『NEXTOKYO 「ポスト2020」の東京が世界で最も輝く都市に変わるために』を読んで

以下の本を読みました。

この本から学んだことは以下です。

東京はより高い国際競争力を持つ街になれる可能性があり、その要素はすでにある。しかし、明確なビジョンを持ち、戦略的に各地域を発展させていくことが重要である。

どのような点で国際競争力があるのかというと、以下のような説明がなされています。

東京には、海外の新興都市にはない資源がたくさんあります。幅広い産業が集まり、食やアニメ、ファッションなどの豊かな文化もある都市はそうそうありません。近代的な高層ビル群の合間に残る、歴史を感じさせる横丁や古民家も魅力です。

一つ一つの要素があることを理解している人は多いと思います。
しかし、これらの要素を統合的に見て、東京の街の魅力として表現するのはとてもユニークな視点で、学びがありました。
東京に住んでいて「楽しいな」「飽きないな」となんとなく思ってはいましたが、魅力的な要素が集積しているからということが理解できました。

一方で、東京に対する世界の評価として以下が述べられていました。

世界への情報発信力や、人材(特に外国人材)の層の薄さが東京の弱みであると分析しています。

英語・外国語でのコミュニケーションがネックになっているのかなと思います。

  • TOEIC・TOFLEの一定ラインを超えないと経団連所属企業の入社試験は受けれないとする

  • 免許の更新のように、社会人になってから、3~5年ごとに再試験を行う。パスできたらリスキリングのための手当がでる

受験というインセンティブで大学入学時の英語力はそれなりに高いはずです。そこからさらに英語力を伸ばすためには、なんらかインセンティブが必要かなと思います。

今後の競争は、数値化できるスペックや機能ではなく、製品や顧客体験のデザイン、ブランド価値などが主戦場です。

モノや情報があふれかえっており、とにかく安い、性能がいいだけでは過当競争の中で勝ち抜けません。

街の個性を際立たせることは、観光促進にも大きなメリットがあるはずです。

原宿・渋谷、秋葉原、新宿、池袋、竹芝・日の出・芝浦・天王洲、浅草、築地といった街が取り上げられていました。
原宿・渋谷はストリートカルチャー、秋葉原は電脳フィクションの街といったような個性があるといった説明がされています。

上記以外にも、個性を磨くと魅力が光る東京の街があるのではないかと思います。
東京各所に個性的な美術館がありますが、アートを切り口にするのもありかなと思います。
その他、食についても都内各所に素晴らしいレストランがたくさんあります。そこを目的にして、その周辺の街を散策できるような仕組みを考えてもよいかもしれません。

都市に取り込む技術として、特に重要なのはデジタル技術やIoTです。

TOKYOの街を「IoTの実験場とショールーム」として徹底的に活用することです。

食やアニメ、ファッションなどの豊かな文化があるので、これをテクノロジーでより魅力的にすることはできそうに思います。
ソムリエやシェフの日本語の説明を即座に翻訳するようなデジタル機器を星付きレストラン全店に設置するなどできると、各段に満足度が上がるように思います。
デジタル機器を使うと、英語だけでなく、多言語で対応ができるようになります。これまでネックだった部分が、一気に解決します。

世界の先進国を見渡しても、「外に出て、気持ちよく体を動かせること」が重要な価値となっている都市が増えています。

車社会で歩道が整備されていないというインフラ面も問題ですが、夏の暑さをどうにかしないといけないと思います。
都内全域で打ち水をするようなイメージで、アーケードからミストをまくような仕組みがあってもいいかもしれません。
コンビニの店頭に設置するのも良いかもなと思います。

東京は、発展余地の大きい街だと思います。
日本の貿易収支が大幅に赤字ですが。
それを解消する手段として、東京の魅力を最大限に発揮することは、非常に有効な手立てであることが理解できました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?