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小学生でも分かる止めて・蹴る!! −位置について、よーい、ドン−

こちらの記事は2019年7月の記事にリメイク版です。

スペインサッカー研究所では僕がつけているサッカーノートを毎朝noteサークルにて公開しています。


Hola Chavales!!!!!

今日は小学生の練習に参加してきまして。

先週の土曜日からコーチとして関わり始めて今日が3回目のトレーニングでした。

コーチからは『止める・蹴る』について教えてあげてほしいと言われていて、

この1週間自分なりの『止める・蹴る』について考えたので今回はここで紹介したいと思います。


最初に伝えたこと

実際に選手に伝えた表現のままハナシていきます。

まず選手たちの前でこう言いまして。

『結論、ボールを止めたらダメ、ボールを蹴っちゃダメ』

それを聞いた子供達の顔はポカーンと。

『この人何言ってるんだろう』って感じ。


50メートル走

まずはじめに『体の向きの大切さ』についてのハナシ。


選手たちに聞きました。

この中で一番足の速い子は誰?


そして、その選手に50メートル走をしてもらいました。

『向こうにあるゴールまで走ってみて。いくよ。よーい、ドン!』


そのあとに選手たちにこう質問したんです。

『良い体の向きって何だと思う?』


『良い体の向きっていうのは自分の向かいたい方向に体を向けることなんだよ。みんな50メートル走を運動会で走る時、横向いてスタートしたり、後ろ向きでスタートしたりしないでしょ。みんなゴールに正面を向いて走るでしょ。サッカーも同じなんだよ』


止めるとコントロールは違う

次に説明したのは『止める』についてのハナシ。


選手たちに聞きました。

『この中で英語が得意な子いる?コントロールって日本語でなんていうんだろう?』


辞書で調べてみると『コントロール=支配する』と出てきます。



『あれ、止めるとコントロールって意味が違うんだね。一番最初にボールは止めちゃダメって言ったんだけど覚えてる?』


そしたら1人の賢い選手が

『じゃあ、ボールをコントロールするってこと?』

って質問してくれました。


『大事なのは体をコントロールすることなんだ』

そう言うと子供達の顔は再びポカーンと。


『さっき良い体の向きについて説明したよね。君たちはいつも対面パスをしてるからボールを止めようと(コントロール)しちゃうんだよ。これが三角形になったらどうなるかな?』

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『三角形になったら良い体向き(自分の向かいたい方向に正面を向く)を作るためには体の向きを変えないといけないよね(赤線のように)。だからこそ大事なのは自分の体のコントロールをすることなんだ』


言葉で説明するだけでは分かりにくいなと思ったので、その場でちゃんと実演しながら再度説明しました。

『軸足を先に決めちゃうと動ける範囲が狭くなっちゃうよね。だからコーチたちはみんなにボールを受ける前にステップ踏めよって言うんだよ』
『ボールを止めたりコントロールをしようとするのではなくて、良い体の向きを知っていれば、その形になるように体をコントロールしてあげれば良いだけなんだよ』


サッカー走るだけでいい

次に『蹴る』についてのハナシ。


『1番最初に50メートル走やったよね。スタートの時に何て言ったか覚えてる?よーい、ドン!って言ったよね。よーいの部分が良い体の向きを作ることであれば、蹴るっていうことはドン!と同じことなんだ』


もちろんここでも選手たち達の顔は

『この人さっきから何言ってんだろう』

って感じ。


ここでも実演しながら再度説明します。

『さっきも言ったけど、君たちは対面パスをしてる。だからボールを蹴ろうとしちゃうんだよ。君たちはもう良い体の向きを知ってるよね?そしてボールを止めるのではなく体をコントロールすることも知ってよね?あとはゴールに向かって走るだけ。ドン!でボール蹴った後、そのままの足でゴールに向かって走るんだ』


『ボールを止めるからプレーは遅くなる。ボールを蹴ってもまたプレーは遅くなる。だからサッカーはよーい、ドンで走れば良いんだ』


忘れられたもう1つの言葉

ここが一番大事なハナシ。


『みんな、なんか忘れてる言葉ない?君たちが運動会で50メートル走やるとき、きっとスタートの合図を出す先生はもう一つ君たちに言葉をかけてるはずなんだ』


『それは位置についてだよ。みんなが走るとき先生は、位置について、よーい、ドン!って言ってないかな?サッカーにもあるんだよ。位置についてって言葉が』


もちろん最初は選手たちも理解してません。

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『もう一度聞くよ。君たちはもう良い体の向きを知ってるよね?位置についてで良い体の向きを作れればもっと効率的にプレーができるようになる』
『つまり位置についての時点で良い体の向きができていれば、よーいの時点では自分の進みたい方向にボールを運べることができるんだ。スペインではそれをControl Orientado(コントロールオリエンタード)って言うんだ』


サッカーはフライングして良い

『位置についてで良い体の向きを作り、よーいの時点で自分の進みたい方向にボールを運べることができれば、みんなよりも前からドン!することができる。つまりみんなよりも前でスタートが切れるんだよ。運動会でそれをしたらフライングになるけど、サッカーにはフライングがないんだ』
『まとめるとね、サッカーではボールを止めちゃダメだし、ボールは蹴っちゃダメなんだ。だから走れば良い。位置について、よーい、ドン!って』


この後はひたすらトレーニングです。

言葉ではなく体で覚える方が小学生の選手たちには速いので。



結局この『止める・蹴る』の説明を通して一番伝えたかったこと。

『すべては体の向きで決まっちゃう』


これが誰かの参考になれば嬉しいです。


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