「みずほ」でお買い物?
詩誌「潮流詩派」191号掲載 [2000年頃作成]
休日
買い物に出かけようと思った
脳裏に最寄のキャッシュカードコーナーの
映像が浮かんだ
いつもの様にそこには
笑顔にみちた店員たちがいる
その点については
今でも疑い得ない
その明るい部屋には
いつもの様に多くの人々がいて
静かに金を出し入れしていく
そんな光景が
絶えることなく
繰り返されていたはずだった
今彼は
突然「責任」を放棄し
不気味に静まり返ってしまったシステムとの果てしない戦いの直中にいる
(彼の同僚はこの銀行の在職時に鬱病になりすでに去っていった)
生まれて初めて
自分が勤める銀行のATMから
自分で金を引き出そうとした
その日の出来事が
これである
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