Deep Skill ディープ・スキル 人と組織を巧みに動かす 深くてさりげない「21の技術」を読んで

以下の本を読みました。

この本から私が学んだことは以下です。

一定規模以上の組織で成果を出すためには社内調整・社内政治は必要なスキル。以下に社内のキーパーソンを動かして、会社の意思決定を進めるかが事業会社の担当者に求められることである。一見無駄に見えるようなことも、仕事を進めるために必要なことはやるべき。

本書の中で、ディープ・スキルの定義は以下とされています。

人や組織は、理屈だけでは割り切れない複雑な存在なのです。

経営陣、上司、部下など社内の人々を味方につけるためには、そうした「人間心理」への鋭い感性が求められます。

「組織力学」に対する深い洞察がなければ、組織を動かすどころか、組織に押しつぶされてしまうのです。

「深い洞察」に基づいた「ヒューマン・スキル」であることから、私はこれを「Deep Skill(ディープ・スキル)と名付けました。


これは、生成AIが広がっていく時代にも必要なスキルだと思います。
知識や作業は生成AIが教えてくれます。
しかし、ヒトや組織を動かすことはAIにはできません。
組織内の様々な立場や考え方の人をどう動かしていくかは、これからの時代にさらに求められそうです。

一方で、一定規模の組織には、不毛と思えるような謎のルールや作業があります。
その中で、仕事のスピード感がないということもあるでしょう。
これに我慢できるかどうか、というのは一定あります。
成長環境として大きい企業が良いというのは、ほとんどのケースでないと思います。

このあたりのバランスが難しいところです。

一定規模の組織でリソースを活用して、大きな仕事をするのか。
ベンチャー企業など小さい組織でカオスな環境で働くのか。

両方あると理想なのですが、なかなかそういう会社・組織はないと思います。

①ヒト・モノ・カネの社内リソースがどれくらい自由に使えるか
②どれくらいカオスな環境か
の2軸で考えると良い職場選びができるのかなと思います。

たとえば、①②ともにあるのはユニクロとかリクルートといった企業かなと思います。かなり規模は大きいのですが、急成長を続けていて、新しい価値を創る仕事がたくさんありそうです。

一方で、①はあるけど②はない企業は、いわゆるJTCかなと思います。
かなりのリソースはあるものの、それを新しい価値を作るためになかなか投下できない、組織の意思決定ができない環境が大企業には多そうです。

①はないけど、②はある企業は、スタートアップ・ベンチャー企業です。
最近だと、大きな資金調達をしているので、①②ともにあると言える小規模の組織もあるかもしれません。しかし、定常的にキャッシュを稼いで、黒字経営をしているスタートアップ・ベンチャー企業は意外と少ないように思います。そのため、ヒト・カネの使い道に自由度が少ないケースが出てきそうです。

①②ともにない…のは補助金だよりの、いわゆるゾンビ企業でしょうか。
物価もあがり、人手不足の環境なので、今後はこういう企業が生きながらえるのが厳しいと思います。

①ヒト・モノ・カネの社内リソースがどれくらい自由に使えるか
の自由度というのがポイントで、ディープスキルを使ってリソースが自由に使えると、②のカオスな環境を自分で作れるということも考えられます。

①②ともにそろっている企業はレアですが、②のみある企業は日本に多いです。
その環境で、組織を動かせると市場の中で希少性のある人材になれそうです。
ただし、そのパワーを持てるまでに不毛なやり取りが多くそれに耐えられない人は、②がある環境に飛び込んだほうが良いとも思います。

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