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“次世代モビリティ”の一般参加型体験イベントを開催しました!【実証結果】

今回は、2023年1月18日(水)から2023年2月6日(月)の期間で開催した“次世代のモビリティ”の一般参加型イベント「未来を乗りにおいでよ。次世代モビリティのまち体験」の記事となります。

1.実証概要


本実証記事を初めて読む方は以下の記事で実証概要を紹介しておりますので是非ご覧ください。


本記事では日本未来科学館が実施した「ナビゲーションロボット「AIスーツケース」屋外走行実証プロジェクト」とLe DESIGN㈱ が実施した「PARTNER MOBILITY ONE withPiiMo 走行プロジェクト」の実証の結果や考察等も報告します。

2.ナビゲーションロボット「AIスーツケース」屋外走行実証プロジェクト(日本未来科学館)

2-1.実証内容とKPI

2-2.実証結果の分析・評価

①当事者(視覚障害者)の利用満足度【KPI達成】

  • 90.5%がAIスーツケースを使いやすいと回答した。

  • 76.1%がAIスーツケースを安心・安全と回答した。

  • 安心・安全と感じたポイントとして操作性や回避能力などの基本的な機能に対しては高評価を得た。

  • 危険・不安と感じたポイントは道路の段差や、天候・環境対応などに課題あることがわかった。

  • 95.3%がAIスーツケースは視覚障害者の役に立つと思うと回答した。

  • 95.2%が行政や社会の障害者支援にデジタルテクノロジー活用は重要と回答した。

  • 公共交通機関や商業施設などでのエリアサービスとしての需要が高く、1日レンタルでの希望価格帯は1000円~5000円のレンジが多い。

➁一般社会(健常者)のインクルーシブ意識向上【KPI達成】

  • 86.7%がAIスーツケースが使いやすいと回答した。

  • 73.4%がAIスーツケースは安心・安全と回答した。

  • 93.3%がAIスーツケースは移動弱者支援として重要と回答した。

  • 93.3%がインクルーシブ意識に変化があったと回答した。

2-3.考察と課題

2-4.今後の展望

 今回、行政と協働での実証を通じて、社会実装を見越しての技術適合の実証・検証はもちろん、社会受容性の検証や、都市整備、法規制との調整課題や発見を多く得ることができました。私たちが実現したいのは、最先端の“技術”ではなく、インクルーシブな“社会”です。そのために、引き続き行政や地域事業者、当事者やそこで生活する人々と一緒になって先端テクノロジーを活用し、だれでも気軽に移動を楽しめる魅力的なまちや社会をつくるための実証に、今後も継続的にチャレンジし続けていきたいと思います。

高木啓伸(写真左から2番目)
日本科学未来館 副館長 兼 研究推進室室長
日本IBM 東京基礎研究所にて、全盲の研究者 浅川智恵子(現日本科学未来館 館長)とともに、視覚障害者向けの研究開発をリード。2021年より、日本科学未来館にてアクセシビリティラボを立ち上げ、AIスーツケースをはじめとしたアクセシビリティ技術の研究開発や、実証実験を推進し、インクルーシブな未来社会の体験と実現にチャレンジしている。

3.PARTNER MOBILITY ONE with PiiMo 走行プロジェクト(Le DESIGN株式会社)

3-1.実証内容とKPI

3-2.実証結果の分析・評価

①一般体験者数

  • 土日4 日間、平日 4 日間の体験イベントで、 KPI100 名を大きく上回る 226 名が乗車。

  • 新開発のベンチ型自動運転モビリティと追従車いす型モビリティによる「のんびり観光」への期待の高さが感じられた。

  • 40歳代までの若い世代の割合が 81% 。小さなお子さん連れの家族や、若いカップル、友人の利用が多く見られた。

  • 関東圏の利用者がほとんどだが、このモビリティにのるためにわざわざ愛知県や大坂かた来てくれた人もいた。

②インクルーシブ観光モビリティサービスの満足度

  • ベンチ型自動運転モビリティと車いす型追従モビリティによる「インクルーシブ観光モビリティサービス」の満足度は99 %と極めて高い評価だった。

  • 小さなお子さんのいる家族や、友人、恋人から、ベンチ型モビリティの「大切な人と、特別な想い出を」というコンセプトに対する評価が高かった。

  • 96%の体験者が本サービスに料金を払ってよいと回答。今後は組み合わせる観光ガイドコンテンツごとの事業性検討を進める。

  • 自動運転走行の安心、安全評価で3 名が「とても危険、不安」と回答したが、他の項目の評価は全て高かったため、チェックミスの可能性が高い。

  • 本システムによる自動運転に対し「安心、安全」と回答した人は95 %と回答。不安と答えた方もチェックミスの可能性がある。(前項記載)

  • 安心・安全と回答した人の多くが「安定した走行」を高く評価。移動に不安を抱える方々の観光や移動を支えるサービスの実現可能性を感じた。

  • あえて危険・不安な要素を質問したところ、「寒さ・悪天候」を上げた方が大半であった。

  • 試験期間中は、10 年に一度と言われる「大寒波」が来ており、その寒さの中で 99% の利用者が満足してくれたことは特筆に値する。

3-3.考察と課題

3-4.今後の展望

「すべての人が笑顔で溶け込める、やさしい社会の実現を夢見て」。我々はこのスローガンを掲げて、8年前にPARTNER MOBILITY®の開発をスタートしました。
今回の実証で、ベンチ型モビリティ「PARTNER MOBILITY ONE」と、車いす型モビリティ「PiiMo」を組み合わせて、多様な方が「一緒に」観光を楽しめる「インクルーシブ観光モビリティサービス」の実現可能性を示すことができ、多くの方から高い評価と、早期実装を期待する声を頂くことができました。
今後は実装に向けた事業性評価と運用体制検討に入ります。老若男女、すべての人が安心して、大切なご家族やご友人と一緒に観光を楽しみ、特別な想い出をつくることができる。日本の先進技術の象徴であるお台場が、そんな「やさしい観光エリア」のモデルになるよう、東京都や日本科学未来館の皆さまにご協力いただきながら、しっかりと取り組んでまいりたいと存じます。

東 大輔

名古屋大学大学院 航空宇宙工学専攻で博士号を取得。自動車メーカーでスポーツカーの空力デザイン開発に従事した後、久留米工業大学に移り、Le DESIGN株式会社を起業。全ての人が笑顔で溶け込める優しい社会の実現を目指し、小型自動運転モビリティの開発を産学官連携で推進。

本記事は以上になります!
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【参考】関連サイト

DIC協議会ホームページ
DICスタートアップ社会実装支援窓口
東京都臨海副都心DX推進事業(補助制度)

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