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【スクワットのテクニック】 〜呼吸を考える〜

こんにちは。Dice Trainingです。
岩手県でトレーニング指導を生業にしています。
アメリカ留学中にNSCA CSCSを取得。
留学中のインターンシップも含めると、
トレーニング指導に携わって20年以上になります。

“King of Exercise”と言われるスクワット。
スクワットを安全に行うために
重要なポイントが”呼吸”になります。

当たり前ですが、スクワットは身体活動。
身体活動を行うためには”酸素”は必須。
呼吸を疎かにすることはできません。

スクワット動作中の
適切な呼吸法を再確認していきましょう。

呼吸を疎かにすることで起こるリスク

① 酸素欠乏

運動時は、筋肉に血流が集中します。
本来、脳や内臓に回されるための酸素が、
筋肉に使われてしまうことので
「運動後低血圧」という言葉もあります。

ただでさえ、血液循環が変化するのに、
その上、正しい呼吸できていない場合、
当たり前のことですが、
”酸素欠乏状態”になります。

酸素欠乏が原因で、
貧血のようにクラクラしたり、
ちょっと吐き気を感じたり。

トレーニング継続が
難しくなってしまいます。
動作中もしっかり呼吸することが大切です。

② 血圧上昇

細胞に送り込まれる
酸素が欠乏するため、
それをカバーしようと、
心拍数が上がっていきます。
結果、血圧も上昇する。

運動するので一定の血圧上昇は致し方ないこと。
しかし、あまりに急激な変化は、
高血圧の方や高齢者の方にとっては、
とても大きなリスク
になりえます。

③ バテるのが早くなる

酸素の欠乏は、
”エネルギーの過剰消費”
を引き起こします。

急激なエネルギー不足に陥ると、
筋肉はもちろんですが、
臓器の機能が低下することも。
そのため、身体を動かすことが難しくなり、
想定内の怪我をしたり、
昏倒してしまうこともありえます。

以上の3つが主なリスクです。
トレーニングの継続が困難になるのはもちろんですが、
思わぬ傷害・疾病につながる可能性もあります。
リスク回避のためには、
動作中にしっかり呼吸することが大切です。

リスク回避以外にも得られる呼吸のメリット

呼吸を正しく行うことで、
リスク回避だけではなく、
効果を高めるメリットも得られます。

① 呼吸筋の強化

通常の呼吸を行う場合、
・横隔膜
・肋間筋
が作用します。
正しい呼吸を行うことで、
呼吸に使われる筋肉を強化が可能です。

② 腹腔内圧を高めて背骨をサポート

特に腹式呼吸を意識しながら、
息を吐くときに腹筋を固めます。
腹横筋というインナーマッスルが作用します。
(ブレイシングと言います。)
インナーマッスルが腹圧を高め、
背骨をサポート力を上げる。
正しい姿勢が保持できるし、
高重量も扱いやすくなります。
腹圧を確認するエクササイズはこちら↓

腹圧を高めるとスクワットの動作以外にも
いろいろとメリットがあります。
ぜひ、こちらの記事も参考にしてください。
腹圧を高める3つの効果↓

ただし、妊婦さんは要注意
マタニティ・エクササイズなどで、
定期的に運動をして、
体重をコントロールされている方もいらっしゃいます。
胎児のことを考えると、
腹腔内圧を高めすぎるのはNG
です。

③  高度なトレーニングが継続できる。

酸欠状態だとトレーニングの継続は困難。
しかし、正しい呼吸を行うことで、
レップ数・セット数が多いスクワットが可能になります。
ここまでやり切ることができると、
運動終了後も、しばらくの間、
代謝の良い状態を維持
できます。
”アフターバーン効果”と呼ばれるものです。
体を引き締めたい!という人には、
願ってもない状況ですよね。

ウェイトトレーニングにおける呼吸の基本

スクワットに限らず、
全てのウェイトトレーニングで
呼吸は重要です。

ウェイトトレーニング時の呼吸法の基本は、
「筋肉が緩んでいるときに息を吸い、
 筋肉が緊張をするときに息を吐く」

です。

言い換えると、
「ウェイトを降ろしていくときに息を吸い、
 ウェイトを挙げていくときに息を吐く」

です。

みなさん、動作中に息を止めたり、
息を吸う、吐くタイミングがずれていたりしませんか?
今一度、ご確認を。

”ほんとの高重量”を扱う時だけ息を止めることもあります。

スクワットのMAX重量を伸ばしたい時は、
本当に重たい重量に挑戦する場合があります。
このような時は、息を止めて行う
”ヴァルサルヴァ法”というやり方があります。

大きく息を吸い込みながら下降し、
スティキングポイント(一番低いところ)で息をとめ、
一気に力を出して上昇。
スクワット動作の最後の方で、やっと息を吐く
と言った流れになります。
いわゆる”息む(いきむ)時”の感覚です。

息を止めて動作した方が、
筋肉は緊張し力は出しやすくなります。
息を大きく吸い込んで止めるので、
体幹部の安定感も増します。
従ってスクワットは挙げやすくなります。

基本的にMAX重量を伸ばすときのセットは、
・挙上回数が少ない(4回程度)
・セット間インターバルをしっかりとる(3〜5分)
と、スクワット動作時間が短く、
休憩をしっかりとるので回復できます。
だからこその例外のやり方ですね。

でも、心拍数は一気にあがるし、
血圧も一気に上昇します。
高重量のスクワットをした後、
顔を真っ赤にして、
肩で息をしているのをみませんか?
あんな状態にはなります。

やはり、心臓や血管に不安がある人(高血圧など)や
高齢者の方にはやはりお勧めはできない方法です。

まとめ

スクワット動作中に、
「呼吸ってどうすればいいんですか?」
と聞いてくるお客様は意外のいます。

正しい呼吸をしながら
スクワット動作を行ってください。
・さがる時に息を吸う
・あがる時に息を吐く

です!

呼吸循環系器官を機能させて、
・酸欠状態を回避
・過度な血圧上昇を抑制
しながら最後までトレーニングを完遂です。

呼吸を正しく行うことで、
呼吸筋や腹部のインナーマッスルも刺激。
体幹が安定した状態でスクワットを行います。
最後までトレーニングをやりきることができれば、
代謝効率もアップです!

スクワット動作中の呼吸も意識しながら、
トレーニング効果を高めていきましょう!

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