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【ダイエット】糖尿病治療薬で痩せる!という馬鹿げた話




はじめに


皆様こんにちは、ダイエット戦士NANAです。

「糖尿病治療薬を飲むだけでみるみるうちに痩せる!」

昨今こうした主張を度々耳にし、その都度「何を言っているのか…?」と疑問に思う日々を送っております。

この主張は現実的な話ではありませんし、勿論医学的に信頼のおけるものでもありません。

この様な誤った情報が広まることは、日々ダイエットという努力をし、理想の体型を目指す人々にとって大変危険な誤解を生む可能性があり、そしてなにより、実際に糖尿病で闘病中の患者の方々への配慮が欠けた主張に他なりません!

「糖尿病治療薬がダイエットに有効である」

こうした主張は糖尿病患者の方にとって非常に不快な主張に他なりません。なぜなら糖尿病は深刻な病気であり、患者の方にとっては糖尿病と向き合うことが生活の一部となっています。病気を持つ人々にとってこうした主張は、病にまつわるあらゆる日常的な副作用等を軽視しているものと捉えられます。

後程詳しく解説致しますが、糖尿病患者は日々の生活で血糖値の管理に細心の注意を払い、医師や関係機関とも連携して適切な治療法を日々模索しています。そのため、ダイエットと糖尿病治療薬を組み合わせた誤った情報を発信する一部の者達は、患者の方々にとって信頼性にも欠けた非常に不快な者達だというわけです。

そして勿論、それらがダイエットに有効なはずもありません。

私は常々、怪しいサプリメントの類には否定的な立場ですが、この件に関してはより悪質で、より質の悪い話だということを実感しており、憤りすら覚えております…。

したがってこの記事では、そうした誤った主義主張を正していき、少しでも世間に蔓延る誤解を解消していきたいと考えております。



糖尿病とは?


そもそも糖尿病とはどんな病気なのでしょうか?まずは簡単にその事を解説させていただきます。

糖尿病は、高血糖状態(高血糖症)が持続的に続く慢性的な代謝疾患であり、簡単に言えば体内の血糖値が通常よりも高い状態が続く病気です。

糖尿病の主な原因はインスリンというホルモンの不足から起こることが主であり、このインスリンとは、血糖値の調節に重要な役割を果たすホルモンで、高血糖を抑える効果があります。このホルモンは生命維持に不可欠であり、糖代謝の調節において中心的な役割を果たす重要な物質です。ダイエットに有効であるという誤解を生んでいるのはこういった事柄が要因となっており、美容クリニック等の行うインスリン注射等の大変馬鹿げた行為もここに起因しますが、長くなってしまいますので、そちらはひとまず脇に置いておきましょう。

話を戻しますと、糖尿病は主に二つの代表的な病状に分類されます。

一型糖尿病は、自己免疫疾患によって膵臓のインスリンを生成する体の細胞が攻撃を受けて壊れることで発症します。この型の糖尿病は若い年齢でも発症しインスリン療法を必要とし、患者の方は毎日のインスリン注射を受ける必要が出てきます。

二型糖尿病は、主に生活習慣や遺伝的な要因に関連しています。こちら型の糖尿病は体の細胞がインスリンの効果に対する抵抗力を持つことから始まり、膵臓は徐々にインスリンの生成を減少させていきます。初期段階では医師の指導の下、食事療法や運動などの生活習慣の改善で管理できることもありますが、進行すると薬物療法やインスリン治療が必要になることもあります。

糖尿病の症状を管理する事は非常に重要で、高血糖はさまざまな合併症を引き起こす可能性があり、例えば心血管疾患、腎臓障害、視力障害、神経障害などが挙げられます。正しい治療計画や生活習慣の変更が糖尿病の管理には不可欠であり、早期発見と早期治療が合併症のリスクを減らす事に役立ちます。

簡単にまとめると、一型糖尿病は自己免疫疾患によりインスリンが作れなくなり、二型糖尿病はインスリンを作ることのできる量が減少していくことであり、それぞれ異なる原因と治療が必要で、継続的な通院や健康的な生活習慣の意識が不可欠です。

間違ってもダイエットが関与する余地は一切存在するような病気ではありません。



糖尿病治療薬とは?


糖尿病の症状についてはご理解いただけたかと思いますが、では実際に広まっている誤った情報の中で使われているお薬とは一体何なのでしょうか?

一部の美容クリニックや悪徳施設等が「飲むだけで痩せる!」と主張している薬は、糖尿病治療薬「リベルサス」と呼ばれている飲み薬です。

この薬の本来の用途は、前述の糖尿病の病状説明でお示しした通り、糖尿病患者の血糖値を調節することです。しかし一部ではその効果を拡大解釈、自己解釈して、健康や美容を追求できると吹聴されています。

リベルサスは糖尿病という重い病気に対して有効な薬であり、日常的に服用できる市販薬の様な薬では決してありません。糖尿病患者の方が医師の監督下において慎重に使われるお薬です。

専門家や保健当局からもリベルサスの悪用に警戒する必要があるとの主張がされている程であり、これらを気軽に摂取しようという考えがいかに危険なものかということを、そもそも一部の美容クリニック等が理解すべきだということです。



副作用・危険性


それでは実際にリベルサスの副作用や危険性について解説していきます。



低血糖症の危険性


リベルサスは血糖値を下げる作用があるため、本来の患者の方以外が服用すると低血糖症に陥る可能性があります。

低血糖症は頭痛、めまい、手ぶれ、意識障害などの重篤な症状を引き起こすことがあり、その副作用の強さは言うまでもありません。

低血糖症は血糖値が異常に低くなる状態で、通常、急激な血糖値の低下が原因となります。リベルサスは糖尿病患者の治療に使用される薬物で、血糖値を効果的に調節するための効果があります。しかしこれを糖尿病でない人が不正に服用した場合、血糖値が異常に低くなり低血糖症状が現れる可能性が極めて高いと言えます。

低血糖症状は個人によって症状の程度や感じ方が異なりますが、一般的には先程挙げた症状に加え、発汗、悪寒、不安感、不安定な心拍数、食欲不振なども報告されています。そしてさらに重度の低血糖症には、倦怠感、けいれん、失神、混乱、認知障害など、より深刻な症状を引き起こす可能性もあります。

したがって、リベルサスや他の糖尿病治療薬を本来の患者以外が不正に使用することは非常に危険です。インスリンの生成に難があり、血糖値の高い方々へ使用が検討される薬なのですから、そうではない方が使用することの危険性は言うまでもない事です。



日常的な副作用


リベルサスの服用には日常的な副作用も存在します。この薬の副作用には、吐き気、下痢、頭痛などが含まれ、これらの症状は非常に強力であり、日常生活に悪影響を及ぼし、この症状下では、とてもではありませんが服用する事がダイエットに有効である等とは絶対に言えません。

例えば吐き気は、リベルサスを摂取した後に感じる最も一般的な副作用の一つです。これは薬物が胃や腸に対して過剰な刺激を与える結果として現れることがあります。吐き気が頻繁に起こると摂取した食事や栄養の吸収に影響を及ぼし、栄養不足のリスクを増加させます。

下痢もリベルサスの副作用としてよく報告されます。この症状も薬物が腸の動きを刺激し、水分や電解質の喪失を招く可能性があり、結果として脱水症状や栄養不足の危険性が高まります。また下痢が慢性的に続くと、生活の質に大きな制約をもたらす可能性もあります。

頭痛もリベルサスの副作用の一つとして報告されています。これは薬物が神経系に影響を及ぼす結果として現れることがあり、頭痛が慢性的になると、日常の活動や仕事に対する集中力に影響を与え、生活の質を低下させる可能性があります。

ある種これらの副作用が、美容クリニック等の施設が目をつける点で、こうした副作用を悪用することでクリニックの利用者に痩せているという実感を植え付けていくのです。しかしその実態が極めて短期的で悪徳なものであることは、もうご理解いただけたかと思います。



非有効性と依存性


リベルサスは糖尿病患者の血糖管理において効果が証明されていますが、重要な点は、その効果は主に糖尿病患者に限定されるということであり、健康な方やダイエットを目的とする方に対する効果は明確に証明されてはいません。

またリベルサスの使用には薬物依存性の観点からも注意が必要です。

極端な話ですが、糖尿病の発症リスクのある方が発症前にリベルサスを日常的に使用すると、薬物耐性がついてしまい、いざ将来的に糖尿病を発症すれば、本来の薬より強力で副作用の強い薬を必要とする可能性がでてきます。そのためリベルサスの使用には医師の指導を受けることが重要だということです。



適応外使用の危険性


そして最も重要な点は、医薬品の適応外使用には様々な危険が伴うということです。リベルサスの適応外使用も勿論例に漏れません。

繰り返しになりますが、リベルサスは糖尿病患者の血糖値を管理するために設計された薬であり、その効果と安全性は糖尿病治療の枠組みの内で、先人達が試験を重ね積み重ねられてきたものです。しかしこの薬を美容やダイエットの目的で使用することは、臨床試験を経ずに行われるため、安全性が保証されていませんし、勿論正しい知識なども蓄えられてもいませ。

世間に蔓延る誤った風潮を根拠に、美容クリニックや信用性の低い施設等が、自己判断や口八丁でリベルサスを押し付けてくることがあるでしょう。ここで注意すべきなのは、本来医薬品の正しい使用には専門家の意見が求められるものであり、医師の処方箋も必要とされることです。糖尿病治療以外の目的でリベルサスを使用する際、医師との相談の機会も存在しません。これは危険な選択であり健康への大きなリスクを伴います。

適応外使用の最も重要なリスクは副作用の発現です。前述の通りリベルサスは日常的にも強い副作用を伴いますし、血糖値を下げる作用があるため正しい投与量やタイミングを守らない場合、低血糖症状が現れる可能性があります。これはめまい、意識喪失等、最悪命にかかわる状態につながることがあります。またリベルサスの長期的な使用に関する情報も限られており、その安全性についての詳細な情報も不足しています。

さらに医師の監視なしにリベルサスを使用することは、他の健康問題への悪影響もあります。個々人の健康状態や既存の薬物療法との適合性は、医師が確認すべき要素として最も重要な要素の一つです。自己判断で薬物を使用することは、身体に対して不必要なリスクをもたらす可能性が極めて高いです。

医薬品の適応外使用はどんな状況でも行われるべきではありません。医師の診断や処方箋が必要な理由は、患者の安全を保護し、適切な医療ケアを提供するためです。

昨今の美容クリニックや悪徳施設等の不祥事が報道され続けていますが、彼らが利用者の安全や将来を保護し保証してくれることなど一切ないでしょう。



おわりに


糖尿病治療薬リベルサスをダイエット目的に使うことの危険性はご理解いただけたかと思います。

この薬は糖尿病患者の方にとって必要な医療処方薬であり、専門家の指導のもとで使用されるべきお薬です。自由診療や薬物乱用は健康に大きなリスクをもたらし、結果的に副作用や健康への悪影響を長期的に引き起こす可能性があり、最悪もっと重篤な悪影響をも及ぼしかねません。

ダイエットを考える際は、そういったものに頼っていただく必要性は一切ございません。

もしよろしければこちらの記事をご覧いただき、決して糖尿病治療薬に手を出すことの無いようお願いいたします。

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