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K-Pop比較評論 [KWON EUN BI 対 JO YURI]

久々の韓流ミューズ対決の音楽評論を、この記事では余すところなく熱く展開して行きたい。

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2021年4月末をもって惜しまれながら解散したK-Pop女性ユニット [IZ*ONE] からソロデビューした二人、KWON EUN BI (クォン・ウンビ)と JO YURI(チョ・ユリ)。
二人とも [IZ*ONE] 時代は余りパっとしないながらも、クォンは歌唱力で、チョ・ユリはダンスで多くのファンを惹き付けて離さなかった。その二人が互いに主役を譲り合うように、時期をずらしながらソロ・デビューを果たした。

クォン・ウンビは2021年8月24日、EPOPENがリリースされ、先行シングルとしてDoorで多数のメディアにキャンペーンに乗り込んで行った。
一方チョ・ユリは2021年10月7日、2曲入りEPGLASSYがリリースされ、先行シングルGLASSYで停滞傾向にあるK-Popにクォンの後を追うように殴り込みをかけて行く。

クォン・ウンビのDoorは楽曲のクオリティーのみならず、編曲や歌詞、そしてダンスに至るまで構成が優れており、ダンス抜きで楽曲だけで聴いても自然と音楽が体に浸透して来る、垢抜けた作品だ。


一方チョ・ユリのGLASSYを聴く限り、クォンとは対照的な「可愛いお姫様」系で攻めているが、これと言ってキャッチーな曲でもなければメロディーがうろうろ彷徨う感じで、余程のファンでもない限り歌手 チョ・ユリを新たに好きになるファンを掴むには何もかもが中途半端な印象を受ける。

ダンス動画の方も視てみたが、振り付けがコマコマチマチマしており、大技(オオワザ)が一つも出て来ない。


私は自身が作曲家でもありちょっとしたプロデュースも手掛けることが出来るので、歌手と言うよりはクリエイターの目線で色々なアーティストを鋭く視ることが多い。
その点で言うと、記事KWON EUN BI "Door" レコーディング風景と解説でも少し触れたように、この二人を比較すると圧倒的に異なる点は『セルフ・プロデュース』の力量にありそうだ。

KWON EUN BI (クォン・ウンビ)のレコーディング風景を見る限り、ディレクターの指示を待つことなく自身の判断で自らの歌唱に訂正を加えながら歌い込んでいる。
その時々の仕事に何が足りていて、何が不足しているのかを瞬時に分析・判断出来るから、楽曲のどの箇所を個別にランダムにレコーディングしても仕事がスムーズに進んでいるように見える。
これはクォンにセルフ・プロデュースの才能があることの証しと言えるだろう。
 
一方の JO YURI(チョ・ユリ)にはクォンと比較するとその(セルフ・プロデュースの)能力が欠けている為、恐らくデビュー・シングル曲GLASSYでは、与えられた課題をそつなくこなすだけで手一杯だったように見て取れる。

K-Popの中では必ず生歌(生声)歌唱を配信するYouTubeチャンネル [it's Live] で、KWON EUN BI (クォン・ウンビ)と JO YURI(チョ・ユリ)の歌唱力の比較をすると、これが恐ろしい程に両者の力量の差が明確に浮き彫りになって面白い。


日本では [AKB48] と言うグループがかつて旋風を巻き起こし、前田敦子大島優子か‥ ととかく比較に上る二人が居たが、勿論クォンとチョ・ユリとは比べものにならない程のそもそも小者感満載AKB神2の二人も今はフツウの女性にしか見えない。

それだけ大物のクォン・ウンビとチョ・ユリでさえ厳しい目で比較すると大きく差が出てしまうのだから、表現や才能とは恐ろしいものだと思わざるを得ない。

KWON EUN BI (クォン・ウンビ)もシングルDoorだけが今は突出してクオリティーが高く、残念ながら他の楽曲は昔の言葉で言うところの「B面」ナンバーの域を出ない。
とは言え、クォンの楽曲の構成力、表現力は解散した [IZ*ONE] の中でもダントツのレベルだと言っても良いだろう。
後は良い楽曲と良い振り付けにいかに恵まれ続けるか‥ に掛かっている。

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さて、楽曲のクリエイターを追ってみると、両者の背後にMono Treeと言うK-Pop最強と言われる音楽集団の暗躍が視えて来る。
写真が不鮮明ではあるが、謎の最強音楽集団Mono Treeの中心人物は、どうやらこの3人のようだ。
(左から、作曲家のユ・ジサン(G-High)、ファン・ヒョン、イ・ジュヒョン。)⇩

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もう一方で [e.one] と言う、これまた謎の音楽集団の名前もちらほらあちらこちらのK-Popの楽曲の中に暗躍する。
上のMono Treeと同様に両者ともに比較的明るいポップス曲が多いので、もしかするとKWON EUN BI (クォン・ウンビ)のDoorは、上記にクレジットのない別の作曲家が書き下ろした可能性大だ。両方の音楽集団の楽曲と比較すると、余りにも曲のタイプが違い過ぎる。

* * *

ところで私はこの春解散した [IZ*ONE] のシングル曲の中で、この曲Highlightが一番好きである。

Spotifyで楽曲クレジットを追跡してみたが、「-」と記載されただけでクレジットが書かれていない。
これは一体誰が作った作品なのか‥。

良質な楽曲の作家クレジットが「-」で表記される程、悲しいものはない。きちんと明記すべきである。


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