La Siesta Eterna

そこは終わりではなく
終着点に見せ掛けた 何かの始まりかもしれない

夢は永遠に続く

呼吸するように木々はうねりをあげて
発つ鳥のさえずりを
木霊のように何度も吸い込んで
そして大地へ解き放つ

次の私は 誰かになれるだろうか…

ことばを持たぬ私の
それは密かな願いだった
でも今は 与えられた天命のために
無言で生き続けるしか すべがない

愛した時 愛する人と共に子を育て
それはいつかの私がそうしたみたいに
やがてその命をまた
誰かの元へと送り出す日まで
私たちは懸命に見えざる者から ちいさな命を守り続けて…

すべては必然
あたりまえに循環する

遠くから時が満ちて来る
崩れ落ちた城壁のかけらを 誰かが拾い集めて
そこに新しい時間を積んで行く

過去だけが在る 天空の城を横切ると
少しだけ太陽に近づくけれど
そこは眩しく 少しだけかなしい
黄泉の扉と繋がっていて
来る者を無限の霧で待ち受けながら聳え立つ

生きていてもきっと そこは
永遠の眠りの中

ふたたびその人と会うには
欲望をぜんぶ手放して
ただひたすらに空を目指す以外にないのだと

いつかの誰かの声が空を巡り
頭上の雲に再び還り来る

※ディディエ・メラ ニューアルバム「Wheel of Fortune」より「La Siesta Eterna」を聴きながら