている。新政は熱狂的な人気を誇る酒蔵だ。人気すぎて需要と供給がマッチしておらず、年々購入するのが難しくなっているお酒だ。 その新政酒造のすべてを1冊にまとめたヴィジュアルブックが

          深遠なる新政の世界『The World of ARAMASA 新政の流儀』

          まるでホラー映画みたい『妻がマルチ商法にハマって家庭崩壊した僕の話。』

          この本はある種のホラーである。もし自分の彼女や親しい友人がマルチ商法にハマったとき、周りの人間はこんなにも無力なものなのだろうか? マルチ商法にハマるのなんて情弱! 自業自得だよね。みたいな認識が自分にはあったのだけれど、この本を読んでその認識を改めた。著者はいう。 SFやホラーで気がつかないうちに、周りの人が宇宙人や人造人間に身体を乗っ取られていて別人になっていた。ということがあるけど、マルチ商法にハマった妻をみていると、その様を彷彿とさせる。マルチ商法にハマったことで人

          まるでホラー映画みたい『妻がマルチ商法にハマって家庭崩壊した僕の話。』

          『AとZ アンリアレイジのファッション』ANREAL+AGE

          アンリアレイジのデザイナーである森永邦彦が、ファッションの原点だと語るのは、予備校で絶大な人気を誇ったカリスマの西谷昇二先生に見せられた一着の服だという。『アバウト・ア・ガール』と名付けられたその服を作ったのは、早稲田大学に入学したカンダケイスケという学生だった。 森永は授業の後に、その服が見たくてたまらず、西谷先生のいる講師室に駆け付けた。普段は先生が話す10分の物語の続きを聞きたいと願う受験生で、長蛇の列ができる講師室に、その日、訪ねたのは森永、一人だったという。 西

          『AとZ アンリアレイジのファッション』ANREAL+AGE

          アメリカのいまが見えてくるMUSIC『ディス・イズ・アメリカ』

            『ディス・イズ・アメリカ』はTBSラジオの「ジェーン・スー生活は踊る」「アフター6ジャンクション」「荻上チキSession-22」などで放送した音楽特集から、アメリカの政治的・社会的トピックに関連する解説を抜粋し、さらに音楽メディアに寄稿したコラムや評論などをまとめた本だ。激動する近年のアメリカ社会の中でポップミュージックが何をうたってきたのか?を「グラミー賞」を軸にしてまとめている。 新時代の女性のエンパワメントアンセムを歌うアリアナ・グランデ。美しさの価値や基準は自

          アメリカのいまが見えてくるMUSIC『ディス・イズ・アメリカ』

          祐輔さんはヘビメタ好き?!新政No.6 R-type Essence2019の名称の元ネタはこれだ!

          新政No.6 R-type Essence 2019の名称についての考察です。 祐輔さんのツイートから元ネタは曲のタイトルだということがわかります。 1. Banish from Sanctuary ブラインド・ガーディアン https://open.spotify.com/track/4BZQobsTdUDnddCgzu1lkM 2. Free Wheel Burning ジューダスプリースト https://open.spotify.com/track/6aQBza

          祐輔さんはヘビメタ好き?!新政No.6 R-type Essence2019の名称の元ネタはこれだ!

          新政 No.6 S-type Essence2019の名称は小説から取ったもの?!

          続いて、No.6 S-type Essence 2019の元ネタについて紹介していきます。 こちらも新政の佐藤祐輔さんがツイートしていました。ツイートを見ると、S-type Essenceの名称はどれも小説のタイトルからとっているものだということがわかりますね。英語だとわかりづらいので、日本語のタイトルを追加しました。 1. 1984 『1984』ジョージ・オーウェル 2. Neuromancer 『ニューロマンサー』ウィリアム・ギブスン 3. Crash 『クラッシュ』

          新政 No.6 S-type Essence2019の名称は小説から取ったもの?!

          新政 No.6 X-type Essence 2019の名称はあの有名なブランドから取ったものだった?!

          昨日、Twitterで新政のX-typeのEssenceの名称についての考えを書いていたら、今日、新政の佐藤祐輔さんがTwitterで名称を紹介してくださってました。なんて偶然。 予想した通り、X-type Essenceの名称はデザイナーの名前でしたね。以下にロットの名称とそのブランド名をまとめます。なお()内は自身のブランド以外でクリエイティブ・ディレクターを務めているブランドの名前です。 1. McQUEEN → アレクサンダー・マックィーン 2. Demeulem

          新政 No.6 X-type Essence 2019の名称はあの有名なブランドから取ったものだった?!

          2020年のNo.1ビジネス書はこれで決まり!?『ワークマンは商品を変えずに売り方を変えただけでなぜ2倍売れたのか』

          もしかすると本書は20年代を代表する企業の経営について書かれた初めての本になるかもしれない。まだ7月だが今年のベストビジネス書はこの本で決まり?と言ってもいいくらい素晴らしい本だった。小売業で働く人は必読の1冊である。いまや日本を代表する企業となったユニクロを追い抜くかもしれない企業が現れたのだ。その名はワークマン。作業服専門店で知られるあのワークマンである。そのワークマンの経営について書かれた本が本書である。 今年、創業40周年を迎えるワークマンは快進撃を続けている。国内

          2020年のNo.1ビジネス書はこれで決まり!?『ワークマンは商品を変えずに売り方を変えただけでなぜ2倍売れたのか』

          主人公は君だ『2020年6月30日にまたここで会おう』

           2019年8月に病のため47歳の若さで亡くなった瀧本哲史さん。彼はずっと若者世代である「君たち」にメッセージを送り続けてきた。『2020年6月30日にまたここで会おう』は、瀧本さんが2012年に東京大学伊藤謝恩ホールで行った講義を1冊にまとめたものだ。生徒の参加資格を29歳以下に限定し、全国から約300人の10代・20代が集結したという。2時間にわたる講義の内容が収められている。 当時10代・20代だった人だけでなく、この本は多くの人に読んでほしい。タイトルをみるだけでは

          主人公は君だ『2020年6月30日にまたここで会おう』

          弱い心を何度も叱り、金かりに行く『文豪と借金』

           文豪と借金というのは切っても切り離せないものなのだろう。石川啄木、内田百閒、川端康成など、借金にまつわるエピソードを持つ文豪は枚挙に遑(いとま)がない。なかでも有名でゲスの極みといっても差し支えないのは石川啄木であろう。 親友の金田一京助をはじめ、借金に借金を重ねたあげく、金は返さずに踏み倒し、妻子に金をやらずに、手にした金で女遊びに明け暮れていた。本書にはそんな石川啄木の借金メモが掲載されている。メモをみると60名あまりから1372円を借金していることがわかる。いまのお

          弱い心を何度も叱り、金かりに行く『文豪と借金』

          『本を売る技術』本屋における暗黙知がこの1冊に!

          書店員の仕事にはマニュアルがなく、口伝や仕事を盗んで覚えるしかないと言われてきた。そんな中『本を売る技術』という本が売っていたので買ってみたところ、本書には自分が書店員になったときに口伝で教わったことや、誰からも教わることなく、働いていた間にトライ&エラーを繰り返して、最適解だと思ってやっていた技術が書かれていた。本書を読み終えたとき、書店員になったときに、この本があれば、あんなに苦労しなくても済んだのに! という思いが強く残った。 書店を辞めてから5年近くが経ち、だんだん

          『本を売る技術』本屋における暗黙知がこの1冊に!

          『百戦錬磨』イッテンヨン・イッテンゴに新日社長の本を読む

          1月4日は新日本プロレスにとってお祭りの日だ。毎年イッテンヨンと銘打って東京ドームで試合が行われている。今年はイッテンヨン、イッテンゴと2日連続で東京ドーム興行が行われる。普段であればメインイベントになるベルトをかけた戦いが、いくつもの試合であるという1年で1度のお祭りだ。そんな日にレビューするのは新日本プロレス(以下「新日」)の社長が書いた『百戦錬磨』だ。 私は一昨年から新日にはまっている。きっかけが何だったかは思い出せないが、新日本プロレスワールドという動画配信サービス

          『百戦錬磨』イッテンヨン・イッテンゴに新日社長の本を読む