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元人力車夫から学ぶ お客様の心を掴む営業ステップ

セールスに大切なのは、言い回しではなくステップ

いよいよ単価アップに繋がる
「営業トークのスキル」の話に入っていきます。

私が新人の頃、先輩の営業ノウハウを盗もうと、
こっそり耳をダンボにして営業トークを聞いていたことがあります。

沢山の言い回しやトークを盗ませてもらいました。

しかし、そこで気づいたことは結果を出す人も出さない人も
「みんな同じような事を言っている」という事です。

つまり、トークや言い回しは大した意味をなしません。

大事なことはセールスにはステップがあって、
そのステップに応じた最適な言葉をチョイスしていく事です。

具体例としてステップを意識していない人の営業トークを挙げてみます。
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営業: 人力車乗ってみませんか?
客: 大丈夫です。
営業: 今からどこ行くんですか?
客: ブラブラ適当に。
営業: 人力車なら裏手の普段行かないような下町を周れますよ。
客: いや、大丈夫です。
営業: 二人で4000円から乗れます。
客: …。(こいつ全然人の話聞いてねぇな。)
営業: 最短コースは12〜13分で回れます。
客: …。(もう無視して行こう。)
営業: 一つだけいいですか?
客: …。(わけわからん。)
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いかがですか?

文面で見るとかなりクレイジーな営業をしているように見えますが、
実際こんな破茶滅茶な営業をしている人が多いのも事実です。

営業にステップがある事を知らず、
人から受け売りの営業トークをするとこうなります。

こんな頭の悪そうな気合だけの体育会系営業マンにならないため
次にあげるステップをしっかり叩き込んでください。

★営業のステップ
1. アプローチ
2. お客様にとって有益な情報を与える
3. 営業許可を得る
4. 商品を買わない事のデメリットを伝える
5. 商品を買う事のメリットを伝える
6. 具体的な料金説明をする
7. コースを選んでいただく
8. ワンランク上をオススメする
9. 背中を押す

1. アプローチ

アプローチの段階では、街中を歩いている見込み客が
思わず足を止めたくなるような言動が必要になります。

遊び心の強い人を除きほとんどの人は、
いきなり道端で声をかけてきた相手に警戒し足を止める事はしません。

では、その警戒を解いて足を止めてもらうためには
どうしたらいいでしょうか?

そのために必要なことは3つ。
「自分が何者かを伝える」
「した手に出るがとびっきり明るく」
「有益な情報を与える事を約束する」

です。

「自分が何者かを伝える」とは、
自分が人力車の車夫である事を伝えるということです。

時々、いきなり通行人に「写真撮りましょうか?」とか
「これからどこ行くんですか?」とか聞いている人がいますが、
冷静に考えれば怪しすぎるのはわかっていただけると思います。

次に「した手に出るがとびっきり明るく」を説明します。
営業マンにとって、偉そうな態度は禁物です。

偉そうな態度が通用するとすれば、自分より年下の低単価な客層だけです。

しかし、した手でも暗い営業マンは、アプローチの段階で力関係が
「営業マン< 客」となり、警戒はしなくても足を止める気にはなりません。

そこで効果があるのはした手に出るがとびっきり明るい態度です。

した手に出る事で相手の警戒心を解き、
とびっきり明るく勢いで見込み客の足を止めるのです。

しかし、一度足を止めても再び歩き出して去ってしまう場合があります。

そうさせないために、足が止まった又は歩く速度が落ちた瞬間に
相手にとって「有益な情報を与えることを約束」しましょう。

具体的にいうと
「乗らなくてもいいので、歩き方の参考に聞いてください。」
というような具合です。

2. お客様にとって有益な情報を与える

お客様にとって有益な情報を与える段階では、
必ずお客様にとって有益な情報を与えてください。

この段階で営業をしようものなら、
お客様は「ほらほら出ました。結局営業でしょ。」となります。

ここではコンサルタントになったつもりで、
街の歩き方、オススメの食事処、1日のスケジューリングなど
お客様が欲しがっている情報を伝えて差し上げましょう。

この段階では
「真剣に自分たちのベストを考えてくれているという信用」
「この人はよく知っているという信頼」を手に入れてください。

これによってお客様は初めてステップ3以降に繋がる
人力車の提案を聞く姿勢が出来上がります。

3. 営業許可を得る

営業許可を得るの段階においても、
必ず営業トークに入る時はお客様から許可を得るようにしてください。

最初道案内をしていたけど、
いつの間にか人力車の営業の話になっていたというパターンを
多く見受けますが、これはお客様に対して非常に不誠実な態度です。

ここでお客様からの信頼を失うのはもったいないので、
必ず許可を得てから営業に入りましょう。

4. 商品を買わない事のデメリットを説明する

商品を買わない事のデメリットを説明する段階では、
決して相手のことを否定せず、
買わなかった時に起こる悲劇を相手に伝えます。

是非時間あるときに、人力車に乗らないことのデメリットを
思いつく限り箇条書きしてみてください。

例えば、
・お土産は買ったが、綺麗な景色と写真が取れずに終わる。
・名所には辿り着いたが、結局それがなんだかわからず終わる。
・同じ道を往復して終わる。
・人混みだけ見て終わる。
・歩き疲れて、残ったのは疲労感…。
・わけわからず、とりあえず入った店に失敗する。
などなど

さらに、この際に使えるテクニックが質問の答えを
「イエス」に誘導することです。
この事については後の記事で詳しく説明します。

このテクニックがうまく成功すれば、見込客は
あなたの商品を欲しくて欲しくて堪らない状態になることでしょう。

そんな状態なった時に次の段階に移っていきます。

5.商品を買う事のメリットを説明する

こちらも時間あるときに思いつく限り箇条書きして、
伝える練習をしてみてください。

例えば、
・短い時間で効率よく周れて濃い一日中を過ごせる。
・穴場の名所や写真スポットに行けて人に自慢できる写真が撮れる。
・街の歴史を知ってまた来たいと思えた。
・人に教えたい隠れ名店に出会えた。
などなど

ここまでうまく伝え切れたら恐らく
あなたから6.具体的な料金説明を始めなくても相手から
「で、いくらですか?」と聞いてくるでしょう。
こうなったらもうしめたものです。

6.具体的な料金説明をする

しかし、まだこの段階ではお客様を乗せようとしてはいけません。
あくまでも一通りの簡潔なメニュー説明に留めてください。

7. コースを選んでいただく

その上でお客様のスケジュールと目的地に合わせて
ベストなコースを2〜3つオススメして、お客様に選んでいただきましょう。
(お客様に選んでいただくことで、
実はお客様の大まかな予算を読み取ることができます。)

8. ワンランク上をオススメする

お客様にコースを選んでいただいた上で初めて、営業をします。
あくまでもお客様が選んだコースは否定せず、
1つか2つ上のコースの魅力を伝えましょう。

上のコースを選ばないお客様もいますが、
ここまでしっかりとした信頼を築けていれば多くの場合、
ワンランク上のコースを選んでくださるでしょう。

9. 背中を押す

しかし、予算的に選びきれない方にはそっと背中を押してあげましょう。
滅多に乗る機会のない人力車ですから、
最大限楽しんでいただきたいという気持ちで。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は営業のステップについて大まかに書かせていただきました。

この段階ではなかなか実際の営業トークに
落とし込んでいくことは難しいかもしれませんが、
このステップを知って、このステップに則って営業をしようとするだけで
何か良い方向への変化があると思います。

次回以降具体的な心理学的でロジカルなテクニックを書いていきます。

では!

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