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一度で終わらない、何度も行きたくなるワーケーション誘致戦略とは?

ワーケーションしていると残念ながら
「ここは一度でいいや」
と思うことがあります。

逆に
「ここはまた来たい」
「ここは毎シーズン来たい」
そう思うこともあります。
その差はどんなことなんだろう。

旅行の場合自分は何度もそのエリア行かないのですが、なぜかワーケーションの場合はまた行きたいなと思うことが多いです。言語化が非常に難しいのですが、結構これが各地域の課題となっている関係人口対策の肝なのではないかと思っています。

普通に考えるとワーケーションで複数日その土地に滞在すると旅行より飽きそうなものなんですが、実際は逆になることが多いんですよね。

自分の中での結論でしかありませんが、いくつかポイントを整理してみたいと思います。




ある程度の快適さ・利便性

旅行のワーケーションの違いでもあるのですが、ワーケーションの場合日常に近い生活をしたりします。朝起きて出かける準備をしてワークスペースに出社、近所で食事を取り、家に変える前にちょっと買い物や遊びに行ったりする。そこには旅行要素はほとんどありません。

となるとやはりその日常の過ごしやすさは重要です。

厳しすぎないほどよい気候、便利な交通機関、気軽に食べれるちょっとめずらしい日常食、仕事しやすい環境、遠隔地でやりとりをするのに困らない通信環境、足りないものをすぐに調達できるお店などなど。東京で仕事をする自分にとっては当たり前のことなんですが、案外地方に行くとこれを実現するのが難しい場合があります。

ワーケーションに何を求めるかは人それぞれなんですが、自分はあまり非日常性を求めていません。地方都市がおすすめ、なんて記事も書いていますが、

まさにこの日常性を損なう状態はいかに魅力的であっても、仕事の支障が出やすいので、何度も、また長期間滞在できないと思ってしまいます。

旅行なら全然いいですけどね。例えば雪深い時期に十和田湖のかまくらやランタンを見に行きたいですし、夏の下田の白浜海岸で遊ぶのもいいと思います。でもワーケーションとなると、オーバーツーリズム的な問題もありますし、滞在費、交通費の価格的な問題もあります。また雪道での事故のリスクも上がります。

そういう意味ではワーケーションのリピーターは何もない時期がむしろ誘致のチャンスなのではないかと思います。またそういう時期に滞在する人というのはそのエリアの良さを繊細に感じ取ってくれるのではないかと思います。またエリア的な話では、ワーケーションで非日常的なリゾートを積極的におすすめされますが、自分の場合は日常を滞りなく過ごせる都市機能のある場所の方が重要です。


知り合いができる

滞在中にそのエリアの友だちができるとリピーターになりやすいです。
知り合いがいるとその人を通じて知り合いが増えたり、そのエリアのあらたな魅力を知ることができます。

富山で仲間づくりがしたければ金曜日にHUBに行こう!

自分の場合、富山に何度も行っているのはこの影響が大きいです。最初に富山に行った時に偶然Xで繋がりのあったお仕事関係の人と富山で会って、その方からいろんな方を紹介して頂きました。その後富山に興味を持つことで、地元で活動されているYouTuber「富山の遊び場」さんのファンになり、お会いする機会もありました。お会いする人みんなから富山の魅力を教えてもらい、仕事にかこつけてマストではないのに富山に行ったりするように。そして行くたびに行きたいところが増えてしまい、好循環が止まらない状態になってしまいました。

行く側の視点で言うと、そこに行けばいつもいてくれるという安心感が強いですね。もちろんその方にもスケジュールがあるので会えないということもありますが、ワーケーションで1週間ぐらい滞在しているとどこかでお会いできることがほとんどです。狭い地域だと約束してなくてもばったり会うとかもあります。

正直お会いした人によるというのもあります。属人的運が必要なのは否めません。そこで運良く相手の方がその土地を盛り上げたい、もっと良くしたい、来た人に好きになってもらいたいというモチベーションが高い方だったりするとこちらも話を聞いていて非常に面白いです。

この経験を踏まえて逆に地域側の視点で言いますと、
リピーターづくりは一度ワーケーションで来た方とはとにかく何らかの接触をするといい気がします。そしてSNSでフォロー&フォロアーの関係を作り、継続的に情報を届けることをおすすめします。

このSNSでの追撃アプローチがすごく重要な気がします。一度行った場所のことって親近感があるんですごく興味を持つんですよね。追加で情報を提供すると確実にまた行きたいって思うようになります。そういう積極的なアプローチができる方が地元にいると確実にリピーターが増えます。自分はまんまとその戦略にハマりました笑

おかげで今ではだいぶ富山のニュースに詳しい人になってます。寒ブリ宣言とかもいち早くキャッチしました!今は冬の富山にめちゃくちゃ行きたいってなってます。


ミドルタグ、スモールタグの充実

具体的にここというのは角が立つので言及しませんが、超知名度のある有名コンテンツがドンッ!と一発あるような地域は個人的にはちょっとハマりにくいです。

例えば食べ物だと、
高級な食材、料理が有名なエリアありますよね。そういうメニューは日常的に利用しづらく、長期間の滞在には向かないことが多いです。

観光地もそうですね。
ここに来たらここに行けというエリア。強すぎるコンテンツがある地域はたしかにインパクトもあり、知名度もあるのですが、長めに滞在すると飽きてしまいがちです。

SNS界隈で言われるところのハッシュタグの構成話なんですが、ビッグタグ、ミドルタグ、スモールタグという言葉があります。ビッグタグは検索件数がめちゃくちゃ多いタグ。

例えば料理の話で言いますと、「グルメ」はビッグタグですよね。それで検索すると無数のグルメコンテンツがヒットして欲しい情報にたどり着かない。なのでSNSではミドルタグ、スモールタグを駆使して検索性を上げるという工夫がなされています。

今年行った宮崎で言うなれば
ビッグタグ:チキン南蛮・マンゴー・宮崎牛
ミドルタグ:辛麺・肉巻きおにぎり・冷や汁
スモールタグ:なんじゃこら大福・釜揚げうどん・サラダ巻き
みたいな感じって言ったらいいんですかね。
ビッグは旅行で必ず押さえるレベル。ミドルは滞在日数長ければ行くレベル。スモールはそんなのあったのか!レベル。

あまりにも知名度の高いコンテンツしかないエリアはこのビッグタグの影響が強すぎて、そのコンテンツ一辺倒になっている場合があります。

旅行であればそれでもいいと思うのですが、ことワーケーションとなると長期間、多様な楽しみ方が求められます。ワーケーションでリピーターになりやすいのは圧倒的に「ミドルタグ」「スモールタグ」が充実している地域じゃないかなと思います。要は選択肢の多いエリア。超有名なものはあまりないけど、ほどほど有名なものがたくさん、知る人ぞ知るものがたくさんある地域は面白いと思います。

言い方を変えると多面性ですね。
この時期だとこれだけど、この時期に来たらこれが楽しめるみたいな季節によって特色がガラッと変わるような街も面白いですね。こういう「掘りがいがある街」、自分で発掘していける楽しさがある場所はすごく魅力的です。


逆になくてもいいもの

誤解されがちなのですが、自分にとってワーケーションは別に特別じゃなくていいんです。なんどか触れていますが、「絶景」や「名物」などの非日常性はそこまで求めていません。

もちろん最初に挙げたような安定して使えるワークスペースは欲しいです。でもそれ以外の特別なものはさほど必要と思っていません。日常の中のちょっとした変化がもう既に楽しいと思えます。ワーケーションとはそういうものなんじゃないかと思っています。


まとめ

いろいろな地域でワーケーションの誘致の話を聞いていると、「うちは観光地じゃないのでワーケーションやってないんです」と言われることがあるんですが、そこはそんなに気にしなくていいのではないでしょうか。

・特別メリットのあるものを作る、ではなく
 デメリットに感じることを減らす。
・ワーケーションする人とちゃんとコミュニケーションをとる。
・普段身の回りにあるものを磨く。

なにより
その地域の人が自らその地域を面白がっていることが重要なのではないかと思います。

自分の場合はワーケーションで滞在したエリアからその様子を感じられたらまた行きたいなと思ったりします。いちワーケーション好きからの意見をまとめてみました。

誘致施策などを考えられる方の参考になれば幸いです!

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