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トロフィー道#28 心の怪盗団再び!『ペルソナ5 タクティカ』

プレイステーションタイトルのプラチナトロフィーを取る過程やトロコンしたからこその感想、トロフィーハンターとしての奮闘をお届けする「トロフィー道」。第28回は『ペルソナ5 タクティカ(P5T)』です。諸事情によりトロコン後かなり時間が経ってから書いているので、若干熱は冷め気味。やはりこういう記事はトロコン後すぐに書きたいですね。とはいえ面白い作品だったので共有したいと思います。
本作は『ペルソナ5』のスピンオフにあたる作品で、時系列としては卒業式が近いくらいの時期。詳細な日付は不明ですが諸々が片付いた後だと思われます。『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』が正式な歴史というわけではないので、明智吾郎や芳澤かすみはDLCのみの登場となります。スピンオフとはいえ、さすがに本筋に絡ませるとなると苦しいですもんね。その辺りは語り出すとキリがないので割愛します。


シミュレーションバトルは戦略的で楽しいが、ペルソナの仕様は微妙。

本作のジャンルはシミュレーションRPG。バトルはターン制になっていて、マス目で仕切られたフィールドで各キャラを動かし戦っていきます。他の作品でいうと「ファイアーエムブレム」シリーズが近いです。まぁ王道のシステムなので他にも近しい作品はたくさんありますが。高低差や遮蔽物、爆発するオブジェクトなどを利用したタクティカルバトルと『ペルソナ5』の1MOREや総攻撃など従来のシステムを上手く落とし込んでいて、シリーズとしては新しいシステムでしたがすんなり馴染めました。戦い方も1MOREを狙いつつ総攻撃でとどめを刺すのが基本となっているので、考え方は『ペルソナ5』と同じというのも面白いです。

少し残念だったのがペルソナの仕様。本作においてはペルソナの属性=状態異常になっており、役割が異なります。自分の方向へ敵を引き寄せる念動属性や1ターン敵を行動不能にする氷属性は使える印象でしたが、次のターンに◯◯みたいな効果の炎や祝福属性は、次のターンにいく前に敵を倒してしまうことが多かったのでイマイチ効果を感じにくかったです。属性の概念が異なるため、この属性でないと倒せないという敵はいないですし、全体を通して状態異常を利用しなくても問題なく進行できるので属性にお世話になることはほとんどなかったですね。

また、ペルソナは固有のスキル+継承スキルの2つしかスキルを持てません。前述したように属性はほとんど意味をなさないので攻撃スキルはキャラが持っているもので十分と判断し、僕はステータスアップや特殊効果系のスキルを持たせていました。場合によっては回復のスキルくらいならあっても良いと思います。加えて、ペルソナを装備するとステータスがアップするというのは『ペルソナ5』と同じ感じなので、本作においてペルソナはアクセサリー装備くらいの立ち位置だと感じました。もう少しスキルを持てたら戦略の幅も広がったし合体する楽しみもあったかなと思いますね。
ただ、属性の件もスキルの件も、『ペルソナ5』と比べるとだいぶシンプルでわかりやすいので、なかなかいないと思いますが初めて最近の「ペルソナ」シリーズに触れるというプレイヤーには遊びやすいはずです。

トロコンを目指す人は序盤から意識することが大事!

トロフィーについてですが、時限要素はないので安心して遊べます。ただ、2周しないと獲得できないトロフィーがあるので周回必須となります(2周目は全クリする必要はなし)。トロフィー自体は簡単なものが多いですが普通にプレイしているだけでは取り逃がす可能性があるため、序盤から意識して行動していくことがポイント。特に合成武器で敵に20回睡眠を付与する「眠りに誘う賢人」のトロフィーは狙って行う必要があると思います。また、各キャラのペルソナスキルで状態異常を20回付与するトロフィーもあるので、満遍なくすべてのキャラを使っていくと良いでしょう。他は様々なものを引き継いで始められる2周目に回しても問題ないです。というかその方が効率は良いです。

合体事故多くない?

なんども事故が続くとプレイヤーもこの表情になります。

ペルソナ合体時に確率で予定とは違うペルソナが生み出されてしまう合体事故。これが起きることで獲得できるトロフィーがあるので確率が低かったら面倒かも…なんて思っていましたが、今作はその逆。合体事故が頻発します。僕だけじゃないですよね?僕は2回目の合体で事故が起きて早々にトロフィー獲得となりました(笑)終盤は大事なところで発生することもあり、ちょっとイライラしました。失敗できない場面ではこまめにセーブしておきましょう。

ネタバレになるので画像は載せませんが、一度の攻撃で合計2000のダメージを出す「限界の一撃」というトロフィーはストーリー中のある場面で取れます。ナビに従っていれば簡単に達成できるので普通に遊んでいれば問題なく獲得できるはず。なんですが、獲得率は32.7%と低め。6、7割取れててもおかしくないと思うんですけど、意外と指示を無視しているんでしょうかね。

トロコンした過程で苦労したところと、初心者が苦戦しそうなポイント

「ペルソナ」シリーズ鬼門トロフィーの代表格といえばペルソナ全書だと思います。今作もペルソナ全書の登録率を100%、すなわちペルソナをコンプするトロフィーが存在します。これが結構やっかいで、2周目から合体可能になるペルソナが数体いるのです。ペルソナにはそれぞれ合体できるレベルがきまっており、その主人公たちがそのレベルに達していないと生み出すことができません。周回プレイではレベルは引き継がないため、2周目でレベル90以上を目指す必要があります。レベルをMAXにするトロフィーもありますが、1周目で頑張っても結局またレベル上げをする羽目になるので、1周目はサクッとクリアしてしまって2周目でレベルMAXを目指すと無駄にならないです。レベル上げをしていれば、意識せずともお金を666666円集める「異世界の大金持ち」というトロフィーも達成できているはずです。ちなみに、このトロフィーは"累計"なのでお金を666666円持っている必要はないです。

評価

プラチナ取得時間 30〜50時間
難易度 ★★
トロコン難易度 ★★★
ゲーム評価 ★★★★
オススメ度 ★★★★

トロコンにかかった時間は約41時間。僕は1周目ある程度のトロフィーを取ったり金策をしていたのでこのくらいかかりましたが、2周目でやり込むようにすると30時間くらいあればトロコンできそうな感じです。難易度系のトロフィーがないので難易度を1番簡単な「SAFETY」にすると楽かもしれません。僕は2周目だけ「SAFETY」にして進めました。ただ、あまりにも簡単すぎるので初見は「NORMAL」以上をおすすめします。












※ネタバレ注意!クリアした感想!

スピンオフといえど「ペルソナ」らしいストーリーは健在。結構ヘビーで心がえぐられる展開もありますが、最後はしっかり落ちる見事な物語でした。そして、今回は特にゲストキャラにもっていかれたような気がしました。エルも統志郎もとても魅力的で、ここで終わりになるのは勿体無いほどです。
この2人は今作ではゲストというか主人公という感じで、怪盗団の存在が薄かったです。そしてまさかの統志郎が覚醒するという展開。てっきりエルが覚醒するとばかり思っていたので驚きました。エルの見た目がペルソナっぽいなと思っていましたがまさか自身がそうだったとは。というか、大人が覚醒するのは統志郎で2人目ですかね?たしか『ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ』に登場したゲストキャラの長谷川善吉が最初だったはずです。しかし、今回はペルソナ覚醒後もエルと統志郎2人を同時にパーティに編成可能という珍しいパターン。ペルソナ自身も独立して戦えるなんてチートっぽいですが新鮮でした。

先ほど怪盗団の存在が薄いと言いましたが、それでも『ペルソナ5』のスピンオフである意味、そうでなければいけないということを感じました。それは統志郎の"改心"だと思います。なにも改心は悪人だけがするものではないですからね。本来ならば怪盗団が心を盗み改心させるものなのですが、今回は怪盗団のメンバーのサポートは受けながらも彼自身が自分の力で過去と向き合い、ある意味改心したと言えるでしょう。そしてその行動がエルの現実での姿である夏原恵利を導いたのかもしれません。エルに助けられ導かれていた統志郎が、今度は現実世界で恵利を助け導いていくような展開は胸が熱くなりました。エンディングではあえての演出で恵利の顔や表情が確認できませんでしたが、きっと笑顔だったと思います。そうであってほしい。

なにも戦争など武力で戦って変えることだけが革命ではないと強く思います。人はそれぞれ毎日辛いことや嫌なことなど色々なものと戦っています。このままではいけないと、何かを変えるため必死で動いている人もいるでしょう。自分が変わることでその影響が人に伝染し、やがて大きな変革をもたらすことになると僕は信じています。本作をプレイしてみて、僕もまずは自分が変わるところから始めてみようという気になりました。何かを変えたいと思っている人は、まず"小さな革命"から始めてみてはいかがでしょうか。




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