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岡崎市旬の魚と釜飯の店「魚信」さん、コロナ禍経営奮闘記27〜9月16日

あらら、2週間以上も空いてしまいましたが、こちらの続き。

先月の結果は結構衝撃で、そこからどう立て直していくか。長期の戦略と短期の戦術。まあ、プロ野球でいえば、今シーズンの優勝のためにどういうシナリオでいくか、が「戦略」で、目の前の今日の試合をどう勝つかが「戦術」と説明したらわかりやすいかな?

「長期的視野でプレイしていれば、短期間の結果がどうであれ、長期的な勝者になるためのプレイをしていることに満足できるようになる」。

とギャンブルの達人が言うように長期的視座で経営する社長は短期の結果について動じないわけですが、負けることが好きな人はいません。足元の結果については社員たちも取引先も気になります。自分でも「大丈夫」と言いつつも気になるわけです。なぜなら、誰でも勝ちたいからです。成功したいからです。

 西田さんも勝ちたいと思えば勝てることを魚信の社員全員に立証しようと考えています。ただし、弁舌をふるって社員を鼓舞したり、目標を達成したら臨時ボーナスを、といった小手先の操作など役に立たないことがわかっています。永続する成功を収めるには、スタッフ1人1人が会社のためでも、取引先のためでも、お客様のためでもなく、自分のために勝たなくてはなりません。スタッフ全員が自分のために勝ちたいと思わなくてはならないのです。

 コロナ禍となり、これまでの戦略は通用しない、と方向変更を決断。これまでの「味の集会場」という代名詞を取っ払うほどの戦略的「変態」にチャレンジ中です。以前とは異なる「世界観」=自分たちはこれからどうありたいか?を考えるタイミングという自覚のもと、釜飯に、本格豆腐づくりに、一流の寿司和食職人の参画と徐々に体制も変化しています。とはいえ、足元の業績は追いつかなかったってことが悔しいのです。

 様々調査し分析した結果、原因ははっきりしてきました。コロナが、第2波の自粛要請が、という外的要素をいくら挙げても仕方ないので、そこは問わず、この環境変化に対して、どう対応できたか、できなかったか、という点に焦点を絞って見直すとわかってきたことがありました。厳しかったねぇ、西田さん。

西田さん「結果論で言うと、8月は右往左往でした。9月入ったけどなかなかねぇ。安倍首相がお辞めになるいうことで、話題が政局になってコロナコロナ言わなくなったのは良いこと。僕らはお客さんがいつ来てくださっても良い様に日々準備をしっかりしておくだけです。」

師匠も来られてますものね。

西田「なんと言っても、今まで包丁研いだことない若いもんが、道具しっかり整えないと料理人はいかん。と研ぎ始めたンだね。師匠の影響が大きくて、ありがたいですね」。

何しろ、国賓に和食を提供してこられた大師匠ですから、学ぶことが多いじゃないですか?

西田「ですね。1つ1つの所作や業務に対するこだわり・姿勢が全て勉強になってます」。

8月のGoToキャンペーン、東京都の中止も影響ありましたね?

西田「そうですね。東京から帰省されるお客さんが食事を、と言うことで予約いただいていたのが、全部飛んじゃいました。400席です。ただ、その後の分析で、他社が準備していたことをうちが用意できていなかったから減速した、と言う事実が判明したのは大きかったです」。

それはなんですか?

西田「マクドナルドさんもKFCさんもスシローさんも王将さんも売り上げが落ちていない企業さんを調べてみると、お持ち帰りメニューをしっかり作っておられてアピールも上手。コロナ前から普段からのサービスもQSCできちんとされていたからこそ、お客様からの信頼も厚く、それがこうしたコロナ禍でもお客様の安心につながっているからこそ着実に伸びていますね。コロナ禍でも客単価が前年よりもプラスをずっと維持されておられる。だから売上も大幅に落ちることがありませんでした。残念ながら、当社にはそうした力がなかった。実力不足です。そのため、厳しい現実に向き合うこととなりました」。

確かに好調な外食企業は、客単価が100%を遥かに超えて高いレベルにありますね。

西田「そうです。うちはもう宴席戻らないぞ、新しい体制で行くんだぞ、と言いながらも、「「三密」避けた席の上限=売上上限」。この構造で改善が留まってしまっていました。魚信らしいお持ち帰りやデリバリーを求めるお客様の声がたくさんあったのに、もう一歩改善が届かなかった。7月から新しいメニューとして「釜飯」を導入できたことでコロナ対策できたぞ、とできてないのに、ほっとしてしまい、油断がありました。せっかくの「釜飯」メニューの見せ方や「お持ち帰り用の釜飯御膳セット」、「一流職人の手による舟盛りのお持ち帰りセット」などが準備できていれば、「第2波の自粛」も乗り越えられたかもしれなかった。けれど、今回も3月の時と同じように、宴席のキャンセル電話の前に何もできず、ただ立ち尽くすしかなかった。ご予約キャンセルの電話の際に、「それならお持ち帰りができますよ」「後日振替できますよ」と答えられていたら、、、。ああ、コロナの前には無力だな、と。工夫もできなかったことが厳しい8月となりました。すでに4月から前年比100%超えを果たしている他社があるわけで、その学びを十分に活かせなかった。悔しい一月になりました」。

そう言う反省を踏まえて、9月ですが、もう半月経過、いよいよ敬老の日の三連休を迎えますね。

西田「おかげさまで、9月は第1週と第2週と2週連続で月曜・火曜のお休みをいただき、そこで9月以降の日程をあらためて眺めながら、直近ではこの3連休にいらして頂けるように、そして、お持ち帰りも頂けるようにと、あらためて地元のお客様に喜んで頂けるにはどうしたら良いか、を考えています。うちは、無肥料無農薬の安心・安全で美味しい自然栽培米 中山農園様「ひなたのお米」を使っていますので、この美味しいお米でね、思い切ったプレゼント企画もスタートします。岡崎から盛り上げようと思ってますんで、この3連休、魚信本店も、そして、うおのぶ食堂も盛り上げていきますから、皆さんお願いします!」

面白く、そして、美味しい3連休になりそうですね。今週もよろしくお願いします。

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https://note.com/dialogjapan/n/n8fb922910197

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