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公務員家を買う⑫(家づくりの資金繰りを考える)

解体と擁壁工事も進み、いよいよ住宅の着工が近づいてきます。着工が近づいてくると、同時に現実的な問題を考える必要が出てきます。費用の工面です。

多分に漏れず、私も自己資金のみで家を買うことはとてもできないため、住宅ローンを駆使して、注文住宅にかかる費用を支払うことになりそうです。

今回は、家づくりにかかる費用をどうやって工面し、住宅ローンをどのような基準で決めることとしたか、記していこうと思います。

1 復習 家づくりにかかるお金は?

ハウスメーカーによって、言い方や区分は分かれますが、おおむね4つに区分されます。①本体工事費、②附帯工事費、③諸費用、④土地代です。

(1)本体工事費

カタログや広告にも書いてある家を建設するための費用です。基礎工事、屋根や内外装、防蟻工事など、ざっくり言えば、ハウスメーカーや工務店などに支払う費用が本体工事費であり、全体の70~80%を占めると言われています。

(2)附帯工事費

附帯工事費は、住宅本体以外に必要となる工事を指します。旧家屋が建っていれば必要となる解体工事、地盤が弱ければ必要となる地盤改良工事、フェンスや駐車スペースなど機能上必要となる外構工事など、ハウスメーカーを通して支払う場合もありますが、本体工事とは別に、全体の20~25%の費用が掛かるものです。

(3)諸費用

全体の5%ほどですが、意外と馬鹿にできないのが、諸費用です。その内訳は、登記費用(建物表示登記、所有権保存登記、抵当権設定登記)、ローン関係費用(手数料、保証料、火災保険料)及び印紙代等となっており、一つ一つの金額はおおむね小さいのですが、積みあがると大きな金額になります。

(4)土地代

家を建てるための土地がない場合、どこかからか購入する必要があります。費用は、建てる場所によって大きく変わり、取得費用のほかに、仲介手数料や、ローンを組む場合の手数料がかかります。

他にも、引っ越し代や固定資産税、開催を希望する人は地鎮祭や上棟式の費用も負担する必要があります。

2 結局費用はどれくらいなのか?

株式会社リクルートが行った「2021年 注文住宅動向・トレンド調査」によると、全国の建築費用(土地代を除く)は平均2,988万円だそうです。(首都圏だと平均3,320万円です)

私は、本体工事費は、全国の平均と同じくらいでした。ざっくりした内訳は、木造住宅であるため、中心となる木工事が全体の4割、内装と外装の工事で3割、仮設工事と基礎工事で合わせて2割、その他の給排水や電気工事、運搬費等で1割といったところです。

次に費用が掛かるのは、本来であれば土地代なのですが、義父の土地を借り受けることになったため、土地の取得費用は掛かりませんでした。しかし、旧家屋が建っていたために、前回記載をした解体や外構工事の費用である附帯工事費が嵩むことになりました。

具体的には、家屋の解体費用が本体工事費のおよそ1割、外構工事がおよそ1.5割、地盤改良が0.5割で、合計として本体工事費の3.5割ほどの費用が掛かりました。

解体費用は思ったよりも抑えることができたのですが、外構工事を先に行ったことによって地盤が柔らかくなってしまったためか、地盤改良が想定よりも高くつくことになってしまいました。

ここまでの金額で、およそ全国の平均よりも2割ほどオーバーしてしまいました。これに、登記や保険等の費用である諸費用を加えると、大体4千万円に行かないくらいになったので、この4千万円を我が家の家づくりにかかる費用と見積もりました。当初の予算も、大体同じくらいです。

3 住宅ローンで借りる金額の考え方

金額が具体的に決まりましたので、どうやって工面するかを考えることになります。初めに考えたのは、住宅ローンをいくら借りるかです。

ご案内のとおり、今は未曽有の低金利です。変動金利であれば0.5%を切る利率で、数千万円の融資実行ができるプランがゴロゴロあり、住宅ローンを借りるものにとっては、まさに華の時代を迎えています。

将来の給料が比較的安定していると言われる公務員ということもあったのか、ハウスメーカーの担当者に聞いても「限度額いっぱい借りることができるだろう。」と太鼓判をいただきました。

しかし、お金はいくらあっても良いとはいえ、いざという時を待って銀行に眠らせておいてもあまり意味はなく、一方で、借りた多額のお金を投資に回すのもしっくりきませんでした。

そこで、住宅ローンの借入金額を決定するうえで、重要視したことは、「毎月何円ならば、負担なく支払い続けることができるか。」でした。

現在の家計から考えると、我が家の月々の支出のうち家賃など、住居に係る費用はおよそ3割です。加えて、住宅購入のために貯蓄していた月々の積み立て分を加えると、可処分所得の35%となったので、ここを目安としました。

毎月払える目安が定まり、次に考えるのは、何年のローンを組むかです。10年か20年か、それとも30年かで、借りられる金額は大きく異なります。

私の場合、①住宅ローンを借りて建築する住宅が使用貸借という不安定な状態にあるため、オーバーローンになるという最悪の事態を避けたい。②高額出費が予想される子どもの大学進学と、ローンの返済がぶつかることを避けたい。

以上、2つの理由から、10年または15年の比較的短期でローンを組むことを決めました。いくつかのサイトで住宅ローンのシミュレーションを行い、4000万円のおよそ4割を住宅ローンで賄うこととしました。

また、注文住宅の場合、建築にかかる費用を①着工時、②上棟時、③引き渡し時と3回に分けて払うことが大半で、私もその内容で契約をしました。

比較的低金利で住宅ローンを組むことができるネット銀行では、融資実行の条件を「表示登記完了後」と、実質引き渡し完了時としていることが多く、住宅ローンの費用を③の引き渡し時の支払いのみしか充当できないことが後ほどわかりました。

そのため、結論は同じになったのですが、最大でも総費用の4割ほどしか、住宅ローンを組むことができなかったということになります。

4 住宅ローン以外の資金繰り

住宅ローンでおよそ4000万円の4割を充当することに決めました。ここから、残りの6割分の資金繰りを考えることになります。

もともと夫婦で働いていて、子どももまだ小さく、多額の教育費等もかからなかったため、結婚してから、それなりに貯金はできていました。特に妻は、「将来は茶室のある戸建てが欲しい」という思いを持っていたため、地道に貯めていった結果、頭金としては十分な額となっていました。

そうした妻の貯金と、生活に必要な最低限のお金を除いた私の貯金から支出をして、夫婦それぞれの貯金から、住宅ローンと同じ4割を拠出することができました。

残りの2割ですが、贈与を利用することとしました。通常、年間で110万円を超える贈与には、贈与税がかかります。しかし、2023年12月末までは、住宅取得資金贈与として、最大1000万円までは非課税とする特例が認められています。No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税|国税庁 (nta.go.jp)

また、私たちは利用しませんでしたが、「相続時精算課税制度」を利用すれば、2500万円までの贈与は非課税となります。ただし、これは相続分を先取りするような形で、使用した場合は将来の相続時に、この2500万円分の贈与が加わる形で税がかかるので、税理士等への相談が必要になるでしょう。

ざっくり、住宅ローン4割、自己資金4割、贈与2割で資金を確保し、その他に、こども未来住宅支援事業による補助金の取得も視野に入れつつ、最悪どうしても足らなくなった場合は、所属自治体の住宅の貸付け等を利用しようと考えました。

次は、どの金融機関で、どんな金利を使って住宅ローンを借りるか考えていきたいと思います。

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