Constellation Networkは米空軍とも協業する高速ネットワーク
この記事は2022.11.14にニュースレター(Link)で配信した内容です。
Constellation Networkとは
2017年に開始されたConstellation Networkは、オープンソースの開発者ツール、広大なスケーラビリティ、および無料で安全性の高いネットワークを提供しています。
「無料で」「安全性が高い」という特徴だけをまずはおさえておけばよいです。
「Hypergraphネットワーク(HGTP)」を開発し、その上で稼働するネイティブToken「DAG」 を発行しています。
Hypergraphネットワーク(HGTP)とは
Hypergraphネットワーク (HGTP; Hypergraph Transfer Protocol) は、トランザクションの検証に使用される無料の分散型ネットワークです。
分散型台帳技術の一種である、有向非巡回グラフ(DAG; Directed Acyclic Graph)プロトコルを採用しています。
「DAGプロトコル」は「ブロックチェーン」とは異なる分散型台帳技術のひとつです。
イメージでいうと上図のように様々なIoT機器が相互に接続し合いデータのやり取りや検証をするときに使われるネットワーク基盤と考えてください。
DAGとは
DAGの特徴は以下の通りです。
DAGは「Directed Acyclic Graph」の略で「有向非巡回グラフ」というもの。
分散型台帳技術(DLT)のくくりの中に、Blockchain方式とDAG方式がある。
DAG(有向非巡回グラフ)とは簡単にいえば「方向性があり、後戻りのできないランダムな点と線の繋がり」のこと。
Blockchain方式では一般に、複数の取引データをひとつのブロックにまとめて承認するためブロック生成時間とマイナー(取引検証者)への報酬が必要であり、スケーラビリティに課題がある。例えばBlockchainのBitcoinではブロックサイズは1MBに制限されており、1つのブロック生成速度は10分かかる。
DAG方式ではブロックにまとめずに個々の取引データを一つずつ承認していくため高速な処理が可能。処理コストと時間のかかるマイニングが不要であり、スケーラビリティ問題を解消する特徴がある。
下図は「ブロックチェーン」と「DAG」を対比したイメージです。
Constellation NetworkによるLayer0標準
Constellation Networkは上図のようにLayer0の部分に位置します。
例えばAmazonがhttpプロトコル上にECサイトを構築し、その上で膨大な商品出店がされているように、Constellation Networkのhgtpプロトコル上で様々なブロックチェーンプロジェクトを「Metagraph」として構築することが可能となります。
Layer 0に位置する、ということについては下図をイメージまでに参照ください。
ネイティブToken「DAG」とは
「DAG」トークンはHGTP ネットワークのネイティブTokenであり、hgtpネットワーク上のState Channelと各ノード間で行われる取引承認時に使用されるTokenです。
Constellation Networkは無料の分散型ネットワークですが、重要なデータや大きなデータ処理の場合には、より多くのスループットを必要とするため、取引手数料が発生するケースがあります。そのようなケースでデータ処理を行うノードオペレーターに対する報酬としても「DAG」が与えられる設計となっています。
Constellation Networkと米国空軍 (U.S. Air Force)
Constellation は米国空軍と共に防衛輸送システム全体において、ビッグデータの高いセキュリティと高速なデータ処理の実現を目指しています。
米空軍内部のシステムは、まるで大企業の縦割り組織のようにサイロ化されており、膨大なデータの中から必要な要素を見つけアクセスするには多大なマンパワーが必要です。
そのような旧来のシステムを改善すべく、Kinnami Software社とも提携し、Hypergraph Transfer Protocolを適用した暗号化と分散データ管理を実現する環境を実現しました。
2021年8月にはフェーズ2に向けた契約を締結。
下記の記事に注目。
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