「ソフトウェア・ファースト」を読んで④

以下の記事の続きです。


日本的な管理職は、まず事業運営にかかわる何かしらの専門性を高め、担当領域におけるマネジメントのプロに変わっていかなければなりません。

及川卓也. ソフトウェア・ファースト (p.139). 日経BP. Kindle版.

マネージャーは上位レイヤー・現場サイドに挟まれて、社内の調整、コミュニケーションに奔走して、チームメンバーのアサインメントやコーチングといったことがおざなりになりがちです。
上からのプレッシャーが大きいので、上をみて仕事をしがちかと思いますが、顧客と向き合っている現場のメンバーがいきいきと働けるようになることの方がより重要性が高いはずです。

それでも、できるだけ多く予算を確保できるように奔走したり、時には上司や会社に対して現場側の意見を伝えながら、事業推進とメンバーの成長を両立できるように動かなければなりません。会社の方針に沿った上で、現場の自由な発想を大事にして、より良いチームワークを生み出す。この役割を板挟みと感じるか、会社と個人を結ぶ重要なコネクターと感じるかは大きな違いです。

及川卓也. ソフトウェア・ファースト (p.142). 日経BP. Kindle版.

板挟みになる状況は往々にしてあります。この状況をどう捉えられるかが、良いマネージャーかどうかの一番の分岐点ではないでしょうか。
難しい課題が出てきたときに、それを解決しようと1歩踏み出せる人がリーダーだと思います。
組織内の力学への向き合い方については、以下の記事を書きました。

リーダーシップ・チームワークについては以下の書籍も参考になりました。

最強のチームの条件として以下の2点を挙げています。

一つは、「チーム内で、コンフリクトを恐れない真剣で活発な議論が行われる環境が整っていること」、もう一つは「メンバー全員が、チーム・メンバーであると同時にリーダーである」ということだ。

伊賀泰代. マッキンゼー流最強チームのつくり方 DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー論文 (p.14). ダイヤモンド社. Kindle版.

マネージャーだけがリーダーシップを発揮して、疲弊してしまうという状況はよくあります。上記のような環境とチームが作れると本当に強いと思います。
活発な議論をするときに、コミュニケーションについて、論理と感情を分けることが最も大事かなと思います。
意見・スタンスを伝えた上で、自分の気持ちを伝えるという順序をとる必要があります。
感情が先に来ると、議論が紛糾して収集がつかなくなりがちです。

チームメンバー全員が同時にリーダーであるというのは、各自が公私でリーダーシップ経験を以下に積むかかと思います。
職場でも自分の意見を明確にして発言をしたり、誰もやりたがらないような面倒な仕事を一歩踏み出してやるようなことが大事です。
また、課題を挙げるだけでなく、どのような解決案を構想できるかの方が重要です。ここが問題だというのは比較的簡単です。それだけでは文句を言うだけの人になってしまうので、その課題について①解決した時のインパクトは大きさ②解決可能かの2軸で仕分けを行い、手を動かして課題解決に向かうことが大事です。
その中で、意思決定をして、関係者とコミュニケーションを取り、ものごとをスピーディーに進めていきます。

マネージャーは自分がリーダーシップを発揮すると同時に、ステークホルダーをどう巻き込むか、そしてチームのリーダーシップのキャパシティをどう引き上げていくかが重要だと考えます。

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