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地方学生が東大に進学するということ①


私は地方で生まれ育ち、大学進学を機に上京しました。

大学に入って3年が経ち、卒業という言葉が頭に浮かんでくるようになりました。自分の学生生活の振り返りも兼ね、特に情報が不足している地方学生に向けて大学のことを発信しようと思いました。

はじめに

「特に情報が不足している地方学生に向けて」と書いたのは自分の体験に基づく理由からです。


大学入学以降、高校生の頃に知っていたら....と思うような情報に出会う瞬間が何度もありました。

・進振りを突破するためのコツ
(※主に1・2年次の成績で進学学部が決まるので、やりたいことをするためには講義で良い評価を取って行く必要があります)

・〇〇語は〜〜な特徴の生徒が集まるらしい
(※東大は第二外国語の選択によってクラス分けが為される)


上のように、東大で生きていくための情報を入学当初から持っている学生が周りに結構いました。さらに、東大に関しての情報は受験生時代も普通に入ってきたという人もいました。
彼/彼女がどのようにして情報を得ているかというと、学校の同級生や先輩とのこと。これが都会の受験生なのかと驚き、震えました。

私の受験生時代といえば、ひたすら蛍雪時代(受験情報誌)や合格体験記を読んで、なんとか東大に受かるヒントを得ようとしてみたり、Instagramの勉強アカウントをフォローして、都会の学生はこんな勉強をしている!と闘志を燃やしたり。生の情報はほとんどないに等しかったです。


東大に進学した先輩も東大生の知り合いも身近にいなかった私にとって、テレビに映る東大受験生・現役東大生が「東大生」でした。
「天才」「難関進学校出身生」「クイズで難題に即答する理解の範疇を超えた頭の回転を持つ人々」しか存在していない場所なのじゃないかと本気で思っていたし、テストが得意なこと取り柄だった自分は、本当に受かるのか?と常に不安でいっぱいでした。

それも、情報不足による間違った認識でした。私が入学して出会ったのは、(こういうと語弊があるかもしれませんが)"普通"のひとたちで、私が脳内で作り上げてきたイメージとは真逆の学生が多かったです。会話についていけなかったらどうしようと入学前日までドキドキしていたから、クラスメイトの和やかさにびっくりしていました。

今振り返ると、東大だって大学だし、受験する学生も一般の高校生だし、普通の学生がいっぱいいて当たり前!と思うけれど、その時の私にとっては、東大にいる学生さんとテレビで見た東大生のイメージのギャップは衝撃的でした。
この経験から、地方から東大に進学することって簡単じゃない、と一層強く思うようになりました。

進学への壁

東大受験に限らず、受験勉強を乗り切るには、高いモチベーションを維持し、多大なエネルギーを燃やし続けることが必要です。「無理かもしれない」と思いながら勉強を続けることは苦しいし、そもそも大学での生活や大学生の姿を知らないまま進学先を決めること自体が大きな不安要素になり得ます。地方では東大進学の参考になる情報源がまだまだ少ない状況にあると認識しています。

母校の生徒さんから、「東大は違う世界」「進学しても楽しくないんじゃないか」「東大は難しそう」という言葉を何度も聞きました。

一方で、大学の友人の一人は「周りの子が東大に行くっていうから東大にしようと思った」と言っていました。「周りの子が東大に行くっていうから」という理由は少なくとも私にはなかったものです。

「周りの子が東大に行く」という環境が生徒に与えてくれるものの力はとても大きいと思っています。



1私も目指せるという勇気
2仲間と頑張れるという意識・環境
3例年東大進学者を出す学校であれば、進学するためのノウハウ

ウェブサイトやSNSなど情報を得る手段はありますし、オープンキャンパスや学園祭に行って実際の雰囲気を体感するという方法もありますが、1〜3を得ることはなかなか難しいものです。

家庭的・経済的状況や一人暮らしへの不安など、進学へのハードルになる要素はいくつもあるのは承知しています。

しかし、

東大に関する情報の少なさによって、
東大進学への心理的なハードルを感じ、
進学先を選ぶ際、そもそも東大を選択肢に入れない

という生徒さんが少なからず存在しているのではないか。
というのが私の問題意識です。

大学への進学が正であるとも、東京大学が一番いい大学と思っているわけではありません。ただ、私は自分の通う大学がすごく好きです。ここで学生生活を送ることができているという現実に毎日感謝しています。

自分が素敵だと思っている大学だから、もっと東大をたくさんの方に知ってもらいたい。進学をためらっている生徒さんや情報がない中でもがむしゃらに頑張る生徒さんが、勉強を頑張るきっかけが増えたらいいな。このような想いを持っています。
いつかこのnoteを読んでくださった誰かに、東大受験への心理的なハードルが少し下がったと思ってもらえたら嬉しいです。


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