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自分の人生の「自由と寛容さ」を自ら行使する。それがマインドフルネスの本質

感動ポルノと瞑想ポルノ

感動ポルノとは、勝手に問題を美談にして苦境を称賛することで問題を感動という刺激のエッセンスとして消費すること。
瞑想ポルノは現実で起こっている問題に向き合わず、その場をしのぐために瞑想で気持ちよくなること。

わたしは昔から母の日に「お母さんありがとう」と言わされることに違和感がありました。わたし自身も子を持つ母親となりましたが、それは治るどころか、もっと顕著なものとなりました。わたしの父は幼い頃に他界したので、我が家は一人親家庭でした。

称賛される女王蟻と働き蟻

だから「お母さんありがとう」は5月の日曜日のセリフではなく、毎日当然のことでした。なぜ母親が子供の健康や能力値まで一人で責任を負わないといけないのか、わたしは子供ながら不思議でした。

でもわたしに何かあると、全部お母さんのせいになるのです。

日本の母親論もこの感動ポルノ構造でできています。「お母さんありがとう」と母親を女王のように称賛して、子育てと家事の全ての責任をお母さんになすりつけます。他の人は知らん顔で、問題が起こればお母さんが「あなたが悪い」と言われるのです。責任の所在を話し合うだけで、解決には興味がありません。

そして6月になると今度は「お父さんありがとう」と言って、お父さんに労働を押し付けて、働き蟻であることを称賛します。

その勲章は「あなたが犠牲になって現状維持してくれ」っていうブラックメールです。

イスラム系国家と同じジェンダーギャップを持つ日本

問題に耐えている姿を美談にして勝手に気持ちよくなって、解決には無関心。そして解決どころか刺激物として消費しているというポルノ意識は、ある意味タリバンよりもタチが悪い。

日本のジェンダーギャップ指数の順位がイスラム系の国の間に挟まれてしまうのは、こういうことなんだろうと思います。

日本のジェンダーギャップ指数は世界156カ国中120位(2021年)最下位はアフガニスタンです。調査対象となる6項目中「選択の自由」と「寛容さ」のスコアが低いために、男尊女卑が顕著なイスラム系国家と肩を並べるような結果となっています。

無理が生じているのであれば、どこかでバランスを取らなければいつかは崩壊してしまうところを、感謝と賞賛で無理強いされてしまう。称賛する方は自分は何もしなくていいから、すごくコスパがいいんです。

「ありがとう」の乱用。

社会的な問題だけではなく、家庭でもそれが普通に行われる。子育ても経済的自立も、残業も休暇が少ないのも、全部賞賛で片付けられる。「ありがとう、ありがとう」とひたすらありがとうを乱用する。

わたしは当事者として称賛されると腹が立ちます。それは健康な証拠だと思っています。ですがそこで犠牲者になってしまうのではなく「まずは自分から」できること、それを考えて違う選択をすることが、「マインドフルな生き方」だと思っています。

マインドフルネスだって、労働者のパフォーマンス能力をブーストするために使われいることが最近では懸念されています。

ストレスに強いスーパーヒューマンを開発するかのように、マインドフルネスを取り入れることで利益を得ているのは企業であって、個人の豊かさではないという論文も出てきています。

マインドフルネスの乱用。

今ここに意識を集中することで、問題がある状況を何とかしのごうとするのは、本来のマインドフルネスからは遠い発想です。

「マインドフル」という言葉は今ここにじっと目をこらすことではなく、習慣化で自動化している意識活動を認知することで、選択の動機に気づいていくことです。

だから習慣で無意識的に感動ポルノに自ら加担するような選択をしていることだってあるわけです。

本当にマインドフルネスを実践するのであれば、自分がヒロインになって感動ポルノに参加していないか自問自答するという自己分析から始まります。全てをほっぽり出して無になるなんてことはしません。

そして自作自演している自分を見つけたら、受け入れて、まず自分からそうではない選択をするのです。それを繰り返し積み重ねて意識の自動運転を解除していくことが瞑想の本質で、気持ちよくなって終わりの瞑想も瞑想ポルノです。

被害者になるのではなく、当事者として自分の人生の「自由と寛容さ」を自ら行使する。それがマインドフルネスの本質だと考えています。

だからマインドフルネスではなく、自分の内にある強さ、豊かさ、智慧に触れていくインナーセンスオブワンダーという言葉を使いたいと思っています。

自分の内にあるセンスオブワンダーに触れていく

自分の内にある強さ、豊かさ、智慧に触れていくことで、わたしたちの一挙手一投足の選択は自然に変容していきます。それが世界全体の雰囲気を変えるとわたしは信じています。

インナーセンスオブワンダーはシンプルな瞑想と仏教心理学をベースにした自己分析で本来の自分に回帰するプログラムです。

この無料講座は、インナーセンスオブワンダーのコンセプトに共感し、応援してくれる方に向けて製作した無料プログラムです。

90分の動画と、25ページのスライドブックで構成されています。自分のペースでインナーセンスオブワンダーへの理解を深めることができます。

インナーセンスオブワンダーが、自由な生き方の選択への第一歩を踏み出す後押しとなることを心より願っています。


いただいたサポートは、博士課程への学費・研究費として、または息子の学費として使わせていただいています。みなさんのサポートで、より安心して研究や子育てに打ち込むことができます。ありがとうございます。