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「ロックってなんだっけ?」Olivia Rodrigoの新アルバム「GUTS」に込められたロック愛を思いっきり受け止めたい!!

9月にリリースされたこのアルバムをほぼ毎日聴いています。

Olivia Rodrigo 「GUTS」

前作のデビューアルバム「SOUR」を聴いた時から、彼女に虜状態の私ですが。



新アルバムをめちゃくちゃ楽しみにしていました!!

1枚目の「SOUR」はコロナのパンデミック中のリリース。そんな中でも、10代の女性たちをはじめとした世界中の人たちのの心をつかんで一躍トップアーティストに躍り出た彼女の曲は、


以前もこんな風にブログで書きましたが、普遍的なシンガーソングライター的な曲の良さに加えて、

ロックからの影響を感じる彼女の伸びやかでたくましい表現力に胸を撃ち抜かれてから、私も夢中で聴いたアルバムでした。


日本でのライブは叶わなかったけれど、「SOUR」をひっさげたアメリカ国内やワールドツアーも大成功。今はSNSで即時でライブの様子が確認できるのでインスタなどで追いかけてましたが、


このブログでも書いたんですけど、とにかく女子の合唱が凄まじくて、会場によってはオリヴィアの声が聴こえないくらいの熱狂ぶり。ビリー・アイリッシュやフィービー・ブリッジャーズのようなアーティストと比べても、その合唱ぶりはハンパなくて、とても嬉しいものでした。

そんなオリヴィアの2ndアルバムは「SOUR」から約2年半の時を経てリリース。

1stのリリース時とは世間の取り巻く状況もガラッとかわり、世界中の期待を受けながらの制作は大変だったと思いますが、SNSからの小出しにされていた近況を見ていると「SOUR」の時と同じように、基本は

彼女の音楽的パートナーのプロデューサー、ダン・ニグロと二人での制作の様子が伝えられて、曲作りの根本は変わらず制作されている感じが伝わってとても嬉しかったです。
ここは彼女の音楽の肝だと思うので、理由はまた後で書きたいと思います。

先行シングルの「vampire」と「bad idea, right?」を聴きながら、期待を膨らませるだけ膨らませて待ち続けて、リリース当日に全曲通して聴いた時の感触は

初聴きしたリリース当日もインスタに投稿したのですが、もう最高に嬉しい内容で夜中なのに狂気乱舞状態!!(笑)

「あーもう好き好き!オリヴィア大好き!前作より好き!!」


とすぐに2回目をリピートして寝たのは真夜中状態でした!!
まさに行動が10代の女子と同じですね。40代なんだけど(笑)。


1曲目の「All-American Bicth」はソングリストでタイトルを見た時から、「なんちゅータイトルなんだ。いったいどんな曲だよ。」と思っていましたが、こちらの期待をはるか上回る正直な歌詞と、フォークかのような柔らかな歌いだしと、いきなり始まるヒリヒリしたロックサウンドと絶叫のミックスが完璧な1曲で「あーーー!!待っててよかったーー!!!」と心から思いました。

先行シングルに選ばれた「bad idea right?」をリリースした時から「あ、よりロックな曲も作ってる」という印象がありましたが、私はこの曲が本当に大好きで。
彼女の得意と思われているようなメロディを歌い上げる曲じゃなくて、思いっきりロックなバックサウンドに淡々と歌詞を読むような表現で遊び心が詰まった1曲。しかも元カレとつい寝ちゃうダメ女な自分を茶化すような、こんな曲をシングルに持ってきたあたりでも「今までよりもよりロックな面を出してくるのかな」と予感させてくれて嬉しかったのでした。


「vampire」、「Lacy」、「maiking the bed」といった彼女の大ヒットのきっかけになった前作の「driver’s license」の系統を汲むようなバラード曲も、よりメロディアスで曲の良さを追求したような印象。アレンジも曲調に合わせて、シンプルなものもあれば大きなロックバラード風なアレンジもあって、より多彩さが増した印象でした。

「ballad of a homeschooled girl」は、「SOUR」にはなかったようなミディアム調のギターを強調したロック曲。この曲はまた思い切ったロック曲になっていて、歌詞も強烈でユーモアにもあふれていて、彼女の才能がまた強烈に印象付けれられる1曲。
「it’s social suicide」に「Every guy I like is gay」って痛々しいくらいで逆に笑えてしまうところが妙なユーモア抜群の歌詞なんですけど(笑)、ギターのリフを強調した曲の秀逸なロックアレンジと、もう若干ヤケクソで投げやりなオリヴィアの歌に思いっきり共感してしまいます。

アルバムリリース後のシングルとして選んだ「get him rock」は、「それは元ネタはあのバンドのあの曲なんじゃ?」っていう曲展開が何層にもなって、「オリヴィアって●●のパクリでしょ?」と前作から言われているような風潮を自分で嘲笑うかのような曲に、失恋後の支離滅裂な歌詞がピッタリでこのアルバムの個人的ハイライトな曲ですね。

それに続けて「love is embarrassing」って「その通りです」って言いたくなるようなタイトル曲で、楽しいポップなロックソングを続けてきて。
自分がやりたかった大好きなロックの表現を、ポンポンとアルバムに放り込んでいるようで、この流れは聴いてて楽しくてしょうがないんです。

「Pretty isn’t pretty」は90sのグランジの空気まで想起させるような、個人的にはなつかしさでいっぱいになるような曲アレンジがたまらない曲に、彼女得意の恋愛ではなく、自分の外見や体型を嫌悪するという、全世界の若い女の子ならだれもが陥るようなテーマについて歌った歌詞で、自分の10代を思い出すようで胸がキュッとします。

ラスト曲は「teenage dream」。
彼女のバラードの才能については前作から十分に分かっていたつもりだけど、最後のこの曲を聴きながら改めて驚嘆してしまうのは、前作よりも多彩なロック曲をちりばめながら、自分の芯としてこういうソングライターとしての側面も絶対に譲らず、「どこまでも正直に歌っていこう」とこういう曲でストレートに出してくるところ。
19歳で「もう最良の時は終わったかも」って、大袈裟でもなんでもなく当の本人は生きるのに必死で不安でたまらない歳。
バラードについても、前作より明らかに表現力が上がっているし、曲の良さも私にはパワーアップして聴こえました。
誰かのための曲というより自分のための曲だからこそ、力強さも増しているのかな。

アルバムのタイトルは「GUTS」。
確かにロック面が強化された曲の数々が散りばめられたこのアルバムは、前作の繊細さと表現力にもさらに磨きもかかって、さらに確固とした才能とたくましさも感じられるようになりました。

このアルバムを聴いていると、彼女自身のロックに対してや曲作りに対する愛がさらに感じられて、「今、曲を書きたくてたまらない!」という雰囲気が全体から感じられます。

本当に才能に溢れている彼女の背中を「どんどんやってー!」と押したい気持ちになります。
前作よりも歌詞の内容もより個人的になっているような印象で、2作目を作る時によりそうすることで「アルバムを作る動機を作っていったのかな」と思いました。本当にパーソナルな内容だからこそ、たくさんの聴き手の共感を呼ぶんですよね。

それと共に、どの曲もアレンジが個人的に本当にツボで、これはPDのダン・ニグロの力がとても大きいと思います。90sロックからバラードまでの絶妙なアレンジで、10代の今時な女の子たちから、それをとっくに通り越した私みたいなロックリスナーまで虜にするところはお見事です。

前作「SOUR」は、それまでのディズニーアイドルとは一線を画して、ダンの得意とした容赦ないインディ系のアレンジが中心。それでもよりシンプルにしている印象で、ロック曲はアクセントのように感じた部分もありました。

今作はロック感溢れる曲とバラード曲の割合は半々。どちらからも、より遊び心と共に一曲一曲を多彩にしようとした、曲に合ったアレンジを持って来ていて、本当に感心してしまいます。どの曲も、アレンジするのが楽しかったんじゃないかな。
大掛かりなスタッフじゃなくて二人だけで試行錯誤する制作がオリヴィアに合っているようで、だからこそ傑作を産み出してるんですよね。

先日、グラミー賞のノミネートが発表になったのですが、「GUTS」からの多々あるノミネートの中でも、彼が年間最優秀プロデューサーの候補になったんですよ!これが私一番ぐらいに嬉しかったノミネートです♪

例えば「ロックアルバムにしてはちょっとバラードが多すぎない?」とか「過去のロックやポップからの真似」とか、そういう感想もたくさん見受けられます。「これはロックじゃない」って言いきる人もいると思います。

でも、私からするとこんなアルバムこそ最高にロックなんです。何にも囚われてなくて、自分のしたい表現をひたすら追求するロックに。
「ロックってなんだっけ?アップテンポでもバラードでもなんでもいい。自由なことがロックだよな。」って感じさせてくれるんです。

このアルバムからは1つや2つじゃない、私が10代から愛してきた90sから今に至るまでのたくさんのロックの曲やアーティストの音が丸ごと風が吹き抜けるように聴こえてくるようで。

2000年代にアメリカで生まれたアジア系の女の子が、こんなにロックな輝きを持ったアーティストとして世界中から人気になるなんて。私が10代の頃は想像もできなかったです。
彼女の存在自体が本当に奇跡的です。

これからもとにかくオリヴィアだけの大好きな曲作りと表現を、どんどん追及してほしいと思います。

また最高のアルバムをありがとう!!


おまけ

そして、とにかくライブですよね!!来日ライブは今年の初来日で約束してくれたので、チケット争奪戦になりそうですが

絶対に観たい!!


若い子には申し訳ございませんが、おばちゃんのために1枠譲ってください!!(笑)

そして

THE BREEDERSも一緒に連れてきてー!!!

今の10代の子とか絶対知るわけないんだけど!!(笑)なんとこのアルバム30周年リマスターがリリースされていた!
ライブ観たいーーーーー!!!!!!

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