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真っ赤なバーコードにブランドアイデンティティを込めた「アナザー・ジャパン」ロゴデザイン。

自身の夢のため、生まれ育った地元を離れ上京してきた学生たち。「アナザー・ジャパン」はそんな学生が本気で商売を学び実践する、47都道府県地域産品セレクトショップです。
なぜ、このプロジェクトのロゴは真っ赤なバーコードである必要があったのか。今回はそんな話を少しさせてください。

勝山浩二 Coji Katsuyama | monodachi
合同会社オフィスキャンプ デザイナー/アートディレクター。1986年生まれ、大阪市出身。グラフィックを軸にした広告デザインやWEB、プロダクト、ブランディングなどを手がける。地域プロジェクトや企業ブランディングなどを手がけるデザイン事務所を経て、現在は奈良県奥大和地域にフィールドを移しローカルデザイナーとして活動。木材産地で地域にねむる林業や木工産業、農業、地域に関わる起業家たちと共にプロジェクトを進行中。




私たちがつくる、もうひとつの日本


「アナザー・ジャパン」は学生が本気で商売を学び実践する、47都道府県地域産品セレクトショップ。東京のど真ん中、日本橋に2027年に向けて開発される日本一高いビル「TOKYO TORCH」に位置します。
2022年には、日本を6つのエリアに分けて2か月に1エリアずつ企画展が巡回する第一期開業。
2027年には、各都道府県のショップ(出身の学生が経営)が47店並ぶ第二期開業と、壮大なプロジェクトです。

「学生が」と言っているのは、販売員ということではありません。経営から、企画、仕入れ、プロモーション、そしてもちろん販売までを学生が担うのです。
大人が作ったお店に、学生がアルバイトとして働くのではありません。

自身の夢のため、20年近く生きてきた生まれ育った地元を離れ、通学のために東京(関東圏)に上京してきた学生たち。
そんな彼らが持つ「フロンティアスピリット(開拓者精神)」と「郷土愛」をテーマにした新しい試みのプロジェクトが、アナザー・ジャパンです。

学生が自分たちみんなでつくる、もうひとつの日本。
アナザー・ジャパン


ナウ・ジャパン=「日の丸」
アナザー・ジャパン=「?」みたいなものをつくる


このアイデンティティには、2つの役割があります。

1つ目は、郷土愛をもつきっかけになること。

「故郷」という定義が曖昧なため、自分には故郷がないという人もいます。両親の地元があろうがなかろうが、北海道出身でも、東京出身でも、海外で育ってても、何度も引っ越ししてても。そもそも地元愛がある人もいれば、地元のことをまったく知らない人もいる。
我々にとって「故郷」は曖昧で、儚げなものです。
そもそも、たまたま訪れた地域が第二の故郷になることもある。そう、誰にでも故郷はあります。

もう1つは、同じ方向を向いているみんなの指針になること。

少し例えは悪いかもですが…。
カラーギャングやチーマーのような地元愛、チーム愛を創出するためにビジュアルが必要だったんです。海賊の旗のような。
単純なロゴマークではなく。


日本を、もっと自分ごとにできるアイデンティティ


大きな塊としての日本ではなく、日本をもっと局所的に見せる方法は無いかと考えました。解像度を上げるというか、ぐっと寄れる方法。

そこで、
47都道府県を分割し、それぞれの都道府県の面積で割り、左から北海道〜右端が沖縄と都道府県番号順に47本の線を並べました。
日本を表す真っ赤なカラーで。

それがこのアナザー・ジャパンバーコード(みたいなやつ)

これにより、日本をもっと局所的に見ることができ、バーコードマークのストライプの中に自分の地元の居場所がある…!とか。めっちゃ大阪小さいやん、東北や九州は大きいとこ多いな、北海道でっかいどう、群馬と栃木ってどっちが広い?とか。島根と鳥取って名前似てるのにダントツで島根が大きいね。…みたいに、これまで知らなかった様々なことが見えてきて、コミュニケーションが生まれるかもしれません。

あとは、微調整です。
並び順を面積順にしたり名称順にしたり、都道府県の隣接する線同士の余白の太さを調整したり(←これが大変な作業だった…)、ロゴタイプを整えたりしながら、デザインを完成させます。


なぜ、真っ赤なバーコードがアイデンティティになったのか?


ロゴデザイン(VI ビジュアルアイデンティティー)には様々な役割があります。
会社や店舗やブランドの、信念を表すため。性格を表すため。または、同業他社との差別化のため。業界やら、流行やらを表すため。など。

今回は、なぜ、真っ赤なバーコードがアイデンティティになったのか?

たくさんの学生たちが、同じ想いをもって、さらに紡ぎながら、このアナザー・ジャパンという店舗を、プロジェクトを営んでいってほしいから。
さらに、それをたくさんの人たちに応援して支えてほしいから。そのように人たちが互いに作用し合うコミュニケーションが生まれるようなシンボルが必要だったのです。

真っ赤なバーコードを見かけたら想い出してください。あなたの地元のことを。
そして、これから若者たちがつくる、もうひとつの日本のことを。

それでは、今回はこのあたりで。ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。また機会があれば他の記事も読んでください。




Client: MITSUBISHI ESTATE Co., Ltd. / Nakagawa Masashichi Shoten
Creative Agency: Office Camp llc.
Art director, Designer: Coji Katsuyama
Store Designer: Yagyug Douguten
Cover Photographer: Kiyoshi Nishioka

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