副担任が教員生命を懸けて教えてくれたもの

僕には恩師と呼べる人はいない。
以前の記事で感じた方もいるかもしれないけど、僕は尖っていて可愛くない生徒だったから、先生からもあんまり好かれていなかった。
ちなみに前の記事はこちら↓

そんな僕にも唯一仲良くできたなと思う先生がいて、それは高校の時の副担任だった。

その先生は新任で来た若い男の先生だった。
ふつうは若い男の先生だと女子からキャーキャー言われそうなものだが、その先生は特にイケメンでもなく髪も薄めだったので全くキャーキャーは言われていなかった。

なぜその先生と仲良くできたかと言うと
とにかく優しくて緩かったからだ。
授業中にボケても注意されないし、授業も10分くらいは授業とは関係の無いクイズをみんなに出す時間にしていて、その先生の授業はとても楽だった。
(一部の生徒からは教え方が下手と言われていたが)


その先生との1番の思い出は学校祭。
学校祭の出し物で映像を撮って流すことになったのだが、「好きなことを自由にやった方がいい」と言ってくれて、他の先生には止められそうなことも許してくれた。

また、放課後にアイスを奢ってくれたり、学校祭の後の打ち上げではびっくりドンキーを奢ってくれたりした。
他人の金で食べるアイスやびっくりドンキーは最高なので、とても美味しかったことを今でも覚えている。

学校祭期間は本当に楽しくて、好きなことを自由にやれるって最高だなと思った。僕の高校生活が楽しかった1%くらいは先生のおかげだったと思う。

その後、高校を卒業した。先生も他の学校へ転勤となった。
それもあって僕は卒業してから一切会ってなかったのだが、先生はクラスのお気に入りだった女子2人と地味な男子1人を誘ってキャンプに行ったと聞いた。
これについては聞いた時ふつうにキモいなと思った。一線を超えてるし、女子があんまり可愛くない子とのツーショットをプロフィール画像にするやつをやるなよと思った。

その2年後、僕は成人式の時クラス会の幹事をやったが、先生は呼ばなかった。
良い先生だったけど、わざわざ呼ぶほどじゃなかったから。


その数ヶ月後だった。
先生は、女子生徒を自家用車に乗せてドライブし、抱きしめたり、体を触る等の不適切な行為を行ったとして教師を解雇となった。

最初聞いた時僕は信じられなかった。先生はアイスとかびっくりドンキーを奢ってくれた良い人だったから。

「好きなことを自由にやった方がいい」
確かに先生はそう言っていたし、僕達を自由にさせてくれていたが、流石に社会のルールは守ると思っていた。
しかし、先生は教師生命を懸けて好きなことを自由にやるタイプの人だった。

もしかしたら、先生は教師人生を懸けて僕達に自由の難しさを教えたかったのかもしれないけど、流石にやったことがヤバすぎだった。

それから数年経ち、ふと気になって最近、先生の名前でググってみた。すると、禊を終えたのか、また教職についているようだった。

また先生になって何を思っているのだろう？
女子生徒を自家用車に乗せてドライブし、抱きしめたり、体を触る等の不適切な行為を行ったことを後悔しているのだろうか？

それともまた、女子生徒を自家用車に乗せてドライブし、抱きしめたり、体を触る等の不適切な行為を行いたいなと思っているのだろうか？


流石に前者であってほしい。

人間を自由にできるのは、人間の理性だけであって、人間の生活は、理性を失えば失うほどますます不自由になるのだから。